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もののけがいっぱい  作者: 剣崎武興
07.穏やかな日は遠く
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07.穏かな日は遠く その24

「アイヤー、将仁サン、そなトコロで何してるアル?」

「Come on, come on. Come here & let’s eat the sho-ryu-ken.(こっちに来て、ショーリューケンを食べましょう)」

「バレンシアサン、違うアルよ。ショーリューケンじゃなくて、小籠包アル」

「Ah, sorry.」

テーブルの前に座った紅娘とバレンシアが呼んでいるのでそっちに向かう。バレンシアがちょっととぼけたことを言っているが、バレンシアの場合本気ボケなのか考えボケなのか判らない。

「ハイ、将仁サン。まだ食べてないアルよね。ちょと冷めてしまたアルけど」

俺がいつも座っている席に座ると、右に座った紅娘が箸と取り皿を出しながら顔をよせてくる。

「Well, ショーロンポは、this way でeat するでシタね?」

一方、俺の左側に座ったバレンシアも、そんなことを言いながら顔をよせてくる。

「Master. Now, Miss Terumiがescort(案内)したgirlですケド」

「昨日、話に出た、オンミョージかものヒトアルね?」

そして、小声で一緒に俺にそんなことを聞いてきた。

「・・・・・・気づいていたのか」

「After dinnerに、Miss Keiに、photoをshowしてもらったデス」

「みんな、賀茂サンのコト、注意(気づく)しているアルよ」

「そうか・・・・・・!お、お前ら、まさか!?」

ふと、非常に危険な発想、すなわち早いうちに叩きのめすことが頭にうかび、椅子を飛ばす勢いで立ち上がりながら叫んでしまう。

そんなことをしたもんだから、部屋中の視線が一斉に俺に集まってしまう。

「あ、いや、その」

「将仁サン、なに驚いているアル?」

「Aha、もしかしてMister、ginger(生姜)はno goodデースか?」

「アイヤー、對不起對不起、それは知らなかたアル」

俺がやってしまったオーバーリアクションに対して、二人が気を利かして誤魔化してくれる。なんか、これでは俺が一番迷惑をかけているじゃないか。

「お兄ちゃん、ショウガ、嫌いなの?」

ケイがいつのまにか来て俺を下から見上げている。

「まあまあ、それじゃ、生姜入てないタレどうぞアル」

にこにこ顔で新しい取り皿を出しながら、紅娘は空いた手で服のすそを軽く引っ張って座ることを促してくる。そして、バレンシアは俺のほうを向きながら、自分の口元に人差し指を立てて見せた。

「あ、ありがとう」

「ほらほら、食べるヨロシ。ワタシの特製アル、食べ方は判るアルよね?」

「Mister、open your mouthネー、ほーら」

「わーん、ちょっとそれはケイがやるのー!」

俺が椅子に座ると、俺のまわりでモノたちが騒ぎ出す。すると。

「なんでだよぉうひひひおわだだだだ!」

「きっさまぁ!鼻の下を伸ばすなぁ!」

「うふふふふっ、将仁さんに似てぇ、甘えん坊さんなんですねぇ」

ヤジローは一瞬羨ましそうなそぶりを見せたが、すぐシデンとクリンにいじくりまわされ。

「まったくもう、あなたはいっつもいっつも・・・・・・」

こっちではシンイチと、なぜか鏡介が委員長の前で正座させられて説教されている。

「おい、委員長。鏡介のやつ、何かやったのか?」

「え?」

気になったのでそのことを聞いてみる。すると、なぜか我に返ったようなきょとんとした表情をこっちに向け、それから説教をしていたほうを見て、すっとんきょうな声をあげた。

「あれ、なんでさな・・・・・・じゃなくて、加賀見くん、どうしたの?」

「え、あ、いや、なんとなく」

どうやら、怒られているシンイチを見て影響されたらしい。もとが鏡だかららしいといえばらしいんだが、鏡介の奴、俺が受ける災難を代わりに蒙ることが多いような気がする。

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