07.穏かな日は遠く その12
「えーと、常盤さん、はいないんだよな。えーとそれじゃ、他に誰がいる?」
「Wow, wow, wow! What happen?」
なんか、妙に興味津々な声がするんだが。
「Whatって、お前トラブルを喜ぶようなことを言うなよ。こっちは困っているんだから」
「Ah, sorry, sorry. But、なーに困っているのデース?」
どうも他の奴に繋ぐつもりはないらしい。仕方が無いので、ちょっと不安はあるが、今からクラスメイトを連れて帰ることを伝える。
「O.K, Master. それデ、ミーたちはwhat should do デース?」
「ああ、うちにいるのは、みんな俺の親戚ってことになっているから、そっちでも口裏を合わせておいてほしいんだ」
「Only it? Welcome by us(私たちでのお出迎え)は not need デースか?」
「いらんいらん、どうせすぐ帰らせるから」
「Hmm, I see. That’s a pity, ha.(残念だなぁ)」
なんか最後に変なことを言っていたような気がするが、聞き流すことにする。
「とにかくさ、みんなに話しといてくれ。くれぐれも、擬人化のことは秘密にしといてくれって」
「O.K. By the way、Masterのreturn to homeは、what timeになるデース?」
「へ?えーと、今からだと、4時ぐらいじゃないのか?」
「Mmm、でハ、return to homeを、late about 30 minute できるデスか?We have to clean inside our house(家の中を掃除しなければならない)デース」
「ん、わかった。じゃ、頼んだよ」
最後にこのことをみんなに伝えておくよう頼んでから、電話を切る。
「バレンシアちゃん、何やってたのかな?」
「電話番なんだろ、今や常盤さんの秘書みたいなもんだし」
「大変だね、バレンシアちゃんも」
「まあ本人がいいと言ってんだから」
通話が終わったあと、少しケイと話してから折りたたんでポケットに入れた。
「すまん、待たせた・・・・・・なぁ!?」
そして、待たせているヤジローたちのほうを向いた、その光景を見て、一瞬固まってしまう。
「ずいぶんと長電話どしたなぁ」
そこに、さっきまでいなかったはずの、長い黒髪の女が座っていたからだ。
「か、賀茂さん、いつの間に!?」
「嫌やわぁ、ここはきんのからうちの席どすえ。うちの席にうちが座るんは、当たり前でっしゃろ?」
いや、そういうことじゃなくて。
「さっき帰ろうとしてなかったか?」
「うん、何ぞおもろそな話したはるから、よせてもらおう思たんどすわ」
「そういうわけで、賀茂さんも真田君の家に行くことになったから」
「はぁ!?」
委員長が平然と言い放ってくれる。
「よろしゅう」
畳み掛けるかのように、賀茂さんがにっこり笑いかけて頭を下げてくる。いつの間にお前ら仲良くなったんだ。
ふと、昨日の晩飯で話題に上がったことを思い出した。陰陽師か。
「うちに連れてきたほうが早いんじゃないかい?」
ヒビキの言葉が、頭の中をよぎる。
「・・・・・・一人や二人、増えても同じか」
そんな言葉が、自然と口から漏れた。