04 『スピード結婚』
04 『スピード結婚』
神田川を渡った先に四阿があって、そこに角刈り、黒スーツ、サングラス姿の3人組がいた。
思った通り、艾家のボディーガードたちだった。
「万孔明です」
「万国際です」
「万粉餡です」
日本語読み禁止の3人組だが、万3兄弟であるらしく、しかも3人目の粉餡さんは女性だった。
コマン○ーとかみたいだが、女性だった。
助かったよ。
ボディーガードだし、女性でも角刈りサングラスのマッチョだから、男っぽくて艾小姐の付き添いは可能だろう。
早速状況を説明して、手助けをお願いすると、長男の孔明さんに怒鳴られた。
「お嬢様に対してなんてことを! これは国際モンタィーですヨ!」
いや、国際問題なら次男の国際さんが専門では?
などと馬鹿なことを言ったら怒られるだろうな。
「それが、国際問題にはなりそうもないのです」
「何故です。お嬢様はホエールでは華僑の名門、艾家の者なのです。相手がエリダヌスとはいえ、泣き寝入りなどしませんヨ」
いいえ、本人は泣き寝入りしてます。
などとも言わないで、ポイントだけを話す。
「実は、実行犯が青鯨誓子嬢なのです」
(暫しの間)
「ええっ!」
「マイガッ!」
「アイヤー!」
「しかも、誓子嬢はいまだにホエール国籍です。国際問題にしてふたりともホエールに送還すると、待っているのは『委員会』で、総支配人であり父親でもある青鯨豊作氏が出てきます。その後はどうなるでしょう?」
「青鯨家に逆らうと……」
「逆らうと?」
「確か、見知らぬ辺境で、死ぬまで開墾させられると言われてますネ」
「いいや、見知らぬ辺境で、領主に性奴隷にされると聞いたヨ」
「いいえ、見知らぬ辺境で、裸にされ相撲をさせられると聞きました」
豊作さん、何か悪意ある噂を流していませんか?
「しかし、ユウキ閣下。ここはあなたの領地です。管理責任とか、監督者としての立場とかあるんじゃないですかネ」
「誓子嬢は成人していますし、それに後見人が領内にいるのです」
「後見人ですか? どなたテすか?」
「そちらホエールの女帝、セリーヌですよ」
(暫しの間)
「ええっ!」
「マイガッ!」
「アイヤー!」
それ、既に一度聞いたからね。
「しかも、彼女はホエールでもエリダヌスでも外交顧問です。俺なんかでは太刀打ちできません。艾家のお嬢様のことを言ったらどうなるでしょう?」
3人とも顔が真っ青だ。
「わかりました。粉餡を迎えに行かせますヨ。おい、俺たちはカナ飯店で待ってるヨ。そっと行ってこい。そっとだヨ」
「わ、私、ひとりじゃ怖いヨ」
「大丈夫ヨ。最悪、下落不明(行方不明)だ。死ぬ訳じゃあないネ」
「それ、大丈夫じゃないネ」
悪評が高いぞ、セリーヌ。
だが、俺は妻のことはわかっているつもりだ。
彼女は策謀家であり、負ける喧嘩はしないのだ。
悪評も、戦略なのだろう。
兄ふたりが逃げていき、粉餡は蒼くなりながらも俺の後についてきた。
それにしても、艾家というのは情報収集に難のある家柄なんだろうか。
母親10人委員会がここにいるとか、その娘たちがいるとか知らないのだろうか。
まあ、ホエールで母親10人委員会のことは、ちょっと恥になるのかもしれない。
京太郎氏が、マスコミ操作してても不思議ではない。
ホエール娘の大半が星系首相の娘や孫ばかりだから、警備上の都合かもしれない。
粉餡は、何故か歩きながら器用に黒スーツを脱いでいき、黒ビキニ姿になるとショルダーバッグから巻きスカートを出して穿いた。
「何なんだよ、それは」
「巻きスカート。さっき、ナナ&サラサで買っといたヨ」
「いや、そっちじゃなくて、何で水着なんだ」
「やっぱ、タメか」
粉餡はビキニの上を脱ぎ始めた。
緊張なのか、一番綺麗な日本語を使っていたのに、少し崩れている。
そう言えば、何でおっぱいを見せるんだっけ?
いやいや、男子禁制だから元々はセックスチェックなんだよな。
裸の頃は必要なかったけどさ。
それをみんな誤解して『おっぱい検査』とか言い出したんだよな。
だけど、俺がチェックする訳じゃあないんだ。
侍女の仕事なんだよ!
それがわかって貰えないから、いつまで経っても『おっぱい検査』なんだよな。
でも、脱いだら見てしまうよな。
プリッ!
ドけりー!
俺はほぼ一回転して、粉餡の両脚の間に頭から突っ込んでいったが、流石に粉餡はボディガードである。
左脚を軸にしてくるりと回り、這いつくばった俺の背中を踏みつける。
「ぐえっ」
「あんたは往来で何してるのよ!」
「カオルコ様!」
「ぐえっ」
「ああっ、あの、もしかしてフェンシィ?」
「はい!」
「ぐえっ」
「久しぶりね。見違えたわ。じゃあ、玲玉も来ているのね」
「はい!」
「ぐえっ」
「芳玉と稀玉も一緒に?」
「いえ、玲玉様だけです」
「ぐぇー」
俺の背中の上で、再会の挨拶をするな。
ついでに無視するな。
わざと踏みつけるな!
フェンシィなどと可愛く呼んでも、ボディガードだから、俺よりも男らしい体格をしているのだ。
美少女に踏みつけられるというのが喜びだという男もいるが、背中に柔らかいおっぱいを経験している俺には、ふたり同時に踏みつけられても、喜びは欠片も感じられなかった。
よかった、俺は正常だった。
特殊な性癖など持ってないのだ。
「ところで、ユウキ。このポケットから出てきたショーツは、一体誰のモノなのかな」
「ああ、その深紅はお嬢様のお気に入りヨ!」
「ぐえっ」
特殊な性癖を見つけられてしまった。
洗濯機に放り込んどくんだったよ。
艾小姐の部屋は、中国語が飛び交う異世界になっていた。
カオルコは中国語も話せるんだな。
まあ、お嬢様だから不思議ではないか。
俺は扉の外の廊下で椅子に座り、痛めた背中に治癒魔法をかけて貰っていた。
まあ、本当はクラとロマに両手で軟膏を塗って貰っているのだが、癒やしの効果は軟膏よりふたりの両手の方が強いみたいである。
「ロマ、おっぱいで塗ってくれると治りが早くなるんだよ」
「もう、ユウキ様は最近変態度が上がってます。クラじゃないんだから、騙されませんよー」
「ロマ、クラだって騙されたりしません」
「えー、この前、膝枕の時はスカートを脱ぐんだと言われて、騙されてたじゃない」
「あ、あれは、ちょっと変かなと思ってはいたのよ」
「朝、ユウキ様を起こす時に、ほっぺたをなめて起こすのは?」
「ええっ、あれも嘘なの!」
クラとロマがキャーキャーやっているところを眺めて、何だか気分がほっこりしてくる。
クラは少し天然で、ロマは明るく元気だ。
地球の学校と大使館の仕事で、一杯知識と経験を積んだのに、領地内での生活の方が楽しいと言う。
地球で同年代の男の子に人気があって、恋をしたりデートしたり、付き合うことすら可能なのに、俺が行方不明の時は、必死に飛び級するまで頑張って勉強し、戻ってきてくれた。
良い娘たちである。
今夜は一緒にお風呂に入るかな。
どうも俺の変態度は上がりっぱなしで、好感度は下がりっぱなしのような気がするが、気になるだけなら、気のせいだろう。
やがて、部屋が静かになり、カオルコがトボトボという感じで出てきた。
「タメだったアルヨ」
「おい、日本語が引きずられているぞ」
「ああ、リン、いや、玲玉は重症だわ。よっぽど怖かったんでしょうね」
「チカコ相手なのにか?」
どうも俺には想像できないのだ。
チカコ自身が怖がりだからである。
「ユウキには想像できないでしょう。青鯨家が社長なら、艾家は地方支店の管理職補佐程度よ。一声で一族すべてが辺境に飛ばされるぐらいの覚悟が必要なのよ」
「民主化は進んでいないのか」
「そういう問題じゃないのよ。例えば華僑のナンバー2に陳家があるのだけれど、そこに青鯨家が出資するだけで艾家は簡単につぶれるわ」
「信用をなくさなければ普通、商売は大丈夫だろう」
商売は競争だが、資本力だけで勝てるほど甘くはない。
「駅前の一等地にビジネスホテルがあって、ユウキはそのホテルの向かいに中華料理店『ユウキ菜館』を出していると想像してくれる?」
「ああ、想像したぞ。ホテルの客も地元の人も来て賑わってるやつだ」
「さて、ユウキは儲かり地元で富豪になりました」
「何の問題もないじゃないか」
「ところが、ユウキ菜館2号店を出そうと出資を始めた頃、チカコがやってきてビジネスホテルのワンフロアを借り、『チカコ大飯店』をオープンさせます」
「それって卑怯だろ。反則だろ!」
「チカコ大飯店は、ユウキ菜館の客を45%ほど取り上げてしまいました。後は双方儲けが出ない持久戦です。ところがチカコ大飯店はホエール銀行がバックについていて、儲からなくても痛くも痒くもありません」
「味で勝負だ。新メニューも開発するぞ」
「ところが、新メニューも直ぐにまねされ、味もそこそこ追いつかれ、おまけにウエイトレスにクラ、クノ、クミの3姉妹が登場するのでした」
「きったないぞ!」
て、クミに会ったことあるのか?
俺も見たいぞ、きっとロリのクラなんだ。
ロリクラだな。
何だか非合法の団体みたいな名前じゃないか。
いや、山の名前にそんなのがあったような気がする。
「そこで、ユウキ菜館は対抗策として美少女を雇い入れます」
「ラーマは拙いから、腕も良いサクラコとアキに、思い切ってミサコも雇うぞ!」
「てぃ!」
「痛いな。何だよ」
「最高の美少女を雇い入れます」
「ええと、ロマか?」
「てぃぃ!」
「まさか、ナタリーか」
「てーぃ!」
「わかったよ。カオルコだよな」
「そうよ。でも、それでユウキ菜館の人件費は3倍になり、赤字経営の末、半年足らずで倒産してしまうのでした」
「あっけな! そして、意味ねー」
「その後、ユウキは辺境に流れて餃子専門店を開き、二度と歴史に登場しないのであった」
「だから、辺境って言うなよ」
「ユウキの財産は、最高の美少女カオルコだけになり、ずっとカオルコひとりを大切にして、幸せに暮らすのでした」
「趣旨が変わってないか?」
「すみません。クラがチカコ様に雇われたせいで……」
「ユウキ様。ロマは雇ってくれないのですか!」
いや、ふたりとも、ただのお話だからね。
「クラも、ユウキ様と幸せに暮らしたいです」
「ロマは、きっと幸せにして見せます!」
「駄目よ。『餃子のカオルコ』は、場末でユウキとふたりだけで営んでいくの」
「ずるいです。クラはバイトでいいから雇われたいです」
「じゃあ、ロマは愛人枠でお願いします」
それから3人は、喜んだり悲しんだりしながらも話に盛り上がり、やがて『餃子のカオルコ』はチェーン展開し、最終的には『チカコ大飯店』を打倒して、ホエールの餃子王として君臨するのであった。
「玲玉お嬢様のこと、忘れてないカ?」
「いや、俺も忘れられているからな」
「自慢するナ」
「おい、フェンシィ」
「何タ、ユウキ」
こいつ、俺のことは、全然恐れてないよな。
セリーヌに言いつけてやろうか。
それとも、強がりなのだろうか。
「いい加減、サングラスは外せよ。怖いだろ」
「ふん、サングラスは外してやるカ、パンツは外さないヨ」
「パンツは脱がない、だろ」
「パンツは脱がないヨ」
「いや、やっぱり脱げ!」
「あんた、鬼畜ネ」
フェンシィはサングラスを外した。
角刈りだが、超イケメンだった。
瞳は碧い、南国の海の浅瀬のような色だった。
「パンツぐらい脱いでないと、男か女かわからないだろ」
「失礼な男ネ! こんな立派な胸見せてるヨ」
「大胸筋だろ」
「違うヨ! ちゃんとしたおっぱいヨ!」
「筋肉で出来たおっぱいだろ」
「ちゃんと脂肪ネ。乳脂肪100%あるネ」
「嘘つけ! サシぐらいだろ」
「サシって、何ネ?」
「霜降り?」
「下降り? 下半身振ってるのは、ユウキだけヨ」
「俺は下半身を振ったりしないぞ」
「振れないのカ。12センチ以下カ」
12センチ以下は、振れないのか?
「俺は12センチ以下じゃない!」
「私も、大胸筋じゃないネ!」
こっちはこっちでギャーギャーと不毛な罵り合いを続けていた。
艾小姐は、毛布を被って震えていたようだ。
「その選択で間違いはないか!」
ドウはやや厳しい感じで問いかけた。
「間違いありません」
「間違いありません」
ナミとナリは穏やかな声で決心を伝えた。
美しい黒髪は大きなハイビスカスで飾られ、腰には巻きスカートではなく、赤い花柄のパレオが巻かれていた。
南国の島を思わせる格好だが、本人たちが選んだのである。
淡い褐色の肌によく似合っていた。
「ユウキ、ナミとナリを大切にすると誓うか?」
「誓います」
「では、ナミとナリはユウキの妻となった」
ドウが大きくなり始めたお腹をさすってから、来賓席のスス、キン、ギンのところへ戻ると、俺は結婚指輪をナリとナミにつけた。
サポートでこの場にいるクラとロマは、夢見るような顔をして花嫁たちを見ていた。
自分たちの時のことを想像しているのだろう。
俺はスス、キン、ギン、ドウにお礼を言い、ナミとナリも後に続いてお礼を言って祝福を受けた。
式場から(と言っても新領主邸の一室だが)外に出ると、カートの後ろにパレード用の馬車が連結されていて、更に従者用のカーゴと荷物用のカーゴが繋がれていた。
俺はナミとナリを馬車に乗せ、運転手のサードに合図して出発した。
従者用のカーゴには艾小姐とフェンシィが既に乗っている。
実は、迎えの船が今日中に出発と言うことで、いきなり結婚式を挙げてしまった。
直ぐにハネムーンに出発するから、お祝いは何にもしないでいいと言ったのだ。
ナミとナリが了承してくれたから、スピード結婚である。
折角、マサイに行くのだから、便乗である。
経費は京太郎氏持ちだろうしな。
親がかりとかならともかく、人の奢りでハネムーン行くやつはきっと少ないだろうな。
予想外だったのは、ナミとナリの衣装である。
事前に用意していたのだろうか。
女は怖いぞ、諸君。
領地の出入り口までの両側にはホエール娘たちと侍女たちが見物人として集まっていたが、騒ぐ者はいなかった。
外は、村の見物人や観光客が一杯である。
侍女たちは、ナミとナリの姿に感激しているようだった。
男どもは、勿論、目がハートである。
俺と一緒だ。
だが、夜は俺だけのもんだぞ。
うわっはっは、残念だったなアケチ君。
領地を出る時に、一段目の奥にあるバラの群生地前に置かれたランビキのひとつで、チカコが咲き始めた野バラやハマナスの花で、香水を作っているのが見えた。
顔は出せなかったが、ナミとナリのために結婚祝いを作っているのだろう。
チカコの作る香水『ノバラ』は、非売品で贈答用である。
ホエールの化粧品会社が商品化したいと熱望したのだが、チカコはあっさりと蹴ってしまった。
お金では買えない価値があるものだと、その後、苦情に来た豊作氏をも一蹴していた。
実は『ノバラ』の香水瓶は、俺がチカコにあーだこーだ言われて焼き上げた樹脂瓶なのだが、チカコはそれを非常に気に入っていて、領地内の娘にしか配らないのだ。
貰った者たちも、瓶を持ってこないと中身がわけて貰えないので大切にしている。
セリーヌが間を取り持って化粧品会社に創らせたブランド『ハマナス』は、ホエールのプロの美容師たちに引っ張りだこだったが、チカコが言うには『あんなの偽物よ』と言うことだった。
多額の顧問料が、チカコの口座には貯まり続けているらしいが、勿論、お金に興味のないチカコは確認すらしたことないらしく、セリーヌが管理している。
もっとも、ノバラはチカコにしか製法はわからないし、原材料はこの領地でしか採れず、保存も1年ぐらいしか出来ないし、冷蔵庫に入れると香りが落ちるそうだ。
化学薬品はごく一部を除いて一切輸入していない。
当然、食品添加物、香料、着色剤、安定剤、保存料などは手に入らない。
農薬などもである。
厳しい防疫処置もそのためだった。
チカコが商品化できないと断ったのは、当然なのかもしれない。
カートはタルト村と観光客の見物人の中をゆっくりと通り過ぎ、女官や侍女見習いたちが並んでいる行政庁舎や新たな省庁のビルと迎賓館の前を通り過ぎてから、海岸沿いを空港に向かった。
同僚や観客の視線から解放されたナミとナリは、少しだけホッとしたようだ。
京太郎氏が手配した旅客便は、今日出港しなければならなかった。
ゲートシップの需要は高いのである。
ユウキ・エアーの便でもいけるのだが、固定ゲートは一応エリダヌスの秘密になっていて、ホエール星系に出口を作れるか研究中でもあるし、公式には迎人氏以外は知らないことになっている。
それにユウキ・エアーの3万トン貨物船は、2隻が金やプラチナを満載していて、倉庫化している。
更に1隻は、ドウトンボリに行っているし、旅客用は丁度中国大陸とロシア大陸の間の海峡での『マグロ漁』にぶつかってしまい、双方に貸し出し中だった。
帰りにマグロと一緒に貨物に積み込まれるのは、ロシア人もチベット人も嫌なのだそうだ。
空港にはナナとサラサが見送りに来ていた。
そう、タルトとコラノも連れて行くのだ。
ふたりの親父は『ライオンぐらい狩ってみせる』と豪語するので、優秀なハンターと一緒に遊んできて貰う予定だ。
「やあ、タルトとコラノはもう中かな」
「ユウキ様、この度も結婚おめでとうございます」
「ユウキ様、何度もご結婚おめでとうございます」
「祝ってないような気がするぞ」
「いいえ、祝ってますよ。ナリとナミには」
「ええ、良かったと思っていますよ。ナミとナリにはね」
「ありがとうございます」
「ありがとうございます」
流石に幸せそうなナミとナリには、何も言えないようだ。
まあ、ふたりのパレオは、ナナ&サラサのオートクチュールだったのだ。
隅っこに連れて行かれて、
「いつか、私とハネムーンに行きましょう」
「いつか、私もハネムーンに行きますよ」
いいえ、君たち人妻だからね。
「それより君たち、タルトとコラノが心配じゃないのか?」
「ライオンに囓られても自業自得です」
「年なんだから、少し囓られて反省すべきです」
まったく、もう、ツンデレ娘なんだから。
「じゃ、時間がないんだ。父親たちは何とかなるよ」
「もう!」
「もう!」
おっぱいを押しつけてプンプンしているナナとサラサを引き離し、ナミとナリを連れて空港内に入る。
一応ハネムーンなのだから、許してください。
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