03.そして何かが動き出した その9
「ふぅー、重かったぁ」
アパートのドアの前で、両手いっぱいになった荷物を地面におろす。
「鏡介さん、お疲れ様でしょう」
「エレベーターがあったからいいけど、さすがに5人分は重いわ。いっぺん測ってみたいね」
床に置いた買い物袋の中からペットボトル入りの烏龍茶を出してごくごくと一気飲みする。
「ただいま帰りましたでしょう、ヒビキさーん、クリンさーん、手伝ってもらえないでしょうかー」
紙袋を片手で抱え、テルミがドアを開けた。
その瞬間。
「ぶはぁっ!?」
床におろした荷物を持ち上げようと、身をかがめた鏡介の顔面に、何かが飛び込んでぶち当たった。その衝撃で鏡介は後ろにひっくり返った。
「き、鏡介さん!?」
「あー、わりいわりい、大丈夫かい?」
目を丸くするテルミを尻目に、中からそんな悪びれた様子も無いヒビキが出てきた。
そして、鏡介と衝突した後にそのまま動かなくなったそれを拾い上げる。
「やっぱり、ラジコンは部屋の中で動かすもんじゃないねぇ」
それは、さっきまでいじっていたゼロ戦のラジコンだった。
「ってぇ・・・・・・」
「ひ、ヒビキさんっ、あなたは一体何をしているんでしょうかっ!」
「いやぁ、あまりにヒマだったもんでさぁ」
「だからって、人にぶつけることはないじゃないスか。俺、傷がつくぐらいならまだしもまだ割れるのは嫌っすよ!?」
ヒビキに噛み付くテルミの横で、ラジコンが衝突した額を押さえながら、鏡介が起き上がる。
その手の下は見事に腫れていた。
「まあっ、腫れているでしょう、鏡介さんっ」
「わ、冷やせ冷やせ、あとはあたしがやっとくから」
そして、ヒビキが鏡介の腕を引っ張る。
「うわぁっ!?」
すると、まるでワイヤーアクションのように、鏡介の体が中にすっ飛んでいった。
どうも、作者です。
なんか、鏡介が痛い目に遭っていますw
こういう、女性ばかりの中で男が主人公という話の場合、たいがい痛い目に遭うのは主人公なんですが、その身代わりってところでしょうか。
別に鏡介がキライだからこういう目に遭わせているのではありませんのでご理解のほどをw




