異世界の技術 2
ペンがおもしろくてアイディアが湧いてくる
帰ったらすぐに書き止めようとそわそわしながら家に戻った。
家に戻ってすぐ、前に買ってあったノートを引っ張り出してペンを滑らせる。
大きめなノートを買って正解だった。
思いつきをノートに書きながら思う。
陣を書きながら他のことを考える。
(携帯? も魔道具にできたらすごい役立ちそうなのにな)
通信機器を魔道具にするのは難しい。受けて側と送る側両方に魔法適正があることが前提で、かつ相手の居場所を補足しなければならないからだ。
(魔道具で位置情報を把握するのは出来るけれど、音を送るにしても思考を送るにしても相手が受け取れないと意味がないしね)
少ない交友関係でマリナが緊急に連絡を取りたい相手として考えるなら王子とヴォルフくらいだろう。師匠は医務室に行けばいる。
居場所がわからない状態で連絡を取れるのはとても便利だけれど、二人には多分受け取れない。
(むしろ位置を把握する魔道具に信号を受信できる仕組みを追加して、音か光の信号の組み合わせで暗号を伝えるようにすれば…)
マリナが一方的に送るだけでも緊急のときは使えそうだ。
実はマリナが構想していたものはこの国にもあった。
何十年も前に廃れたそれをマリナが知る由もなかったが。