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日常、そして再召喚の日

(本日も平和な日常・・・よきかな、よきかな)


 とある田舎の公立高校。

 その2年1組の生徒であるところの彼、世良田 陸《セラタ リク》はそんなことを思いながら授業を受けていた。

 今は4時間目、社会の授業中。

 教壇には社会科の小池先生(女性、独身、2○歳)が中世ヨーロッパの話をしている。

 その授業内容を聞き流しながら、彼は物思いに耽る。


(中世ヨーロッパねぇ・・・。まったく、1年経ったっていうのにまだ俺は吹っ切れてねーんだな)


 今から約1年前。

 今の高校に転校してくるきっかけともなったある事件を思い出す。

 『真昼の男子高校生行方不明事件』

 都心に住む高校生が一ヶ月近く行方不明となった。真昼の学校内で、突如足取りが掴めなくなり、一時は迷宮入りも囁かれるほど不可解な現代の神隠しとも言われた事件だ。

 ちょっとしたニュースにもなった。

 しかし、事件自体はあっさりと解決する。行方不明の高校生が、自宅で発見されるからだ。

 その高校生は検査の結果、体調に問題は無いが行方不明期間の記憶の一切を失っており、詳細は不明。一体何が起きたのか、真実は件の高校生が覚えていないのだからわかりようもなく。

 その事件も時間と共に風化ていった。


(と言っても、得体の知れないテレビ局だの雑誌の取材だので身の回りが騒がしくなってたし、当時のクラスメイトの好奇の視線やら噂話に辟易したからな)

 

 そこで、彼とその家族は息子の精神療養という名目の元、田舎へと引越しをしたのである。

 まぁ、これには彼も感謝している。一部記憶喪失な上に、これは両親や元の学校の生徒や教諭も感じていたことだが、彼の言動が事件前と後ではあきらかに変わっていたから。

 両親はそれを事件のストレスと思っているようだが、彼はその理由を「知っている」

 世良田 亮は、高校1年のあの日、この世ならざる場所へと行った。

 そこはお決まりの剣と魔法のファンタジー世界で、彼は勇者としてその世界を救ったのだ。

 こんなことを真顔で言えば、どうなるかなんて想像するまでもない。りっぱな精神病患者の出来上がりだろう。

 だから彼は嘘をついた。一生墓まで持っていくだろう嘘を。


(まぁ、もう終わったことだしな。・・・今はこの平和を享受しよう)


 彼が物思いから復帰しても、未だ社会の授業は終わらず、教壇の小池先生の教鞭を振るっている。

 そろそろ教科書を読まされそうだ。今日は奇数日だから、この後自分が指される可能性が高い。

 

(さて・・・今何ページかな・・・っと・・・?)


 教科書に視線を向けた瞬間、微かな違和感。どこか遠くで、誰かが呼んでいる様な感覚。

 彼は「知っている」この感覚を「知っている」

 1年前に体験したものと同じだからだ。


(冗談じゃねーぞ!)


 大きくなる違和感。周りのクラスメイトも気付きはじめる。


「・・・ん?地震?」


「なんか揺れてない・・・?」


「マジだ・・・!揺れてる!」


 そして教壇に立つ小池先生も気付く。


「どうやら地震のようですね。・・・皆さん!避難訓練と同じように!机の下に隠れてください!」


 その言葉に従い、各自机の下へと潜る。


「地震なんて久しぶりだねー。ちょっとドキドキかも」


 彼の隣の席の女子が呟く。そういえばこの子の名前は何だっただろうか。

 そんな場違いな思考をする彼にその子は、


「ねぇ、世良田君!・・・光ってるよ!足元!」


 そう彼に叫んだ。


(あぁ・・・そうだ。彼女は戸田 朱里《トダ アカリ》このクラスの委員長だったっけ)


 現実逃避気味な思考の中、彼の足元の光はまるで模様の様に姿を変え、教室中に広がった。

 誰かの悲鳴が聞こえる。が、それも一瞬の内に消え去る。


(最悪だ。・・・またこれかよ)


 足掻こうにも手遅れ。それを彼は「知っている」

 その光はかつて、彼が異世界に連れて行かれたものとそっくりだったからだ。

 

 『勇者召喚陣』


 異世界「アスト」における大規模儀式召喚魔法。

 宮廷クラスの召喚魔法師10人掛かりで発動させる人類希望の魔法。

 彼にとっては絶望の代名詞とも言えるもの。


(だけど何でだ・・・?俺は確かに倒したはずだぞ・・・もうあの世界に魔王は居ないハズなのに・・・)


 そんな疑問を飲み込み、光が弾けた後には誰も居なくなった教室が残るだけだった。

プロットなんて上等なものはございません。

駄文ですので←

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