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もののけがいっぱい  作者: 剣崎武興
06.季節はずれの転校生
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06.季節外れの転校生 その27

「あら、鑑定士ですか?」

テルミが広げたテレビを見ていると、声をかけてきた人がいた。

俺が見ているのは「発見なるほど鑑定士」という、家にある骨董品やグッズなんかを出展してプロの鑑定士たちに鑑定をしてもらうという、今や全国レベルで有名なバラエティ番組だ。

「あ、常盤様」

テレビ画面の上から顔を出しているテルミが、そっちを向いて軽く会釈する。

顔を向けると、確かにそこには常盤さんがいた。夕飯の後の、こののんびりした時でも、常盤さんは髪を解かず、服装もスーツのままだ。窮屈じゃないんだろうか。

「意外です、将仁さんがこれを見ているなんて」

「いいえ、常盤様。将仁さんは、毎週ご覧になっているのでしょう」

「あら、そうだったのですか。私も、時間があるときは見ているのですよ」

なんかとても納得できてしまう気がする。常盤さんって、弁護士なんていう仕事をしている割に、計算に電卓ではなくそろばんを使ったり、黒電話を使っていたりする、見かけによらず古い人だもんな。

ちなみにあの黒電話、業者に頼んでほんとうにつないでもらったらしい。つまり、うちの置き電話はあの黒電話ということになる。まあ、あの電話をメインで使うのは常盤さんだけだろうから、問題ないだろう。バレンシアが咥えるプラグイン型の電話線は別にある(しかも、家中に何箇所もある)し。

ふっと顔をテレビに向けると、2羽の鶴の絵が描かれた掛け軸が映っていた。持ち主らしいじいさんがその横に司会者と一緒に立ってうんちくを述べている。曰く、これは丸山応挙(まるやまおうきょ)作の絵で、非常に価値があるらしい。続いて、その作者である丸山応挙についてのプロフィールのVTRが流れ、そこで「贋作(がんさく)が多い」という、いろんな意味で盛り上がるナレーションが入っていた。

「応挙ねえ。常盤さんはどう思います?」

「そうですね、ナレーションの方が言ったとおり、偽物の可能性が高いと思います。あれはたぶん、応挙の落款を入れただけの別人の絵、といったところではないでしょうか」

何気なく聞くと、常盤さんはさらりとそう答えた。俺には全然わからんのだが。

「常盤様、お詳しいのですね」

テルミが感心した声をあげる。

「ふふ、別に大したことではないですよ。多くのものを目にする機会に、恵まれていただけです」

常盤さんはそう言って謙遜するが、そういうチャンスがあること自体大したことだと思う。

そして、さらに大したことに、番組に今出ていた丸山応挙の絵に「他人の絵に応挙の落款を入れた偽物」だという鑑定結果が出たのだ。常盤さんの読んだ通りの結果だ。

「わ、常盤さん、言ったとおりじゃないですか!」

「そんな、大げさですね。ちょっと知っていただけです」

常盤さんはちょっと照れくさそうに答えるが、偶然だったとしても当てたのは事実だし凄い事だ。やっぱり、弁護士ってそっちのほうの知識もあったほうがいいのかな。

「それだけじゃないだろ?」

不意に、ヒビキが後ろから現われて口をはさむ。

「あんた、西園寺の遺産を管理してんだろ。その関連で、アレに似たのを見たことがあるんじゃないの?」

そういえば、そうだった。引っ越して以来口にしないから忘れていたが、常盤さんは、西園寺家の遺産(推定総額5千億円)を引き継がせるために、俺たちと同居しているんだった。

でも、それとこれとは別だろう、と思ったんだが。

「鋭いですね、ヒビキさん」

常盤さんは、メガネをきらっと光らせて、そんなことを言いやがった。ちょっと驚いたが、考えてみたら、西園寺家は古い家系で金持ちなんだから骨董品の一つや二つや三つや四つあってもおかしくはないわな。で、常盤さんはそれを管理しているんだから、確かにそういう古いもんを見ている可能性はある。

とはいえ、同じものを見ることはそうあることじゃないだろうと思ったんだが。

「西園寺家の遺品には、応挙の真作もありましてね。大写しになったときのタッチを見たのですが、応挙の絵はもっと写実的で、躍動感があって、繊細なんです」

鑑定士の口調を真似たらしい常盤さんの発言に、マジか、と思ってしまった。情報源はこの番組しかないんだが、それでも前からあれだけ贋作が多いと言われているのに。・・・・・・なんか、いっぺん見てみたいと思っちゃったぞ。

「ふぅん、それって価値があるのかい?」

「そうですね、最近は有名になってきたので、1000万ぐらいでしょうか」

「まぁ、本物はさすがに高価でしょう」

「いや、戦火をいくつも潜り抜けたものなのだからそのぐらいあってもよかろう」

いつのまにシデンがやってきて口を出す。

「お前、価値判るのか?」

「ん?何を言っている。そんなの判るわけがあるまい」

ちょっと意地悪心を出してシデンに聞いてみると、あっさりと返される。

「みなさん、次のコーナーが始まるでしょう」

そのテルミの発言で、俺たちは再び画面に向かった。

どうも、作者です。

久しぶりにテレビになったテルミと、まったりとテレビ観賞です。

ちなみに、番組の元ネタは、今や言わなくても判るであろうアレですw


さて、主人公氏も高校生である以上勉強はしなくてはなりませんが。

そう素直に行くわけがありません。

さてどんなことが起きるのでしょうか?

乞うご期待!

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