メッセージ3
そういえば、神崎には「ご自由にアタックを」とか適当に言ったけど、内海さんは婚約しているからそれはあまりよろしくないのでは? と、ふと気付いた。
・・・まぁいいか、俺と内海さんが付き合っているか?という質問を神崎はしてきただけだし、それに対して”嘘”は言ってない。・・・って屁理屈だなこれじゃ。
明日、神崎に会ったらそれとなく言っておくか、内海さん婚約しているぞーって。ショック受けるだろうなー神崎。
それはそうと、未だいづみさんからの返信は着ていない。
やはり、時期尚早だったか。
ああいうメッセージはある程度仲良くなって、気が許せる距離になったら送るものだから、いづみさんをきっと引かせてしまったのだろう。と自分に言い聞かせてみたものの、その内良い返事が来るんじゃないかと期待しているもう一人のポジティブな自分もいる。
いつも通り一人淋しく思想に耽りながら、駅までの道のりを歩いていると、携帯が振動した。
いづみさんか!? 期待に胸を膨らませつつ携帯を確認すると、友達からのメールだった。くっそう、紛らわしい。
メールを開いてみると、今週末遊ぼうという内容だった。返信はアパートに帰ってからでいいかと携帯を畳もうとしたところで、再びメールを受信した。
今度はいづみさんからの返信だった。思わず携帯を握る力が強くなった!っしゃーって感じ!
やべ、めっちゃドキドキするんですけど。
深呼吸をし、通行人の邪魔にならないよう道の端まで俺は移動した。
いきなりメッセージを全文直視することは不可能だと判断した俺はメッセージ開封ボタンを押しつつ目を瞑った。
・・・ゆっくり目を開けていく、メッセージが少しずつ見えてきた。
メッセージが全文見えた。
俺は固まった。予想していなかったわけじゃないが、それを現実として認めるのに時間が少々必要だった。
硬直時間約1分を経て、再稼動した俺は、もう一度メッセージを見た。
何回見ても文章は変わらない、わかっているがもう一度メッセージを見た。
・・・ダメ元でもう一回メッセージを見た。
・・・変化無し、そりゃそうだ。
19:46:30
f r o m:いづみ
タイトル:Re
本 文:ごめんねー、彼氏いるから(^_^)
・・・なんかもう色々ショックだが仕方ない、やはり時期尚早だったんだ。
俺はとりあえず無難な文章を作り返信した。
19:49:40
f r o m:アマギ
タイトル:Re
本 文:こっちこそごめんね。
冗談で言っただけでホントに映画一緒に行こうとは思ってないから、大丈夫。
気を悪くさせちゃってたらごめん。
俺は嘆息しつつ、再び駅への道を歩きだした。