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もののけがいっぱい  作者: 剣崎武興
05.連休も大さわぎ
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05.連休も大さわぎ その7

「ちょとアナタ、何するアル、引ぱらなくても、ワタシ逃げないアル」

「ごちゃごちゃ(わめ)くなっての、こっちだって取って食うわけじゃないんだから」

俺たちがリビングに勢ぞろいして昼飯をいただこうとしたとき、玄関のほうからそんな声が聞こえた。

勢ぞろい、と言ったが、実は今、メシ時に真っ先に現れるヒビキの奴が、席についていないのだ。

「どうしたのかな、ヒビキお姉ちゃん?」

「大方、不審者でも捕らえたのであろう。あやつは外にいたからな」

「引っ越したばかりだというのに、物騒な話」

「番犬を飼うか、ホームセキュリティーの会社を頼むのが良いでしょうか」

事情のわからないモノたちが勝手なことを言っているその横で、俺はちょっと苦笑したまま固まってしまっていた。

なぜかって、そりゃあみんなが「不審者」と言うその正体について、心当たりがありすぎるぐらいにあるからだ。

「あれ、どうしたんスか、将仁さん、変な顔して」

「ん、ああ、いや、そのな」

どう答えたらいいか、考えていると、ヒビキがその騒ぎの元となった相手の襟首をつかんで引きずるようにしながらリビングに入ってきた。

「待たせちまったかな」

「誰ですかぁ、その人ぉ?」

「ああ、なんか玄関のとこで家の中をしきりに(うかが)ってたんで、怪しいから捕まえてきたんだ」

「怪しいとは心外アル、ワタシ、ソコで待てろ言われたから待てただけアル」

ヒビキに引っ張ってこられたその女の子は、負けん気が強いのかそれでもちゃんと言い返す。

と、その子が俺に気付いたらしく、たたたっとこっちに駆け寄ってきた。

「もう将仁サン、ワタシのこと忘れるのダメダメよ。とても乱暴な人に捕またアル」

その瞬間、部屋中の視線が俺に集中した。

「お兄ちゃん、その人、だあれ?」

うちのモノ軍団の意見を代表するかのように、ケイが重たーい声で聞いてくる。

こういう時に頼りになる常盤さんは今外出中だ。引越しに関する手続きをするために役所に行っていてまだ戻っていないのだ。

いつまでも黙っているわけにはいかないので、俺は覚悟を決めることにした。

「えー、今日から新しくうちの一員になる、紅娘(ほんにゃん)さんだ」

学校の先生みたいな言い方になってしまったが、あらかじめそう紹介してから紅娘本人を前に出す。

「ニーハオ!ワタシ、ただ今紹介されました、中華鍋の擬人化、紅娘言いますネ。得意なのは、火の扱いと料理アル、ミナサンよろしく頼むのコトね!」

相変わらずのマンガ的中国人のような喋り方で紅娘が自己紹介する。そして一通り言い切ると、ぺこんと頭を下げた。

どうも、作者です。

紅娘がモノたちと初邂逅しました、ってそんな大げさなものではないですが。


さて、紅娘は真田家のモノたちに受け入れられるのでしょうか?

そして、主人公の運命は?

乞うご期待!

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