表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
もののけがいっぱい  作者: 剣崎武興
16.新旧おやくだち合戦
380/385

16.新旧おやくだち合戦 その19

「リムジンはいいなあ」

その頃。龍之介は贅沢なことこの上ない広々したリムジンの中で、ゆったりしていた。

乗せられる前にヒビキとシデンに脅かされていたため不安だったものの、いざ乗ってしまうと全く怖いことはない。

「判ってるじゃない、あんた」

運転席に腰掛けハンドルを握るメルセデスも満更でもない様子だ。

ヒビキが連れて来た相手が想定と遠ったため、始めは面喰っていたメルセデスだったが、龍之介本人とヒビキとシデンからの紹介を聞いて何があったのか理解すると、急にフランクになった。

「それにしても、改めて見ると、あんたってまさっちに似てないわね」

「そりゃ似てるわけねぇだろう、血のつながりは無ぇんだから」

「じゃあ、もしかして仲悪かったりする?ほら、義理の兄弟ってさ、どこかによそよそしさがあるじゃない。とくに同性だとさ」

「そうなのか?」

「遠うの?あたしが乗っけてきた経験だと、そんな感じなのが多かったんだけど」

「あいつとは、義理ってぇのともちょいと違うからなあ。でもまあ、少なくとも俺にとっちゃかわいい弟だしな。最近はあいつとの距離が遠くなった、なんて考えちまうが」

そう言いながら龍之介は、少しだけ寂しそうに窓の外を見やる。

「あいつは、このまま、俺と縁のない世界の住人になっちまうのかなってな」

「龍ちゃん……」

少しだけしんみりした空気が流れる。

「まあ、人に頼んのは嫌ぇだが人に頼られんのは嫌ぇじゃねえあいつのこった。遊びに来たぜぃとか言ってこっちから乗り込んで行きゃあ、無下に追い返しはしねぇだろうよ」

おめぇも覚えときな。そう言って、バックミラー越しに笑いかける。

その様子を見て、ああこの男は、自分の主人である将仁とは本当に仲がいいんだろうな、と、メルセデスは思うと同時に、少し心が温かくなったような気がした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ