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雪の死神


 サウスブロック郊外、北側の街はずれで政府軍を見た時、ヒカリは近くのベンチに座って街の外を走る車に意味もなく目を向けていたところだった。


 ココアのカップに口をつけ、白く染め上げられた雪原を見る。眠りに落ちた3時間でだいぶ雪が降ったようだ、ヒカリの足元にも5cm程雪が積もっている。





 因みに、東西南北各ブロックの内部に入れるのは自転車とバイク、原付だけだった。四輪車である自動車は主にブロックとブロック、若しくはブロックの外側に無数にある町とを繋ぐための足であり、ブロック内に入れる車は公用車やごみ収集車、救急車、軍用車などの一部車両だけだった。


 ブロック外から繋がる道には検問所と立体駐車場が設置されていて、許可の無い車両が進入するのを防いでいる。しかし人の行き来に関してはルーズで、無数の小道や路地から出入りできた。検問兵になんのお咎めも受けないことから、管理したいのはあくまで車両だけらしい。




 大型トラックが工場搬入口に停まるのをぼーっと見ていたら、軍用トラック4台を挟むHMMWV(ハンヴィー)5台からなる車列が、目の前の道路ではなくその奥、200m先にある丘の森の中へ入っていくのを偶然見つけたのである。



「ん、なんだろ、あれ。無線無線……」


 仲間へ報告するため無線機を手にしようと腰へ手を伸ばすも、普段触れる筈の無機質な冷感は無かった。それもそのはずで、ヒカリが寝入った時には既に装備から外していたのだった。





 仕方なくヒカリは、MSRの入った楽器ケースを背負いなおして雪を蹴る。横断歩道など設置されていない道を跨いで森の中へ入ると、轍が森の中央へまっすぐ伸びている。数年前にやった狩りを思い出し、思わず口角が上がる。


 だが相手は野生動物ではない、狙われているなどと露ほども思っていない。態々地面を調べるまでもなく、雪の荒らされた後を続くだけで車列はすぐに発見できた。





「この森の中で30分の小休憩を取る! 各員、小銃の手入れと車両の整備を取り、問題発生の無いようにせよ!」


 どうやらヒカリが発見したのは、物資を運ぶ輸送部隊らしかった。わらわらと散らばっていく39人と偉そうな1人を見て木に隠れてから、草むらに入り込んで力の抜けた兵士たちの様子を見る。その中に見たことのあるような顔があったが、どうしても思い出せない。


 だがヒカリに軍人の知り合いは“もう”いない。きっと気のせいだと顔を振り、周囲の状況確認に努める。





「なあ、どう思う?」


「どう思うって、積み荷のレプリカか? 俺にはすげーとしか言えねえよ。弾が安くても、撃つのがあれじゃあな。ああいうのをコスト度外視って言うんだろうな」



 近くを通った兵士の会話が聞こえてきて、ヒカリは幌で覆われたトラックの方を見る。中には細長い木箱がいくつも積まれていて、奥の方は暗くて見えない。しかし、一箱だけ赤く塗装された箱は、きっちりと蓋がされていないようだった。



 積み荷に興味を示したヒカリは、周囲に(たむろ)している兵士の注意を逸らすために、車列最後尾のハンヴィーに目を付けた。エンジンは他の車両同様かかっていて、車の周りには茂みに立っている兵士が1人いるだけ。



 上手くエンジン音に雪を踏みしめる音を重ねて、開かれたままのドアへ慎重に近付く。ヒカリは拾った小枝をいくつか後輪の少し後ろにおいて、運転席のサイドブレーキをゆっくり引く。車体が少しずつ動き出したのを確認してから、一歩一歩確実に車から離れて元いた木の裏に隠れる。


 タイヤが小枝を折ったのは同じタイミングで、ヒカリが再び木から顔を出した頃には茂みの兵士も自走車両に気がついた。




「まずい、誰か!」


 茂みの中の兵士が目線を下に向けてガチャガチャしているのを見て、ヒカリは視線を逸らす。


「馬鹿野郎、トイレ我慢なんかしてっからサイド忘れんだよ! 新兵みてえなヘマしやがって!」



 騒ぎに気がついた兵士が野次を飛ばし、ズボンを直しながら不格好に走る仲間を囃したてている。今なら、正反対のトラックを誰も気にしていない。ヒカリは茂みを利用してトラックに近づくと、一気に飛び乗って木箱の陰に入った。



「すごい量……」


 そのまま木箱に手を突っ込もうとした時、不意に誰かが走り寄ってくる音が聞こえる。


「まずいまずい、俺もサイドきちんとひいたかな……」


 ドアの開く音がして、心臓が高鳴る。しかし、そのまま兵士はドアを閉めて何処かへ行ってしまったようで、ヒカリの耳には遠ざかる雪鳴りしか聞こえなくなる。



「……何これ?」


 暗闇に包まれた木箱に手を突っ込んで、積み荷に触れる。その痛いほどに冷たい感触に驚いて、薄暗い箱の中に目を凝らす。


 何か、金属製の細長いものだろうか? 槍のようなものをひっつかむと、MSRをケースから取り出して代わりに積み荷を押しこむ。




「おい、ちょっと来てくれ」


 トラックの側面の方から、不意に若い男の声が聞こえてくる。僅か数mの距離で会話が始まり、ヒカリはそれ以上の情報を諦めてトラックを後にした。








 ヒカリが自分の失敗に気付いたのは、街と森の間にある道路を渡った時だった。そしてそれは、兵士が雪上に残されたヒカリの足跡を辿ってハンヴィーを操ってくるのが見えた時でもあった。




「――いたぞ、あいつだ!――」


「――あんな子供がですか!?――」


「――子供でも、あいつの足跡がトラックから延々と続いているんだ。話は聞かせてもらう!――」


「――しかしっ――」


「――ほら、逃げ出したぞ! 俺達に気がついて血相変えやがった、飛ばせっ、飛ばせ!――」


「――くそっ、了解!――」




 ――ああもうっ、なんでこんな時に無線をっ! 


 自分のミスや偶然に歯噛みし、自分の膝を叩く。


「違う! 後悔は、心の片隅で!」



 先程聞いたばかりの言葉を自分のものにしようと、ヒカリは口を開く。そんな場合じゃないと、自分に「バカっ!」と吐き捨ててから胸元のスリングを引っ張り、片膝立ちになってMSRを構える。


 狙うは運転手。初手にタイヤを撃ってもいいが、乗員からの反撃を食らう可能性がある。



 スコープに雪がちらつき、僅かに積もった雪に足が少しずつ沈んでいく。だが右膝の部分のズボンが濡れるのも、白い首筋に雪が噛みついて赤くなるのも今は気にならず、ただひたすらに風と対象の移動方向、移動速度を計算してじりじりとMSRを横へずらす。



 ――距離120、風は……最大12。


 この距離だとスコープに頼っていたらすぐに敵を見失ってしまう。信号の無い道路を渡るべく注意の逸れた運転手をレティクル中央より上に捉え、小さく息を吐き出してから、ついいつもの癖で左目を閉じてしまっていることに気がついた。


 ――自分でも気を付けてるんだけどな……


 こんなときにミズキが居れば、と観測手の存在をありがたがる。ミズキは通常の観測手と違って狙撃は出来ないが、ヒカリの知りたい情報を知りたいときに、質問するより先に教えてくれた。とてつもない集中を要する狙撃手に、これ以上助かることは無い。



 ヒカリに気がついた助手席の兵士が慌てて口を開くも、運転手は直後に頭を貫かれた。銃声に驚いた鳥の群れが羽ばたき、林から姿を現す。




 凍った路面の上、暴れるハンヴィーを宥めようと助手席から兵士が手を伸ばしている。ボルトを戻し次弾を装填したヒカリは安定しかけた車に再び狙いを定めて、熱を持った薬莢が雪に沈んでいくことも気にせず、助手席側のタイヤを狙撃する。


 道路を走る一般車は突如始まった銃撃戦に、慌てて速度を上げるか急停止した。そのせいで後続のハンヴィーが踏鞴(たたら)を踏んでいる。



 道路上で停止したハンヴィーの中、助手席の兵士が無線機に何かをがなり立てている。もしも応援を呼ばれたりしたら厄介だ、ヒカリは排除すべく銃口を向け……彼と視線をぶつけた。







「おいっ、目を覚ませ!」


「無駄だ、即死だよくそっ! なんでこんなところでまで死にかけなきゃならん!」

 

 兵士は助手席から手を伸ばしてハンドルを抑えるも、仲間の亡骸がアクセルを強く踏んでしまってグリップが効かない。更にそこへ間髪入れず第二射が襲い、タイヤがバーストした。



「なんなんだあの子供は!? なんでライフルなんか持ってるんだ、悪戯が過ぎた普通の子供じゃないのか!」


 後部座席に乗った仲間が、慣性によって窓ガラスに押しつけられながら話す。


「とにかくこいつの足を後ろから引っ張ってくれ、操縦が効かない!」



 そうしてスリップしたハンヴィーが落ち着いてから、別車両から無線が入る。


「――2号機どうした!? 応答せよ!――」


「こちら2号機、全員聞いてくれ、あの子供は敵だ! ボルトアクションだかセミオートだか知らんが、気を抜くと運転手もタイヤもやられるぞ!」


「――了解、2号機は態勢を整えろ! ……おいどうした、聞こえるか!?――」



 手に持った無線機から怒鳴り声が聞こえるが、鳥の作る影の中で、兵士の目にはスローモーションで子供の姿が映っていた。





 ――この雪の中片膝立ちになった、奴の黒いコートの裾は濡れていた。背は少し低いようで、恐らく18、19歳か。いや、少し大人びてるが17くらいか? 髪は暗い茶色で顎先程の長さ、顔は……



 ――……あいつは女だ、しかもまだ少女だ。間違いない。そしてそいつは今、左目をまるでウインクをするように動かして、俺に照準を合わせている。あれは狙撃銃か。



 ――今俺は、確実にあいつと目を合わせてる。




 ヒカリの癖をウインクのように感じた兵士は、まるで死神に魅入られたように固まり、意識が段々とスローになっていく。古ぼけたピンホールカメラのように少女に意識が引き込まれていき、気がつくと、少女と兵士二人だけの世界になっていた。


 辺り一面が灰色に変わり、少女のベージュ色のMSRだけが異様に目につく。



 そしてその少女は、突如間に割り込んだ別のハンヴィーによって姿を消した。



「――おいアズマ、まだ死んでないよな?――」


「……来るのが遅えよ、ヒロ。それでも機動部隊か?」






 2つ目の薬莢を雪に沈め、ヒカリは3発目を撃とうとした。次に狙うは、冷静にハンヴィーを御そうとする助手席の兵士。だがその男は、しっかりとヒカリを見詰めていた。


 普段遠距離から狙撃するヒカリは、ターゲットと目を合わせる体験が乏しい。その視線の絡み合いは確実に、ヒカリに引き金を引くのを遅らせた。



 数瞬後に銃を構えなおしたヒカリの右側から、別のハンヴィーが射線に入ってくる。そのハンヴィーのタイヤに狙いを変えようとしたものの、車の天井に設えられた異物に視線がとられた。その天井には、M240機関銃が搭載されていた。



 ――そう言えばこの車、各部隊が好き勝手に改造してるんだっけ……



 どこか冷静な頭を切り替えて、MSRのスリングを肩に通し、近くに放ったケースを引っ掴んで街まで再び雪を蹴るように走り出す。





 後方でジャラジャラと金属のベルトのような音がし、直後、M240の銃弾が雪を吹き飛ばしてヒカリへ迫る。首を竦めたくなるほどの金属音や飛翔音が後ろから迫ってきて振り返りたくなるものの、必死に抑えてビルとビルの間の路地に飛び込む。


 後ろの壁が火花を立てて大きく抉れ、破片がヒカリの首に突き刺さった。だが痛みに抗議している時間はない。



「路地に入った! ここからじゃ見えない!」


 怒声が聞こえてきて、一緒にエンジンが唸り、再び接近してくる。息を整える暇もなく立ち上がって走り出すと、一本隣の道路へ出た。




「こっちだ! 隣にいたぞ!」


 どうやらヒカリの捜索に、5台いた内4台のハンヴィーを差し向けたらしい。道路を横断する間にも左で1台のハンヴィーが機関銃を構えていて、その車の奥にはヒカリと平行に走るハンヴィーが確認できた。それら全員からの敵意を一身に受け、何も考えられずに道路を跨いで路地裏へ入り込む。



「そのまま見張ってろ、もうすぐ俺も反対につく!」


 再三路地裏から飛び出そうとすると足元の雪が吹き飛ばされて、慌てて路地に身を隠す。


「そうやって隠れてなネズミ野郎、今から見つけてやるよ!」


 どうやら路地は、完全に車両に挟まれているらしい。




 ゆっくりとタイヤが雪を踏む音が大きくなってきて、少しずつヒカリの息が上がっていく。


「さあ、降参して出てくるんだな。じっくりと話を聞いてやるよ」


 兵士がわざと威圧的に声を荒げて叫ぶ。



 ――落ち着いて、落ち着いて、落ち着け。諦めるな、何があっても……



 自分でも落ち着きを失ってきていることに気づいたヒカリは、自分の頬を叩いて、薄暗い路地の中を見渡す。しかし、役に立ちそうなものは何も……




「あった、ドアだ!」



 銀色の丸いドアノブが、灰色のアルミドア、同じく灰色のビルに紛れつつもそこにいた。しかし、手を伸ばして回すもドアはびくともせず、肩からドアへぶつかっただけだった。押しても引いても開きそうにない。



「ああもうっ、なんで鍵掛かってるの!」


 悪態をついてから、ヒップホルスターからM&P9を引きだし、ドアノブに向けて斜めから2発叩き込む。するとドアノブがひしゃげ、運よく鍵だけは外れたようだった。鍵だけは。



 ドアノブを服越しに掴むも、歪んだノブはちょっとやそっとじゃ回る気配を見せなかった。隙間から見たラッチボルトは動かず、あまりにも手応えがなくついドアを蹴り飛ばす。




「……そうだ、じゃあこっち!」


 扉の向こう側、蝶番があると思われる場所に至近距離から銃弾を叩き込む。弾切れを起こすと同時に弾倉を変え、再び弾が尽きるまで銃撃を加えた。


 そのおかげで番の蝶は空を舞ったようで、金属製の何かがドアの向こうで落ちた音が聞こえる。それと同時に僅かな湯気をあげながら、M&P9がスライドを後退させたまま止まった。



「無駄な抵抗はやめてさっさと出てこい! お前は仲間を殺した、俺もお前にお見舞いしてやろうか!」


 恐らく、機関銃を撃ったことで兵士は僅かに耳が遠くなっているのかもしれない。ヒカリの連射にも気付いていない様子で、ゆっくりと接近してくる。


 だがその後に車のドアが開く音が聞こえ、もう銃は使えないことを悟った。



 もうあまり時間がない、すぐそこまで兵士が迫ってきていた。ドアの鍵と蝶番が外れても、ノブが回せないせいでラッチボルトが外せない。一心不乱にドアを蹴り続けるしかなかった。


「おいおい何の音だ? 悪あがきはやめて出てこい!」



 ハンヴィーの横顔が路地を覗き始めた頃に、ようやくドアが音を立てて吹き飛ぶ。ドアが半回転するように倒れ込み、埃が舞い上がる。このビルは長い間使われていないようだ。




 裏口を通り抜けざまに蝶番を拾い、出口の窓ガラスに投げることで注意を引く。だがヒカリ自身は一目散に階段へと走った。もし仮にこのビルから抜けられても、両側の道路には兵士が待機している。それに、この状態で街の中心へ兵士を引き連れて行ったら、街の皆にも被害が出るかもしれない。それなら、ここら辺で兵士を撒かなくては。



「あいつはビルを抜けたらしい! お前らは外を見張れ、俺達は念の為上階をチェックする!」

 下で指揮官らしき男の指示が飛んでいる。それと同時に複数の足音が階段の下から流れ込んできて、ヒカリの足は悲鳴を上げながらも更に加速する。



 やがて冷たいドアを押しあけて、屋上に出た。さっきよりも雪は勢いを増していて、その分足元の雪は厚くなっている。屋上のフェンスは大きく歪んでいて、その上には大きな看板が横たわっていた。


 どうやら古くなった看板が落下し、歪んだフェンスの上で安定したシーソーのようにせり出しているようだった。そしてその向こうには、このビルより一回り小さなビル。



「どうだ、見つけたか!?」


 考える時間はない。高鳴る胸に手を押さえて、ケースを背負いなおしてから、深呼吸をして看板へ駆ける。


 銃を持ったヒカリが看板に乗ってもびくともせず、思い切り踏み出した足は硬く押し返された。



 視界の中で、ビルの縁や看板が後ろへ流れる。下に広がる薄暗い路地の裏では、ちいさな女の子を抱いた母親が通りを覗き込みながら、びくびくと身を震わせていた。銃声に気がついて、逃げるタイミングをはかっているのかもしれない。


 しかしそんな親子もすぐに流れていって、目の前にさっきより1階だけ低いビルが現れる。足から着地し、すぐに両腕を地面に付けて受け身を取る……筈が、手に持ったMSRと肩のケースのせいで、不格好なままビルの屋上の雪に放りだされる。



 まるで間接人形を上から落としたかのような格好でビルの上に横たわっていた。頭も肩も、全身を硬いコンクリートに打ち付けて涙が出そうにさえなっていたものの、新雪がクッションになってくれたことだけは救いだった。

 だが、泣いている暇はない。MSRは大事に抱えている。ケースの中は無事だった。


 短く鋭く息を吐いて、もう一度ビルを跳ぶ。大丈夫、この距離なら届く。そう自分に言い聞かせる。それからフェンスをよじ登ると、立ち幅跳びの要領で再び宙を舞った。


 今度はきちんと着地できて、変に痛む所もなかった。



 周りにはもう跳び移れるビルは無く、近くの電柱に飛び乗ってから、横の出っ張りに足をかけてゆっくり下に降りる。


 ボスっ、という音を立てて雪の上に着地して周囲を見渡すが、周りには兵士どころか街の人もいない。雪の上に残された沢山の足跡を見るに、皆銃声を聞いて隠れたのだろう。



 十数分前に逃げたであろう人達と同じように小走りになった足を止めて、すこしだけ考え込む様子を見せてから、ヒカリは電柱から飛び降りた時についた深い足跡をきちんと埋めておく。


「これで、よし!」


 そう言って、満足気に小走りで、雪の降りしきる街を駆けた。




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