02.なんかおかしな展開に その3
「うーす・・・・・・あれ、マサ、どうしたんだ?えらく疲れた顔してるじゃないか」
シンイチが俺の後ろから声をかけてくる。
「うーす、そんな疲れてるか?」
「あぁ、なんか睡眠時間足りてないって感じだぜ。深夜番組でも見てたのか?」
「うーん、その、なんだ」
本当のことなんか言えない。言えるかそんなもん。携帯電話やプラズマテレビやオフロードバイクが女になって押しかけたなんて、いまどきマンガでもやらんぞ。
「なあ、シンイチ。ちょっと聞きたいんだけど」
「ん?」
「自分ちに、いきなり新しい住人が増えたら、お前はどう思う?」
俺の質問に、シンイチは変な顔をする。
「どうって言われても、なぁ。かわいい子だったら大歓迎だけどな、んでお兄ちゃんなんて呼んでくれたら」
「うーん、そうか」
いつもだったら速攻突っ込む返事だが、俺は唸ってしまう。だって、俺、今、お兄ちゃんと呼ばれてるんだもんな。携帯電話にだけど。
「なんか変だぞ、お前。何かあったんじゃないのか?」
あまりに不審だったんだろう、逆に突っ込み返されてしまった。
「い、いや、なんでもない、なんでもないぞ、さ、さっさと学校に行こう」
その場を取り繕うために、俺は早足で学校に向かった。
だが、学校についても、今日ははっきり言って、授業に身が入らなかった。
朝飯食ってないのもあるが、うちに置いてきた3人娘のことが気になってしょうがない。
実は、あの後、ヒビキのことを何も言わずに部屋に押し込んでそのまま来てしまったので、中にいる二人とケンカしていないかが気になってしょうがない。
おかげで、今日は指されて答えられないということがいつもよりずっと多かった。
「どうしたんだよ、マサ。お前、ホント変だぞ?」
休み時間にヤジローがかけてくる言葉もどこか上の空で聞き流していた。
心配するなっていうほうが無理だ。帰ったら大喧嘩の真っ最中、なんてオチは勘弁してほしい。それでなくても、俺、なんとなく居場所がないんだから。
「はぁーぁ」
今日、何度目になるか判らないため息が、口から吐き出された。
どうも、作者です。
今回はちょっとしたつなぎの部分なのでさらっと読み流してください。
次回は、01で出てきた二人が新顔の擬人化と初邂逅します。
まあ基本的に仲を悪くするつもりはありませんのでご安心ください(何を)