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もののけがいっぱい  作者: 剣崎武興
06.季節はずれの転校生
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06.季節外れの転校生 その8

4時限目は、隣のクラスと合同の体育だった。

隣のクラスというのはA組、言い換えればあの近衛お嬢様のいるクラスだ。

とはいえ、男と女はやる種目が違う。女子は体育館でバスケットボール、そして男子は外でサッカーということになっている。

ただし、今はその準備運動として、グラウンドを大回りで各自のペースで3周走っている。そして俺は、いつもより早いペースで走っていた。

これには、わけがある。

実は、俺とまったく同じペースで走っている奴がいるのだ。しかもそいつはまったく息を切らせず、それどころか顔色一つ変えずに、ぴったりとついてくる。

そいつは、あの近衛お嬢様に影のようについて回っていた、「迅」と呼ばれていた男だった。フルネームは「筧迅かけい じん」で、近衛お嬢様と一緒に今日転校してきたらしい。

気味が悪いのでペースを上げて振り払おうとしたんだが、迅は、同じようにペースをあげて、ぴったりついてくる。気味が悪いことこの上ない。

「真田。話がある」

一周を走り終えたころ、不意に、後ろから声をかけられる。感情を押し殺したような、そして走っているとは思えない、低い声だ。それが、迅の声だった。

「なんだよ、走っている最中に」

「お前は聞くだけでいい。他の奴らには聞かれたくない話だ」

なんだそりゃ、と聞き返してやろうかと思ったが、ペースを上げているので返事もつらい。そう思っている間に、迅が少しペースを上げて無表情のまま俺の横にぴたりとつけた。

「手短に言おう。我々は、お前の力のことを知っている」

その無表情の口がそう動く。だが、そこで告げられた言葉は、到底無視できないものだった。

「なんだって!?」

「立ち止まるな」

驚きに立ち止まりそうになった俺の腕を引っ張り、迅は俺を走らせる。

どうも、作者です。

前回初登場した迅が、主人公に接近して来ました。

と書くとなんかBLな話になりそうですが、そんなことはありませんのでご安心ください。


さて、迅の話とはどんな事なんでしょうか?

次回を乞うご期待!

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