第4話「刃物、ダメ!絶対ダメ!」
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今回、内容が薄いため、文字数稼ぎの前回までのあらすじ。
いろんな事情が重なり、不良少年で、『ウル○ラマンのカラータイマーには、黄色があると』思い込んでる名塚翔助は、正義のヒーロー『ゼイファーマン(マッスル星人)』に変身出来るようになった。
しかし、本日まで、バイクは破壊されるわ、初めての変身が無駄に終わるわ、バイト先の店長はホモだわ、作者がバイクで転んで、リアルに怪我するわと悩みは尽きる事はない。
翔助はぶん投げられながも、ゼイファーマンに変身。
そして、巨悪なストーカー星人・ビゴウインへの怒りに身を任せ、殴り掛かる。
果たして、パンチは炸裂するのか!!
しないのか!!
それとも、パンチと見せかけて、キックを放つのか!!
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ゼイファーマン(翔助)は、夕陽に重なるようにビゴウインの方へ飛び込んでくる。
「うおおおおおおーーー!!!!!」
大きく叫びながら、ゼイファーマンは拳を振り上げた。
ビゴウインは、いきなり現れたゼイファーマンに動揺し身動きが取れない。
その拳は、ビゴウインの昆虫のような顔面の左頬に向かった。
バゴッ!!
握り拳が、ビゴウインの顔面に当たった。
「ぐぼっ!!」
蟷螂顔の口らしい部分から、緑色の液体が飛び散る。
どうやら、血のようだ。
ビゴウインは殴られた勢いで、壁に激突。
そのまま、壁に倒れこんだ。
ゼイファーマンは、その場に立ちそびえる。
拳には、血管が浮き上がっている。
このいきなりの登場に、カイリも驚く。
「誰…」
彼女は思わず、そう言う。
当然だが、正体が翔助だということは知らない。
何故なら、ヒーロー物の掟で正体が他人に知られてはならないという掟があるからだ。
だが、仮面○イダー、戦隊物は別に正体知られても問題ない。
口から、緑色を垂らしながら、ビゴウインは起き上がる。
「誰だ、貴様!!」
いきなり、殴られた怒りで叫んだ。
「てめーに名乗る名前はねぇ!!」
ゼイファーマンは、そう言い返す。
何故、名乗らないのか…。
それは、変身したとはいえ、変身後の人格も翔助だからだ。
翔助の人格は、怒っている。
あのビゴウインは、一人の女性を、まるで虫を観察するがごとくに弄んでいた。
そして、彼女を怯えさせ、心を蝕ませた。
それは、許せないこと。
「あなた、誰なの!」
カイリが叫んだ。
「ゼイファーマンです」
だが、それ以外の者に名乗るが翔助だ!!
だけど、結果的に敵にも名乗っちゃったんだよな!!!
すっ…
ビゴウインの甲虫のような右腕の肘から、刃が出てきた。
切れ味の鋭く、怪しく光を反射する。
「っ!」
ゼイファーマンは、それに気づき、ちょっと血の気が引く。
刃を輝かせ、ビゴウインはゼイファーマンへと歩み寄る。
「ゼイファーマンだか、なんだか、知らないが…、私の美しい顔に傷をつけて、無事で済むと…」
「自分の顔を、鏡見てから言え。ホームセンターで、殺虫剤買ってくっか?」
ビゴウインの脅しを、ヤンキー独特の挑発で返した。
キッ!!と、ビゴウインの顔が歪む。
見事なまでに、挑発が効いた。
すると…。
サッ!
逆上したビゴウインは、すかさず刄を出した腕を差し出した。
ゼイファーマンを切り刻むがごとく速さ。
刄が、空気を切り裂く。
「!」
対応に遅れたゼイファーマンの首めがけ、刄が飛ぶ。
「ひっ!」
その凄惨な瞬間が起きようとする状況に、カイリは思わず目を閉じた。
同時に、この状況のどうしようもなさに気を失った。
彼女の意識を切るような刄は、ゼイファーマンの首を捉えた…。
ガキッ!!
「!?」
ビゴウインは、驚いた。
自らの鋭い刄の勢いが、不自然な音を残して止まった。
「うっ…!」
狙った刄は、首ではなく、ゼイファーマンの歯と歯で噛まれていたのだ。
だから、勢いは止められ、首には届かない。
「こいつ!歯で止めやがっ…!!」
驚いたビゴウインの刄は、ゼイファーマンに噛まれ、ビキ!ビキ!と割れる音を出す。
歯でキャッチした刄を、噛み砕こうとしているのだ。
「てめぇ!離せ!!ワニ猿が!!」
冷静な態度を崩して、ビゴウインは叫ぶ。
だが、もう遅かった。
バギッ!!
ゼイファーマンの歯が、刄を砕いた。
ガラス片のように砕け散る。
「びゃあああああーーーー!!!!」
ビゴウインは、昆虫のような口を広げ叫ぶ。
その隙に…。
ブンッ!と大きく、ゼイファーマンは左腕を後ろに振り下げる。
「光モン出すよーな半端モンは、ムカつきすぎて反吐が出んだよ!!!」
そう一言を吐き、ゼイファーマンの太く強靱な筋肉に包まれた左腕は大きく空気を切り裂き、ビゴウインの顎へ飛ぶ。
ガゴッ!!
鈍く大きな音が、辺りに響いた。
なにかが、砕けて割れるような音だ。
ビゴウインは、顎を下から、殴られた口から緑色を吹き出しながら、空中へと舞う。
ゼイファーマンの顔に、緑色の液体が付いた。
たぶん、ビゴウインは、もう立ち上がれない。
警察に回収されるまでは…。
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春野カイリは、しばらく、なにがなんだか解らなかった。
目を開けると、彼女は病院のベッドに居た。
たぶん、ビゴウインは散った後に、警察が現われ、彼女を保護したのだろう。
目が覚めた後、そのまま病室のベッドで警察から事情を聞かされ、ビゴウインが捕まったことを聞かされた。
(ゼイファーマンとかいう宇宙人が、倒したのか…)
そう思った。
同時に、思い出したことがあった。
(翔助君!)
今回のことで、自分のために体を張ってくれた翔助のことが心配になった。
今まで、不良とか、ヤンキーが嫌いで仕方なかった彼女が、ビゴウインに吹っ飛ばされた翔助のことを気にした。
(無事なのかな…)
そう思い、彼女は病室の窓際を眺めた。
窓の外の木々は、未だに葉が咲いては居ない。
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一方、翔助は、彼女が居る病院の外でタバコを吸いながら歩いている。
病院には、怪我の治療と彼女の安否の確認のために来た。
彼女が無事だと解り、安心した翔助は彼女に逢わぬまま去る。
何故なら、もう彼女からの頼み事は終わったと思ったから。
「しっかし、携帯の番号聞いときゃ良かった…」
タバコを吸いながら、冬の寒い空気の中を歩く。
まだまだ、春は遠い。
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