星屑の世界
昔書いたものを全く別のものに書き換えたものです。昔のやつも確か残ってたはず
ふと授業中の窓から空を見た。
緑と青色の混じった不気味な空。次に視線を窓の下の方に移す。工場群が延々と広がり煙を吐き今日も武器を作り続ける。水の中のアリのように無様に足掻く人類の作った楽園の全てが嫌いだった。
「おいユウト!授業に集中しろ」
いつの間にか横にいた先生に教科書で軽く叩かれ、授業が止まってることにやっと気がつく。クラスのあちこちから小さく笑い声が響く。
「ありゃ」
「おいおいしっかりしてくれよ最強の能力様よ」
隣のスズキがニヤニヤ笑いながら言ってくる。
「うるさいなぁ...。だいたい僕が強いのは能力だけだよ。素手の喧嘩でお前らにだって負ける」
ネバーランド高等学校。新天地に作られたいくつかの学校の中で最高クラスの学力の学校だ。その中でもここは〈魔法科学戦略技術研究科〉...通称魔学研。魔法と科学を織り交ぜた普通には教えられない物、それを応用した戦略や武器について学ぶ学科だ。当然勉強に傾倒した鍛えた体つきはしていない連中が多い。...はずなのだが隣の鈴木を見ていると本当にそうなのか不安になってくる
「てかユウト。お前もう単位持ってるわけだし出席したからこの授業サボっていいぞ」
めんどくさそうに先生が言ってくる。教師としてそれでいいのか
「あ、もし出現したら来い」
「了解です。じゃあなお前ら。真面目に勉強しろよ〜」
羨ましそうなそれでいて妬ましそうな顔でクラス中から見られつつ指を鳴らし転移する。
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かっこよく転移したはいいが帰る訳にも行かないしで適当に屋上で昼寝してると屋上の扉が開いた。
「こんにちは転校生。確かここ鍵閉まってるはずなんだけど普通に入ってきてるの?」
見上げるとこっちを覗き込む綺麗な顔とポニーテールが目に入る。
「合鍵。そんなことよりこんなとこでなにやってんの?」
「昼寝」
「あ、そう。私もそうするわ」
暖かな日差しの中適当に昼寝する。ほんとにいい気持ちだ。
「ねえ」
「ん?」
「第23区が落ちたって」
「そうか」
「随分淡白ね。結構大事なのに」
『イーハトーブ』
50年前突如現れた◼◼◼とそれを生み出した男によって絶滅の危機に瀕した人類と特殊な魔法や力を持った英雄達が協力し作ったワープホールにより移動した異世界。100の区域に別れた人口を1億近くまで減らした人類が作った最後の楽園。
そして10年前。力を得た人類は激闘の末ついにその男を殺すことに成功する。
だが残った◼◼◼の侵略は止まらず、ついにイーハトーブまで侵入された。
そして残るはあと20区。
「ねえ」
「ん?」
「あなたなら消せるんじゃない?」
「......」
「なんでやらないの?」
「それをやるとな、脳が焼けきれるんだよ。PCが処理落ちするみたいにオーバーヒートして」
「あなたの魔法って上限ないって話だけど体が追いつかないのね」
「そういう事だ。俺はまだ死にたくないんでね」
「まあ私はどうでもいいわ。後の戦争より今の昼寝の方が大切だし」
「だな」
それ以上喋らず無言まま時間が流れる。
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爆音が響いた。
「こっちにも攻めてきたか《遠視》」
伸びをしつつ煙の方を方に遠視の加護をつけて見る。敵が見えるが『見えない』。黒いナニカが攻めてきてるのは見えるが何なのかはわからない。
「ねぇアレはあなたには何に見えてるの?」
「うん?俺にはなんか黒モヤを纏った人型にしか見えるけど」
「そう」
[こちら第15区軍。至急応援を頼む]
「行かないの?」
「行く必要ある?」
すぐさま15区軍が現れる殲滅している。
「あれなら必要なさそ...」
バァァァァァアン
突如空から高さ60メートル以上あるであろう黒いナニカが降ってくる。
「凄いデカイね」
「これはさすがに不味いんじゃない?」
「あれも何とかなるでしょ」
「もう15区軍壊滅してるわよ。しかも学校のほう来ようとしてるし」
「めんどくさいなぁ...」
「はぁ......。仕方ないわ《私暁月 仙花が命ずる。敵を殲滅しなさい》」
魔力のこもった言葉が彼女から放たれる。彼女だけが使う魔法《絶対使役》。僕を縛ることができる唯一の魔法。
「具体的にどんなのがご所望で?」
「派手にやりなさい」
「了解」
ニヤリと笑い、起き上がる
「じゃあ行くぞ。落ちるなよ」
手を掴み、言葉に魔力を込める。
「ひゃっ」
「《転移》」
フッと着地し彼女を下ろす。
「突然飛ばさないでよ!」
「あーすまん」
「◼◼◼◼◼◼◼◼◼◼◼」
ナニカが喋ってるのだろうが耳障りな高音にしか聞こえない。
「うるさいなぁ《爆ぜろ》」
一言。それだけで巨大なやつも普通のやつの残党も全て爆ぜ跡形もなく消える。
「ほい終了」
「相変わらず便利ねその《生ける言葉》」
《生ける言葉》。使用者の思考と発言によりあらゆる物理法則、魔力消費、概念を無視し実行する魔法。僕の、僕だけの魔法。
「んじゃ俺は眠いから屋上に戻るぞ《てーんー」
「......ええ。確かめる必要はあるかと。ああ!ちょっと待って私も乗せてよ」
飛ぶ寸前に捕まりに来る彼女を見る。
恵まれた日々だ。強い力と化け物扱いしない友達。可愛い女の子までいる。このまま続けば......い......い...?
首筋に電撃が走り体の自由が効かなくなり倒れる。必死に首を動かし見ると冷たい顔で仙花がスタンガンを持って立っていた。
「え?」
「すまないわユウト君。あなたを拘束させて貰います」
さらに電撃が走り意識を保てたのはそこまでだった。
━━━━━━━
頬に衝撃が走る。
長時間目隠しでもされてたのか周りがよく見えない。
「おはよう。早く目を覚ましなよ」
目が薄暗さに慣れ、徐々に慣れていく。
「あれ?僕は...?ここは?あなたはだれ?なんでこんな所にいるんだ?」
目の前には数人の覆面をつけた兵士と何故か幼女。あと後ろに2人か。
「能力者様は減らず口だねぇ。魔法も口から出るのも納得だ」
「黙れ。《僕の質問に答えろ》」
激情に駆られるままに吠える。だが《言葉》を使用した命令すらどこ吹く風で幼女は笑う。
「そう睨まないでよ〜。教えて欲しいなら態度ってものがあるだろう?」
何故効かない?いや確かに僕よりも強いやつか強靭な精神を持つ者には効かない可能性はあるが...。とりあえずここは従っておくべきか。
「.........教えてください」
「よろしい答えてやろう。ここはイーハトーブ最深第0区。私は...まあαとでも。なんで?君を見張ってたエージェントの1人が報告を入れてきてね。幾つかの質問に答えてもらおうとね」
直近を振り返り思い当たったことを思い出し後悔しつつαの能力を考える。効かない可能性はあるが前出会った能力者には数回試したところ効いていた。なら試す価値はあるだろう。
「......《自殺し》」
「おっと余計なことを喋るな。まして魔力を込めようだなんて考えるな。私は《読めるんだ》」
後頭部に突きつけられた鉄の温度と喉元のナイフを感じて魔法を止める。まだ分からないがなるほど読心術と洗脳か何かで精神をプロテクトしてるのか
「それでいい。私たちは別に君を殺したいわけじゃないんだ。さて本題だがさっき言った通り質問に答えてもらう。無論嘘は意味無いから注意したまえ」
「わかったよ」
「1つ目。君の魔法はいつ発現した?」
「......?多分10年前。ある日起きたら使えるようになってた」
「なるほど。次、君の魔法の詳細は?」
「...発動者の思考でターゲットや場所を決定して言葉を使って発動させる」
どういうことだ?意図が読めない
「銃を構えてトリガーを引くみたいなものか。限界は?」
だが何かがおかしい。さっきから脂汗が止まらない。
「ぐっ...多分概念を変えるレベルは無理なはず」
血の流れが早くなってるのが鮮明にわかり、心臓が早鐘打ち吐き気ももようしてくる。
「なるほど。では最後の質問だ。侵略してきている◼◼◼は君には何に見える?」
「...うっ......く、黒いモヤを纏った人型だが」
頭が割れるような痛みが走る。
「そうか」
αは気にする様子なくタブレットにメモをしていく。
「ハァ...あ、あのこの質問なんの意味が?」
「君は◼◼◼の王が死んだのが何年前か知ってるか?」
「...10年前」
「君はあの男の能力を知ってるか?」
「言葉を使って全てを操った」
「君にはあれが黒いモヤを纏った人型に見えるそうだね。我々には...
君と同じ顔をした化け物
に見えるんだよ」
「..................あ..........え?...........あ」
ついに鼻血が流れ出し、耳からも血が溢れてくる。そして意識が誰かに文字通り奪われるような感覚が...
〈あーめんどくさい抵抗すんな。いいから死ね〉
──── パン ───
何かが弾け飛び意識が落ちる。
「......アハハハやっと消えたか」
「は?」
「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ《死ね》」
嗤う。長く長く嗤い試しに近くにいたαの部下を全員殺す
「何が!?」
「やらかしたなぁ。馬鹿が人類を終わらせたよ」
「は?」
「あん?何が起こったか分からないそんな顔だなぁ。アホなお前らに教えてやるよ。俺はユウトじゃない。久しぶりだねぇαちゃん。まだ名前貰えてないの?
んじゃ改めて自己紹介だ。
どうも人類89億人を殺した◼◼◼の王でーす。なんちゃってアハハハハハハハハハハハハハハハハ」
「なんで...なんで...なんで...」
αの顔から色が失われ離れていた部下にも動揺が走る。
「αちゃん固まっちゃったねぇ?なんで?アホなお前らに俺がどうやって蘇ったか教えてやるよ。答えは簡単死ぬ前に色々仕掛けを施しといたんだよ。もしユウト《玩具》が拘束されて大雑把に俺の想定した状況で想定した質問をした時点で俺は蘇るんだよ!ありがとなぁわざわざ助けてくれて」
「!?しまった!早くクラスXレベルの警報をだせ!」
そこでやっと正気に戻ったαが焦って部下に指示を出す、が。
「遅い。《俺以外この世で動くことは叶わない》」
その一言で誰もが固まり動けなくなる。
「次に《この世界のエネルギーは停止する》」
その一言でイーハトーブの全ての水、ガス、電気、その他諸々が停止し、そこら中から爆発音が聞こえてくる。
「《世界中から武器を持つものが死ぬ》」
その一言で目の前のα以外の彼が想像した武器を持つもの、武器を持った軍隊や魔学研のクラスの連中やらが死滅した。
「そして《イーハトーブは独立した異世界だ》」
その一言で別世界との【縁】が切れ、地球やまた別の異世界への逃走も不可能になる。
「最後に《世界は終わりに向かう》」
トリガーを引き絞り放たれたその言葉の彼が想像した終わり......新しい世界の創造に向けた◼◼◼の侵略が始まる。
「あ...ぁぁ...」
「行動が遅いんだよαちゃん。何事も2手先を読まなきゃ」
「クソが!」
動くことすら叶わず、ただ悪態をつく。
「馬鹿だねぇ俺の能力の本質は言葉じゃなくて認識にあるんだ。もう少し対策すれば?えーとたしか俺の能力を銃ってだっけ?面白い発想だねぇ。そうするともう俺はトリガーを引いてるから思考をずらせばいい。次は試しに体の7割を消すよ?」
「なんじゃそりゃ」
「さて、じゃあ俺は30年後にでも行くかな」
「待って、お前の能力は確かに強力な力だったはずだけど持続するものは膨大な魔力が必要だし脳のCPUが焼ききれてもおかしくない」
「そうだね。前はせいぜい地球の自転を3°曲げるのが限界だったね。いや今思うと前の俺は凡才だったよねぇ。だから天才の体を使ったり、◼◼◼(ラブドール)使って遊んで鍛えてもらったりしてたんだよ」
「あ」
αは気がつく。
「なあ、なんでユウトの所の近くに毎回◼◼◼が来てたと思う?」
「.........」
「そういう事だ。んで最後は俺の能力と合わせて完成さ。名前はそうだなぁ...《神託言語》とでも名付けようか」
今後起こるあらゆる可能性を考慮しつつ王は呟く。
「だけどまだ上位の能力者は死んでないはず...まだ...」
「まだ諦めないの?それはそれでありだがなっあぁ!?」
刃と刃が交わる音が突然響く。
「ほーう意外とやるんだな。あいつ同様能力に頼りっぱなしかと思ったら」
「あーほんと俺は友達だと思ってたのに悲しいぜ鈴木くぅん!」
男の剣を顔ギリギリでナイフで受け止め、嗤う。
「というか君なんで俺の能力の影響下で武器使えるの?あ、そうだ《死ね》」
「効かない効かない。俺の能力は《無効》。お前の攻撃は全て無効だ。不服だがある種お前と似た能力だよ」
ふむ...俺と似た能力?恐らくターゲットを定めてそいつ限定だが攻撃が効かないように概念を書き換えてるとかそんなところか。だとしたら...
「そりゃ凄い!やばいやばい!《ナイフは変化し剣となる》」
その一言でナイフは変化し剣となり攻め込む。
「おいおいまた無様に逃げないのか?」
王の攻撃を全て軽く受け流しながら軽口を叩く。
「絶対俺の事逃がしてくれないじゃん」
「あらバレてたか」
低く近づき切り上げてくる刃を受け流し、言葉を紡ぐ
「俺の攻撃も《神託言語》やはり効かないのかよ...。やれやれ《逆の立場にもなってみろよ》」
「無駄だ。俺に能力は効かな、い、?」
鈴木の背中からナイフが生える。
「おー綺麗!綺麗!じゃああと2本行ってみよー!」
その言葉が示した通り2本目のナイフが心臓付近刺さる。
「ガッ、あ、αああああああああ」
「黙れ王!お前のせいでどれだけの味方が死んだと...」
涙を浮かべαが暗い顔で叫び三本目のナイフを首筋に刺す。
「クソっ確、かに裏切り、者がい、ないの、はあい、つの《件》で確か、めたはず...」
「残念だったねぇんじゃ《解除》」
「あえ?あ、れ?なん、でわ、たし鈴木を、さ、し、て?えあアハハ」
「あらら壊れちゃったか。んじゃあとは仲良くね!《転移》」
「ぐ...逃がすかぁぁぁぁ」
死にかけの能力者の執念の一撃は空を切る。
────────
転移した先は学校の...さっきまで昼寝していた屋上だった。
「さてじゃあ魔力を込めてプログラムを作成して...」
「そこまでよ王」
「よう世界を終わらせた戦犯。街の景色はどうだ?」
◼◼◼で溢れる街を見ながら仙花が答える
「そうね、控えめに言って最悪」
「いい答えだ。で俺を殺しに来たのかい?」
王が彼女が手に持った蛇腹剣を見ながら嗤う
「まあそうね。じゃあ早速...」
「あー少し待ってくれない?あダメ?んじゃ《俺以外の時間は止まる》」
その一言で王以外の時間は止まる。
「さて、と」
「いつまで見てるつもりだ。殺しても死なない野郎め。力の使い方は教えた。生者の傍観はもう許さない。出てこいよ...《ユウト》」
え?
また耳鳴りが響き...
━━━━━━━━
気がつくと目の前に王が立っていた。
〈.........行かないぞ僕は〉
〈それもいいが、聞け。俺は今からの選択をお前に託す〉
〈は?〉
〈ひとつは今から俺から離反して反逆する〉
〈もう1つは俺に協力して世界を書き換える〉
〈世界を終わらせるんじゃ、ないのか?〉
〈1回終わらせるがもう一度作る。俺が絶対の王の世界を〉
〈そんなに自分が王の世界が欲しいのか?なんでだ?〉
〈ああ欲しいさ。今度は間違わない為に〉
〈そうなんだね。詳しくは聞かない。だけどもうひとつだけ聞く。この世界...星屑の世界は美しいか?〉
〈いいや美しくない!〉
〈...わかったよ。せいぜいやってやる〉
それを聞き王はニヤリと笑う。
〈あ、そうだ名前教えてくれよ〉
〈名前は捨てた。俺は王。それだけだ〉
〈ありがとう王様んじゃ協力して世界でも潰そうか!地位は保証してくれよな〉
〈それでいい。んじゃ俺はまた〉
〈いや彼女は僕が決着をつけてくるよ。王は魔法を練っておいくれ〉
〈わかった。Are you ready?〉
━━━━そして時間は流れ出す━━
剣を構え突っ込んできていた仙花を見ながら僕は避けず話しかける。
「やめてよ僕だよ...ユウトだよ」
「え、ユウト!?」
仙花が驚いたような表情で叫ぶ。
「やあ仙花」
「ユ、ユウト。体が帰ったならさっさとそこの魔王を殺して帰りましょ。学校の生徒もきっと何人かは生きてるわ」
「断るよ」
「え?なん、で?」
「僕はこの世界を壊す。そして作り直す。」
「それは王の命令だから?」
「いいや。僕自身の答えだよ。◼◼◼...いや王の民よ剣をここに」
その言葉に応じるように◼◼◼...いや僕と同じ顔を持った機械仕掛けの天使が黒いモヤに覆われた剣を両手に持ち差し出してくる。
それを躊躇無く振るとモヤが晴れ武骨な剣が現れた。
「君じゃ私に敵わない。《動くな》」
魔力が鎖のように絡まるが無視して叫ぶ
「《断る!!》」
魔力の鎖はしかし弾かれ、力の差を見せつける。
「諦めなよ。君じゃ僕には敵わない」
「......そうね」
「今なら逃がしてあげるよ」
「私は君が大好きだったよ。でもだから引けない」
仙花が装飾された優美な剣を構える
「なら仕方ない。僕も君が大好きだったよ」
僕も武骨な剣を構える。
そしてほぼ同時に走り出した。
決着は直ぐに決まった。
「じゃあね仙花。さようなら」
物言わぬ肉塊に静かに語りかける。
〈決着は着いたか?〉
〈ああ〉
〈ケジメは?〉
〈......ああ〉
〈では世界を作るとしよう〉
その一言で俺の体の主導権はまた王に奪われる。
「さて、と。《我が名は無名の王が告ぐ!世界よ崩壊し俺の世界よ始まれ!!》」
世界はテクスチャが壊れていくように剥がれ消えていき....
そして