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もののけがいっぱい  作者: 剣崎武興
02.なんかおかしな展開に
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02.なんかおかしな展開に その11

「あー、疲れたぁ」

兄貴が帰った後、俺はそのまま風呂に入った。なんかたるんでるなーと自分でも思うが、なんかもう精神的に参っているからしょうがないと自分に言い訳する。

ざばぁっと頭から湯をかぶり、シャンプーをつけてわっしゃわっしゃと髪を洗う。そして手探りでスポンジをつかんで、ボディーソープをつけて馴染ませるとごしごしと体をこする。

元携帯電話のケイとプラズマテレビのテルミは(昨日素麺なんか食ってたくせに)水が苦手らしい。オフロードバイクのヒビキは、水は大丈夫のはずだがどうやらめんどくさがっているらしい。見た目はみんな年頃の女の子なのに、そんなことでいいんだろうか。

というわけで、風呂はトイレと並んで「俺が一人になれる」場所になったのだ。

目をつぶったままでごしごし体を洗いながら、今日あったことを考える。

昨日から、俺の周りではどっかのマンガみたいな出来事が立て続けに起きている。携帯やテレビやバイクが人になったり、まったく知らない遺産の話が転がり込んできたり。

そして何より、その全部をつなぐ鍵が俺だと言う。あまりにぶっとんだ話だ。

「俺がそんな力を持っているなんて、まだ信じられないよなぁ」

がしがしと体を洗いながら、そんな言葉を吐き出す。

遺産がどうこう、というのはまだ実感がないから考えないこともできる。今はそんなことより、今、目の前にある(正確に言うとうちの居間にいる)危機にどうやって対応しなければならないか、のほうが問題だ。

なにしろ、男一人住まいのところにいきなり女の子が3人も現れたのだ。いくら彼女がほしいからといっても、これはないじゃなかろうか。しかもその子らはもともとモノだったから、下手すれば俺は彼女らの前を素っ裸とかパンツ一丁とかで歩き回っているはず。

相手がモノの姿であればいいんだが、女の子の前を素っ裸で歩きまわれるほど、俺は図々しくないし、それにこう言っちゃなんだが自信がない。

「なんだってこんなことになったんだ、これじゃマジでマンガじゃないかよ、なあ」

考えると耳鳴りがしてきそうだ。

ごしごし。

「まぁ、家の中がにぎやかなのはいいけどな」

それに、考え方によっちゃこれは確かにりゅう兄が言うように男の夢であるハーレムな世界だ。もっと増えたら、ふっきれて楽しくなるかも知れない。

ごしごし。

ずるずる。

なんか俺の体を洗うスポンジの感触が変なような気がする。

「まぁ気のせいだろ」

一通り洗い終わった。よし、そろそろ洗い流そう。と思ってスポンジから手を離して手探りで洗面器を探す。なにしろシャンプーは流していないし顔は泡だらけだし、このままで目を開けたら石鹸が目に入ってとっても痛い。

だが、なぜかその洗面器がない。

「どうぞー」

ざばぁーっ。

突然、頭の上からお湯がかけられる。それと一緒に、頭が軽くわしわしとすすがれる。

はて、いつのまに俺じゃない奴が風呂に入ったんだろう。

お湯の流れが一度途切れたところで、薄目を開けてみる。

目の前に、ぼんやりと、肌色の、ぷるんぷるんと揺れるものが二つ見える。

何だ、これは。こんなもん、風呂にあったか?

「どうしますかぁー?もう一度、おかけしますかぁー?」

「もう一度?」

「はいぃー、お体のほうも、お流ししますよぉ」

はて、聞いたことがない声だ。

見上げると、なんかほわわんとした感じの、白い髪の女の子が、洗面器を手にしている。アルビノってやつだろうか、眠そうに半開きにした瞳が赤い。

「こんばんわぁ、将仁さぁん」

その子は、目があった俺に、にっこりと微笑んできた。

一瞬、頭が真っ白になる。そして、つつつっと目を再び下にやる。

泡にまみれた肌色の体に、ひときわ目を引くきめ細かい泡をまとった肌色の大きなふくらみが二つ。 さらに下に目をやると、同じように泡にまみれた、すべすべした太ももが目に入る。

その柔らかいラインは男のものではない、と思う。

それは。つまり。

見知らぬハダカの女の子が、俺の目の前にいる。

「うわ、うわあああああぁぁぁぁぁぁっ!?」

なんだそりゃあ!

前後不覚になって、俺は風呂場から飛び出していた。

「あぁん、まだ背中に泡がついてますよぉ」

後ろからなんかのんびりした声が聞こえるが、そんな場合ではない。脱衣所に置いてあったバスタオルを腰に巻きながら、俺はそこも飛び出した。

どうも、作者です。


こういうハーレムものにはつきもののお色気キャラの登場です。

スポンジの擬人化といえばかの有名なスポンジボブがいますが、私だったらこっちのほうが断然いいですw

次は、このふんわりスポンジ娘と、それ以上に主人公がモノたちの間に騒ぎを起こしますので、ご期待ください。

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