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第2話「意外に、早いんだな」

………………


「…!」

バイクの激突で、宙に舞った翔助。

このまま、彼の体はアスファルトへと落ちて行く。

そう思われた時…。


ピカッ!!


強烈な白い光が、光った。

その光は、翔助の体を中心にして放たれている。

そして、そのまま翔助の体を光が包んでいく。


………………


翔助は、目の前が真っ白になった。

それは、もう自分は死ぬんだなと思わせた。

だが、薄れ行く意識の中、頭の中に音が響く。

(名塚翔助…、だな…)

誰かの声だ。

ついには、幻聴まで聞こえるまでに来たかと、翔助は思った。

やけくそ気味に、翔助は薄れ行く意識の中で声を出す。

「誰の声だ…。まさか、M7○星雲から来た超人とか言うんじゃないよな…」

どこかで見たような状況に、翔助はそう言う。

すると、また誰かの声が聞こえる。

(そうだ)

「嘘!!」

(ごめん、今の嘘)

「ふざけんな!!!俺は、もうすぐ死ぬって言うのに」

(いや、死なせはしない)

「なっ!!」

誰かの天声は、死なせはしないと言った。

(私は、解雇星の子会社にリストラされて、地球へ銀行強盗しに行ったヤスギュー星人を追って地球に来た『宇宙の平和を考える友の会』の会員のマッスル星人だ)

「カッコ悪い上に、ウル○ラマンのパクリじゃねぇか!!」

(まぁ、話はよく聞け。ヤスギュー星人を追って、地球の来たのは良かったが…。私は、自分のエネルギー源であるプロテインを、地球に持ってくるのを忘れてしまったのだ。だから、プロテインなしでエネルギー消費の激しい地球で活動するのは不可能というわけ。ちなみに、地球のプロテインは口に合わないので飲まない。だが、私は、地球人の体に取り憑くことが出来る。だから、取り憑いた人間からエネルギーを取り、プロテインなしでも地球上で生きていける)

「自分の生死を、口に合う合わないで左右するのか…」

ちなみに、翔助は、自分が死にそうなのを忘れている。

(ちょうど、プロテインを忘れたのに気づいて困ってた時、君が事故ったんで、君の体を乗っ取ることにした)

いきなり、突拍子のないことを言い出した。

「えぇーーー!!!!」

さすが、翔助は驚く。

(まぁ、さすがに乗っ取るのは『宇宙の平和を考える友の会』としてはマズイので、君の意識は支配しないし、君に僕の力を貸すから、君の体に取り憑かせてくれ)

律儀に、マッスル星人は言う。

「そうすれば、死なないんだな俺は…」

(もちろんだ)

「なら、よし」

そう言うと、急に薄れ行く意識が戻っていく感覚を得た。

すると、目の前の白い光が消えて行き、太陽の光が目に差し込む。

(金銭関係など以外で本気で困った時、死にそうな時になったら、心の底で私を呼んでくれ。もう私は、君の一部だ。ただ、ヒーロー物のお約束で、他の人に正体をバレない様にしてくれ。このことは、誰にも話すなよ)

その言葉を、最後にもう天声は聞こえなくなった。


………………


「いでぇ!!!」

翔助は目を開けた。

同時に、激痛が体に走った。

だが、血はどこからも流れてはいない。

ただ、痛いだけ。

そして、周囲を見渡すと、バラバラに砕けた自分のバイクが。

「あれっ…」

壁を見ると、すざましい激突跡が残っている。

加速したバイクで、思いっきり激突したのに、翔助は無傷。

人通りが少ない場所なので、誰も回りには居ない。

そして、さっき自分が意識を失いそうな時に聞こえた言葉を思い出す。

(君に僕の力を貸すから、君の体に取り憑かせてくれ)

(困ったとき、死にそうになったら、心の底で私を呼んでくれ)

あれは、夢じゃなかったのか…。

「あっ!!」

同時に、自分がすべきことを思い出した。

銀行強盗の宇宙人に、捕まっている子供を助けなければならないのだ。

そのことを思い出し、翔助は走り出す。

「あの子供を助けないと!!」

そして、彼は銀行まで駆ける。

助けてやらなきゃなんねぇ!!

その思い一心で、翔助は走る。

行っても駄目かもしれない。

だけど、なにもしないのが出来ない彼の血が全身に駆け巡る。

「ぜってぇ、助けてやるからな!!!」

その思いが、奇跡を起こした。

急に、彼の体が光り出す。

同時に、今まで感じた事ないパワーが彼の体に駆け巡る。

すると…。


カッ!!


大きな光が、全身から放たれた。

その光の力が、彼の肉体を異形の姿へと変身させた。

強靭な筋肉で作られた四肢とボディ。

その体は、漆黒の甲冑に包まれている。

そして、この世の生物は思えない凶暴に見える顔。

まさに、その姿こそ、翔助に取り憑いたマッスル星人が生み出した力。

翔助の鋼の精神に見合う肉体を持った、ニューヒーローの誕生だった。

この力なら、ヤスギュー星人に勝てる!!


………………


ピーポー、ピーポー


「…」

ニューヒーローとなった翔助は、銀行に着いた。

到着したのは、良かった。

だが、彼は唖然と口を開ける。

何故なら、ヤスギュー星人が手錠をかけられ、パトカーに乗っていたのだ。

どうやら、世界に誇る日本の警察は、ヤスギュー星人を逮捕に成功。

子供も無事だ。

その事件解決後の光景に、翔助は呆然と立ち尽くす。

ニューヒーローになれたが、来るのが明らかに遅かった。

「バイク壊してまで来た、俺の立場は…」

思わず、そう呟く。

すると、一人の警官が近づいてきた。

「君見かけない宇宙人だけど、誰だ?」

そう聞かれた。

「えーと…、ヤスギュー星人を倒しに来た者です…」

正直に答えた。

「そうかい。でも、遅かったねー」

「最近の警察は、凄いですね…」

警官が誇らしげにしてる様子が、何故か、気に触る翔助。

「君の名前は…?」

そう言われ…。

「(マッスル星人なんて、死んでもいえない…。さっき、ゼファー壊しちゃったし…)特攻戦士、ゼイファーマンです…」

即興で作った名前を言うことしか、今の彼には出来ない。

このあと、普通に変身を解除して、バイト先に戻った。


ちなみに説明が遅れたが、この作品での宇宙人は、地球人サイズだ。


………………

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