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告知事項あります。  作者: 横溝令司
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「この会社に入って、なんか急に変な事が続くんですけど不動産屋ってこんななんですか?」

前下君の話は尤もなのですが、



「こんなの無いよぉ~僕も今までこんなに何か起きた事無いし。」


「やっぱり最近思うんですけど、林さんと一緒にいると自分も強くなって林さんも強くなって引き寄せちゃうんですかね?なんかそんな話を聞いた様な気もします。」


「あっ!それなのかな?僕も本当に最近なんだよなぁ……」



きょうも物件の下見でまた前下君と出ている。

「でもさ、いつもなんだけど何もできないんだよね。被害は無いけど、ただ怖いってのが嫌だよね。」


「建て売り業者の完成物件は結構完成した時には売れていたりするんだけど、多棟数の場所ならいい場所は少し高いし、悪い場所は安いからだいたい上手くバランスが取れた物件から先に売れていたりするんだよ。完成しても残っていたら新築だし見れるし案内は楽だよ。」

みたいな事をいいながら新築の完成物件の1棟の中に入る。


「やっぱり中古の物件と違うから、なんかいいですね。スイッチとかも最新のやつになっているんだ。」

2階建ての新築、完成物件は案内をするのに営業として技術はあまり必要無いんです。見てもらえば分かるから。



「リビング25畳って広いですね。」

「物が無いからね。引っ越したら物を置いたら思ったよりも狭いよ。」

実際新築は何も無いから全てが広く感じる。



「なんか仮止めなんですか?扉がさっきら少し開いたりしているんですけど。」

ドアタイプの扉も引戸もなんとなく開いてしまっている。


扉を閉めながら、

「別の営業が案内の時にちゃんと閉めなかったんじゃない?よくいろいろあるよ。水出ないのにトイレ使われていたり。」


話ながら2階の階段に登る。

「あー、ここもだ。使えない奴が案内してるなぁ。」

前下君が少し開いている扉を開けて室内に入る。

「陽当たりもいいし、案内すれば即決ですねっ!」

と、言いながら僕の方を振り向いた。


僕はまだ入口付近にいたので前下君は廊下側に向かって振り向いた訳なのですけど。



「林さん?影かな?廊下を何かが………」

「えっ!ゴキブリ?嫌だわぁ…クモとかもよく出る……………」


「まただ。」


前下君は無言で廊下から隣の部屋に………


「誰かいたんですよ、緑のTシャツみたいの着た女の人。」

前下君は僕の後ろを通ったと……



「何処にも居ないね。影の感じで見えたんじゃない?」

って感じで話していた。



階段を降りてくると、リビングの扉が開いている。


「さっき閉めましたよね。やっぱりちゃんとできてないのかな?」

みたいな事をいいながら再びリビングに入って、

「室内の写真も撮っておきます。」

前下君はリビングからカウンターキッチン寄りの写真を撮った。


キィ

扉が開いた。

「やっぱりおかしいね。売主に言っておくか。」

扉を閉めようとした時に廊下に緑のTシャツを着た女の人が…

慌てて扉を開けて

「ちょっと!すいません~」


居ない。


前下君と共に再び2階に行くと3部屋全部の扉が開いている。



「よく分かんないけど、出よう。」

僕は前下君と話して物件の外に出た。



「やっぱり緑のTシャツの女の人でしたか。」

前下君の言葉に僕は

「居たね。」

それしか返答ができなかった。



よく言うここは以前……みたいのが特に何も無いのですが何なのですかね?

そこの新築物件?勿論僕も前下君も売ってませんよ。

でも、別の仲介業者がご案内して今はご家族が住んでます。

もしかすると、その日だけ来た人だったのかも知れませんよね。

僕は行きたく無いけれど。




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