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もののけがいっぱい  作者: 剣崎武興
08.慣れというのは恐ろしい
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08.慣れというのは恐ろしい その1

9月21日 木曜日


ちっ、ちっ、ちっ、ぽーん!

じゃっじゃっじゃーちゃらららららじゃっじゃっじゃーちゃらっちゃらっ!

「おはよーございます!今日は渋谷の駅前から生中継です!」

「わああぁっ!?」

その日は、いきなりの軽快な音楽とレポーターの声に叩き起こされた。

「なんだなんだなんだ!?」

跳ね起きて何事かとあたりを見回す。

すると、どアップの女性ナレーターの顔が眼に飛び込んできた。

「わあっ!」

なんなんだ、これは!?まだ夢の続きを見ているのか!?

「うふふっ、おはようございます、将仁さん♪」

パニックに陥っていると、その音と同じほうから、聞き覚えのある声がした。

見ると、四角く切り取られた空間の中にはデパートが立ち並ぶ光景と、半そでの女性レポーターの姿が映っており、そしてその上に縁の四角いめがねをかけた女の首と腕が乗っかっている。

「て、テルミ!?」

「はい♪目が覚めたでしょう?」

落ち着いて見れば、なんのことはない。60インチのディスプレイを出したテルミが部屋の入口あたりに立っていて、その画面に俺が良く見ている朝の情報番組が流れているのだ。

どうやら俺を起こしに来たらしいが、それにしてもなんつー起こし方をするんだ。

「もう少しやさしく起こしてくれよ、寿命が縮まるじゃねぇか」

「だって将仁さん、やさしく起こしたら起きないでしょう?だから、強硬手段に出たのでしょう」

ケイさんから聞きましたよ。そう言われると確かに反論できない。

だがこの部屋には俺だけではなく鏡介もいるんだぞ、鏡介まで叩き起こすことはないだろうと思いベッドから下を覗くと、なぜか鏡介の姿が無い。

「鏡介さんなら、1階でしょう」

マントをかけなおしてメイド姿に戻ったテルミが教えてくれる。

「へ?」

「寝汗をかいたから風呂に入ると言っていたのでしょう」

言われて思い出したが、そういえばゆうべは天気予報どおり熱帯夜で寝苦しかった。来ているシャツも汗でびっしょりだ。

「それでは、私はこれで失礼致しましょう。将仁さん、二度寝なんかしてはだめですよ?」

そう言って、なんちゃってメイドは絶対にやらないぐらいに深深とお辞儀をしてから、くるりと向きを変えてテルミは部屋を出て行こうとする。

ふと、そのメイド服のスカートのすそから、何か黒い紐みたいなものがはみ出ているのが見えた。紐というか何かのコードのようで、先端がテルミのスカートの中に固定されているらしく、テルミが歩くのに伴いずるずると床を引きずられている。

「おい、テルミ、何かスカートから出てるぞ?」

「え?」

「ほら、そこ。何かのコードみたいなのが」

俺に声をかけられて、振り向いたテルミがそのまま視線を下に移し、そしてあっと声をあげた。

「あ、こ、これは、UHFのアンテナ線、でしょう」

「アンテナ線?」

「ほら、私はテレビですから、テレビアンテナと繋がってないと、番組が、放送できないでしょう」

何が恥ずかしいのか、少し赤くなったテルミが早口にまくしたてる。

言われてみればそうだ。テルミの本来の姿であるプラズマテレビは据え置き型だから、アンテナ線を繋がないと映らない。ってことは、1階にあるアンテナのコネクタからここまで、接続用のケーブルを延ばしてきたってことか。

「そ、それでは、失礼しますでしょうっ」

一人で考えて納得している俺を尻目に、テルミはそのケーブルを引きずったまま足早に部屋を出て行った。

「何だありゃ?」

一人取り残された俺は、妙に恥ずかしそうだったテルミの姿を反芻していた。

別に、テレビがアンテナ線を繋ぐのはおかしなことでもなければ恥ずかしいことでもない。というか、繋がなければテレビとしての機能は果たせないから、本来は繋がないと役に立たない。

そう考えたところで、ふと思った。

テルミって、アンテナ線をどこに繋いでいるんだろうか。コードがスカートの中から延びていたことから推測するに、上半身ではなさそうだ。

「・・・・・・ということは・・・・・・わ、まさか、うわ」

朝っぱらから18禁な光景を考えてしまった。アンテナ線の先を×××に挿すテルミの姿を想像しただけで、朝立ちしていた股間のICBMがさらに膨れ上がる。そういえばテルミの奴、最初にアンテナ線を繋いだ時になんかヘンな動きをしてたな、こりゃ間違いなさそうだ。

頭を振ってその妄想を振り払い、熱くなってきた顔を張ると、汗まみれのTシャツを脱ぎ捨て新しいシャツをタンスから引っ張り出した。

どうも久しぶりです。帰ってまいりました。

とりあえず、そこそこ書き溜まったのでまたしばらく投稿をしていきたいと思います。


もし、ご意見・ご要望・ご指摘・ご忠告などありましたら、遠慮なく送ってください。


では、次回を乞うご期待!

(久しぶりだな、このフレーズも)

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