勇者アマギ誕生!?
「ふーん、彼女は?」って聞かれたので、どう答えようか迷っていたら降りる駅についてしまった。その間内海さんとは会話をしなかった訳だが、何も問題は無い。途中の駅でたくさんの人が乗ってきたので、強制的に離れてしまったのだ。そうとても残念な出来事だった。ちゃんちゃん。
10分程して電車が、俺と内海さんの降りる駅のホームに着きドアが開いた。俺は早歩きで人波にうまく乗った。しめしめこれで内海さんはもう俺を見失った筈だ。
「甘木くんちょっとー! 歩くの速いよー」
マサカの自体が起きた。内海さんが後ろから追いついて来たのだ! そのまま内海さんは俺と並んで歩く形になった。さすがに早歩きは女の子には厳しいだろうから、歩くペースを落とす俺。やっさしー。
さぁてどうしよう。例の質問に答えがまだ見つかっていないのだ。なんて答えよう。
①彼女いるよー、二・次・元・にね(ハート)
②26年間一度も居たことないんだよねー、あっはっはー(泣)
③俺、彼氏がいるんだ・・・。
④彼女いるよー(うん、無難だ。)
⑤君を彼女にしたいんだ!(アホか 笑)
どれにしようかなー。内海さんに聞いてみよう。
「内海さん、1から5の数字でどれが一番好き?」
「えっ、どうしたの突然? 1から5? どれだろう?ってなんでそんなこと聞くの?」
ジト目で俺を見つめる内海さん。そういう仕草も可愛い・・・はっいかんいかん! 彼氏にぶっとばされる!
「大事なことだから。」真剣な声で、真剣な眼差しを内海さんに向け俺は言った。
「うーん、②かなー」
うぁ最悪の答えを返してきおった、流石内海さん。持ってる。なにか持っているよあなた!
あぁ仕方無い、言うぞ言うぞ言うぞ、はい深呼吸深呼吸。
「彼女が居る居ないの事だけど」意を決して俺は言った。が、
「あたし子供早く産みたいんだー」内海さんが突然そんなことを言った。
なぜ! えっ俺が彼女居るか居ないかの件、完全スルー? ってか、えあれ俺に興味全くないよこの人。
「・・・はぁ。」と気が抜けた返事を返す俺。
はぁ、助かったのか?
「うん? どしたの?」首を傾げて、内海さんが言った。