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悪夢

翌日、なにやら会社が慌しかった。


なにか起きたようだ。


俺は、先に出社していた同僚の神崎かんざきに何があったのか聞いた。

「神崎、何かあったのか?」

「内海さんが・・・電車に飛び込んで・・・亡くなった。」


血の気が引いた。内海さんが・・・そんな。

電車ということは、俺が帰った後か?


「内海さん、昨日早く帰ったみたいだけど、そういえば甘木も昨日早く帰ったよな? なにか事情知っているのか、もしかして」

俺の表情から何かを感じとったのか、神崎が問いかけてきた。

俺が何かをしたわけでは無いが、あの時の会話を今言うのはまずい気がした。

だから俺は”嘘”で誤魔化した。


「いや、昨日は帰りに内海さんは見かけなかったな。」

「そうか、ならいい。」神崎はあっさり引き下がった。


それはそうだろう、追求する理由が無い。

しかし、神崎は思いもよらない一言を発した。


「俺も昨日早く帰ったんだ駅のホームで甘木、お前を見かけた。一緒に居たのは・・・うっ!」


俺は神崎の口をとっさに塞いだ

待ってくれ、その先を言わないでくれ、誰かにこの話を聞かれていたら・・・

言葉にならないし出来ない、その思いを俺は神崎に目で訴えた。


神崎の目が、俺をまっすぐ見つめている。

とても、冷たく黒い深い闇を思わせる目だった。

「やめろ。見るな! 何もしていない!! ただ・・・ただ勝手に話を終わらせただけだ! 俺の精神衛生によくないと思い内海さんからの返事が聞きたくなくて・・・言い逃げしただけなんだ信じてくれ!!」


そこで自分が暗闇の中にいることに気が付いた。

ここは俺の部屋か? ・・・夢だったか。安堵と一緒に罪悪感が襲ってきた。

俺は内海さんに酷いことをしたんだな。


内海さんに謝ろう。

そう決めた。

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