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かたつむりは好きですか?

連日、雨だった。

心配な畑の状態、雨で傷んでないか、変わりあてた有り様にユリは嘆いた。


ユリの楽園

豊富で豊かな作物、時間のかかる果物も順調に実を付け、理想の園になった

召喚術を研究して、畑を荒らす動物たちを、追い払うゴーレムまで、配置してある。


これ以上、土地を広げる必要はな無いと考えていた。

魔力も、時間も、限界があるし・・・売って商売するつもりもない

大食いのめいなちゃんと、愛しいリオン、家族は増えたが、十分な実りがあった。

だが、貧困に嘆く村人の話を聞き、畑を広げることにしたのだった。


小石も多く痩せ細る畑、お芋が辛うじて育つ状態、

栄養を与え土地を寝かして、ようやく野菜が育つ環境は整った


雨が上がり、畑の状態を見に来たら、野菜が見るも無残に、穴があき、かじられていた。


ゴーレムを、こちらの畑にも、配置しようかしら・・・

ユリの楽園に侵入すると防衛が働く、故に孤立していた。

本来は、主のユリ以外、追い払う呪文がかけられてるんだけど・・

めいなちゃんは、微笑むだけで愛しいゴーレムが奪われてしまう・・

心変わりするなんて・・可愛いって・・怖いわ!


いや、いや、悩んでいたのは、そこではない。

荒らされた畑・・・虫が食べたには葉に空いた穴が大きい

動物か?それらしい足跡は、見当たらなかった。

まさか、鳥が?虫は食べるだろうが、野菜を突いて嫌がらせか・だとしたら、許せない


今日は、雲一つなく天気がよさそう

『察知の網』目には見えない魔法の網をかけた

鳥はもちろん、小さな雨粒でも網に当たれば分かるようになっている。



2時間後に反応があった!急いで現場に向かう

見慣れた白いワンピース、かがみこんで何かしている

そっと、近づき、様子を窺う、めいなちゃんが、土遊びしている?


「かたつむりさん、私の事すきですか♡?」


両方の手のひらに乗っけて話しかけている。

指で撫でたり、右手左手交互に目線を顔の高さに合わせて、のぞき込んだりしていた。


「何してるの?」

「かたつむりさんが、いっぱい、いるの。好き ふふ」


何方かというと、炒めたら美味しそう、隠れる前に取り除かなきゃ

そうだった、お菓子を焼いていたんだった。


「エスカルゴ・・・お菓子出来上がるころだから、家に戻ろ」

「は~い。ふふ かたつむり♪かたつむり♪}



リオンが受けた大型動物減少原因調査は、解決されと村人が喜んでいた。

この数日、動物が増え、狩りが盛んになったそうだ

その影響か、畑が荒らされることがなくなった・・犯人は、動物だったか!


心配が無くなり、畑作業にも力がはいる、傷んだ葉を切り取って、様子をみることにした

枯れないようなら、これで実るだろう、村人に任せよう。


次の朝、ぽつんぽつんと雨が落ちている、

そういえば、カタツッムがいっぱい居たと言っていたな野菜が餌にされるまえに食べてやる

夢中で90匹くらい取った。うん?、ご機嫌な歌声が聞こえてきる。


「かたつむり♪かたつむり♪」


歌声の方向みてみると、巨大なカタツムリの上にめいなちゃん乗って、歌っていた・・・


「犯人は、カタツムリだったんだ」


しかし、よくもまあ、大きく育ったものだ。

ユリの作ったお野菜は、栄養豊富…自画自賛。

違う!手塩にかけたのに、じわじわと怒りが噴き出してくる

おのれ、食われた葉っぱの恨み


その時、袋に入れていたカタツムリが、巨大カタツムリの方に飛んでいき、吸収され大きくなっていく

あああ、めいなちゃん、大喜びしている・・

触らぬ、めいなちゃんに、大暴れなし・・・がっかりさせたら、怖い気がする。

見なかった事にしよう・・見て見ぬふりをしていると・・

畑が荒らされていく・・いままでの苦労が走馬灯のように思い返された

怒りとともに火柱が、天空まで届かんと燃え上がる。

ユリの体は、火柱に包まれる

袋に残っていたカタツムリに火が付き、燃え上がり焦げあがる

微かな、香ばしい香りが、風に運ばれ

めいなは、巨大カタツムリを持ち上げていた

ヒュー ボオ ボボボ

火柱に巨大カタツムリが投げこまれた。

壺焼きか・・・いや、巨大エスカルゴか?調味料いるかな?

時折勢いよく炎が伸びる 美味しそうな香りね


数分後には、巨大カタツムリの姿は、お腹の中に消えていた。

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