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コア層とライト層

  

 

 さて、どうすればコア層に、ライト層に受けるのか。

 今回は、需要側を、この二つに極端に分類して思考実験を試みたい。


 コア層は、真に意味や価値を求めている。

 なので単純に、求められるレベル以上の、高次元な娯楽を提供すればいい。

 だが、これは言うに易しで、実践が相当に難しい。

 他の手段として挙げられるのは、例えばニッチに攻めて、隙間産業的に、供給の乏しい、今現在需要があるモノを提供すればいい。

 これは供給が枯渇しているので、比較対象が少なく、ある程度レベルが低くても許容されるからだ。

 実力が低いならば低いなりに、市場調査をして、今現在求められている需要に対して、供給が枯渇しているジャンルやテーマを見つけるのも、それはそれで良いという話だ。


 ライト層は、真に意味や価値を、積極的には求めていない。

 なので、小難しい内容を嫌う傾向があり、ストレスの掛からない、いわゆるライトな内容を求めている。

 さらに、ライト層は知識が乏しいので、楽しむために前情報、文化的素養が必要となるタイプは嫌われる。

 様々な物事を楽しむ上で、初級編に位置するような、入門から始まり、一から丁寧に説明がなされるようなのが良い。

 なので、特定のテーマやジャンルは、そもそもの前提として、相当に手間暇を掛けなければいけない。


 例えを挙げるなら、SFやミステリなど、その他、小難しい世界観やシチュエーションを有するモノ。

 SFならば、まずは宇宙の、知識のある人間ならば当然の事でも、一から説明する必要性がある、かもしれない。

 ミステリならば、密室という一言にも、詳細な解説と説明が求められる、かもしれない。

 また、比較的説明が曖昧でも、なあなあで受け入れられ易いFS、ファンタジー作品でも例外がある。

 あまりに冗長で、シンプルさに掛ける描写がある、所謂ところのハイファンタジーに分類される場合が、それだろう。

 そういう場合は、ファンタジーの定番、当たり前に常識とされる、前情報が、文化的素養がないと、楽しみにくいのである。


 こういう知識を参考にして、供給側は、より効果的に、効率的に、需要側の求めに答えてもらいたい。

 そうする事によって、より高度な啓蒙と社会貢献が可能となると思うので。


 次に、コア層とライト層の、市場などにおける動向を多少考察する。


 コア層に受けると、量に対して宣伝効果などが大きい。

 頭の良い人、というより情報強者のユーザーが宣伝すると、説得力があるので。

 逆にライトユーザーは、頭の悪い人が多いので、加えて比較対象が少なく、知識も薄い傾向があるので、宣伝やレビューに説得力が欠けて、あまり意味がない。

 しかし、量的に多ければ、その限りではない、こともある。

 たとえば、ライトユーザーが10人とか100人支持すれば、コアユーザーのレビューに勝る事もあるので。


 他に、コア層は、供給側を様々な意味で、追ってきてくれる。

 逆にライト層は、あまり追ってきてくれない傾向がある。

 主要な、あるいは分かり易い宣伝ラインが途切れても、熱心に情報収集をするコア層は、ある意味ストーカーや探偵なので。

 そして一部のコア層が宣伝すれば、準コア層やライト層にも波及して、うまい循環になるのだろう。


 また、コア層は作品の評価、審査の目が厳しい傾向がある。

 なので、手の抜いた作品、簡単に言うと面白くない作品を出すと、一気に手の平を返す事がある。

 宣伝効果も強いので、ライト層に波及する形での悪影響も大きい。

 といっても、一度で完全に見限られるかというと、そういう訳でもないので、依然ライト層と比較して購買力などの高い、入れ込んでくれるユーザーである。

 逆にライト層は、そういう所が甘い傾向がある。

 一定のライト層を抱えておけば、駄目な作品を出しても、なあなあで一定の購買を期待できたりする。

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― 新着の感想 ―
[良い点] とても良い簡単な考察スタイル、自分はこの種のコンテンツがとても好きです。
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