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もののけがいっぱい  作者: 剣崎武興
15.とうとう来ました西園寺本家
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15.とうとう来ました西園寺本家 その8

「もういいか?」

2人が泣き止んだところを見計らって、2人に声をかける。

「ごめんね、将仁」

「つい、感極まってしまい」

「いや別に泣くなとは言わないけど、泣いても話は進まないだろ」

すると、絵の中の人がまた感極まり始める。

「将仁、こんなしっかりした子になって」

「そうですよねぇ」

「だぁぁっ、こらそこの絵と時計ッ!また泣くんじゃねぇっ!うっとうしいっ!」

怒鳴ると、2人は一瞬びくっとしてからしゅんとしてしまった。めんどくせーなーもう。

「あのさ、俺、本当にここに住んでいいんだよな?」

すると、まず自称俺のお袋な絵の人がぱっと顔を上げてこう言った。

「もちろんです!この世の何処に、自分の子と住みたくない親がいますか!?」

そんなのはいくらでもいると思うんだが、これ以上虐めるとあっちが沈没してしまいそうだから止めておこう。

「えーと、住むのは俺だけじゃなくて、こいつらも一緒なんだけど」

「え?」

すると、絵の人はそれに始めて気がついたようにあたりを見回した。

「誰?」

「誰って、俺の擬人化だけど・・・・・・常盤さんから聞いてないの?」

「ほら、この前、お話したじゃないですか。将仁さんも覚醒されていると」

「あ、あら、そうだったかしら」

全く、これだけ大人数なのに俺しか見えていないなんてどれだけ視野狭窄なんだ。

そう思っていると、自称お袋の絵の人が枠の中で咳払いをすると、済ました顔をして言った。

「もちろんです。あなたの家族であれば私の家族でもあります。それを追い出すようなことはしませんよ」

「ならいい」

言質をとったので、みんなのほうに向き直る。

「というわけだから、みんな、挨拶を・・・・・・」

してもらおうかと思ったが、ケイ以外は相当ヒマだったのだろう、各自で勝手に喋ったり部屋の中をいじったりしている。テルミなんかは率先してアインシュタインに家のことを聞いていたりして偉いなと思うが、シデンよ、いくらやることがないからって部屋の中を飛び回るのは危ないから止めてほしいんだが。

「まあいいや。とにかく。みんな。今日からこの家にお世話になるから、挨拶してくれ」

二次元にしつけがなってない(しつけしたこともないが)なんて言われるのもなんか悔しいので、挨拶ぐらいはしてもらおう、と思いやらせてみた。

「携帯電話の擬人化のケイです!お兄ちゃん共々よろしくおねがいします!」

「プラズマテレビの擬人化、三石輝美と申します。テルミとお呼びください、大奥様」

「あたしはオフロードバイクのヒビキ。人間名は川杉響だ。よろしくな」

「浴用スポンジの擬人化のぉ、安房久倫ですぅ。お世話になりますぅ」

「私、冷蔵庫の擬人化、氷室怜香といいます。不束者ですが宜しくお願い致します」

「自分は零式艦載機二一型、の模型の擬人化、中嶋紫電であります!総司令殿、宜しくお願い致します!」

「Hello, my grand Master! ワターシは、Valencia McQueenデース!Masterのlaptop computerからtransformしたデース!I’m glad to see youデース!」

「ニーハオ!ワタシ、広東式中華鍋の擬人化、李紅娘ですアル!よろしくおねがいするのコトね!」

「む、わらわは、この家に厄介になっておる気狐の魅尾じゃ」

とりあえずみんなに一言ずつ挨拶させる。しかしこうしてみると挨拶だけでも個性が出るもんだな。

「私は、先ほど常盤のほうから紹介がありました、西園寺家先代当主、西園寺静香と申します。皆様、よろしくお願いします」

絵の人、もとい静香さんは、一通りの挨拶が終わると、妙に改まった感じでみんなに挨拶する。

「さあ、皆さん。今日からここが皆さんの家ですから、好きなようにくつろいでくださいな」

そして、なんかどっかの寮母さんみたいにそう宣言した。

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