表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
もののけがいっぱい  作者: 剣崎武興
05.連休も大さわぎ
76/385

05.連休も大さわぎ その2

「そんじゃ行ってくる」

「いってらっしゃい。迷わないように注意するのよ」

「うううぅぅぅ、早く帰ってきてねぇお兄ちゃぁぁぁん」

何人かに見送られ、俺は最寄の駅への道を歩き出した。

常盤さんから聞いた情報によると、俺の家は駅から徒歩15分の住宅街にあるらしい。とはいえ、実際に歩くのはこれが初めてだ。

朝飯の席でこのことをみんなに話したところ、案の定何人か「一緒に行きたい」と言う奴がいたのだが、今日はあえてそれを全部断って俺一人で行くことにした。この前ケイとテルミとヒビキと一緒に外食したとき、学校と全く違う方向なのに見ている奴がいた。ましてや今日は学校のすぐそばまで行くんだから誰が見ているか判らない。そして見られたときにどう答えればいいか分からんからだ。

門を出て右に曲がり、最初の十字路を左に曲がりしばらく真っ直ぐ行くと、国道に出る。国道は両側2車線あって広いため交通量が多い。向こうへ行くには、右のほうへ少し行ったところにある陸橋を渡る必要がある。

その陸橋を渡り、同じ方向に道伝いに行くと、左に曲がる大きな道がある。その道を曲がって真っ直ぐ行くと、明日から通学で使う駅の前のロータリーに出る。

そこまで来て腕時計を見る。うちをでてから、10分ちょっとといったところか。

「ま、こんなもんか」

駅の入り口下は、スーツを着たサラリーマンなどでごった返している。明日からこのクソ暑い中、このスーツ軍団と毎日すし詰め状態になって通学するのかと思うとちょっと萎えてしまうが、それはもう覚悟を決めるしかないだろうな。

「えーと、ここは朝賀あさかで、降りる駅は成桝なりますだから・・・・・・150円か」

券売機にコインを入れて切符を買うと、俺はホームに向かう。向きを間違えないよう、指示をちゃんと確認してホームに出ると、ちょうど電車が出て行ったところだった。

ちょっと悔しいが、おとなしく待っていると、5分ほどで次の電車が入ってきた。

電車に乗り込んでつり革につかまると、なんとなくぼーっと窓の外を眺める。電車は高架橋の上を走るのでけっこう見晴らしがいい。

今日は天気がよさそうだな〜なんてなことを考えていると、電車が目当ての駅に着いたので、置いていかれないよう人を掻き分けてホームに降り立つ。

あとは何度も来た道だから進むのも簡単だ。駅前の商店街を抜け、通いなれた道に出ると、そのままてくてくと学校に向かって歩いていく。

やがて学校の校門前に到着した。グラウンドのほうを見ると、休日返上して練習をしているテニス部やラグビー部の姿が見える。

そして、自分の足が校門の前にたどり着いた時点で、俺は再度腕時計を見た。家からここまで34〜5分。電車にちゃんと乗れていれば5分ぐらい早く着いていたかもしれない。

「早くついたからどうだ、ってことはねぇんだけどな」

実際、来たからといって何かをするわけではない。練習するにしても着替えもシューズも持ってきていないし、勉強するにしても筆記用具はあるが教科書も参考書も持ってきていない。図書館に入って読書するというのもちょっと考えたが、そうまでして読みたい本というのも今のところない。

まあ、学校の周りにはコンビニとか本屋とかCD屋とか喫茶店とかがけっこうあるので、このへんで多少の時間を潰すのは別に苦にならない。とはいえ、ひとりでそんなことをするのはちょっとさびしいのも事実だ。

だいたい分かっているこのへんで暇つぶしをしても面白くないので、今日は知った顔に合わないうちにさっさと帰ることにした。

どうも、作者です。

今回は、ごく普通にありそうな光景にしてみました。

タイトルに偽りありだ!と思われるかもしれませんが、まあ息抜きのつもりで読んでください。


次回、また話が転換します。

さて、何が起きるのでしょうか!?

乞うご期待!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ