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ヒーロー戦記  作者: イチゴボール
エピローグ
7/15

初登校

「気を付けてね。」

「うん、いってきます。」

創人は玄関を開け、外へ出た。今日から学校が始まる。春休みは3週間ほどだったが、いざ始業式当日となると、とても短かったように感じる。新しい学校で、新しい学習、体験。そんな高校生活に期待を膨らませながら、今日創人は登校した。



1時間目は始業式。特に何も変わりのないものだった。担任の説明、校長挨拶、来賓の方の式辞。大体30分もしないくらいだろう。式が終わると、教室に案内された。




「これから、このクラスの担任をする糸田操児だ。よろしく。」

広い教室に先生を合わせて8人。今年から生徒の受付枠が増えたため、今回の合格者は7人だ。

「早速だが、ジャージに着替えてグラウンドに集合してくれ。その後の動きは向こうで話す。女子は隣、男子はここで着替えてくれ。解散。」

そう言うと、糸田先生は教室を出て行った。

「自己紹介的なのはないのかな…」

灰色の髪の青年が言った。だが、誰も知るわけもなく、ただ着替えることしかできない。灰色の髪の青年は周りとコミュニケーションを取ろうとしたが、彼の元気のいい挨拶は綺麗にスルーされた。その後も何度か話しかけていたが、人見知りが多いいのか、全然会話が成立しない。

(後で話しかけてみようかな。)

そんなことを思いながら、ジャージに着替え終わった創人は教室を出た。




「よし、全員揃ったな。」

糸田先生は言った。7名、確認がとても早く終わる。糸田先生は生徒全員を見ると、ゆっくり話し始めた。

「これから、軽い手合わせをしてもらう。」

「?」

7名全員に疑問が浮かんだ。

(何故?)

そんな生徒の疑問を、灰色の髪の青年が先生にぶつけた。

「何故手合わせをするのでしょうか。」

「…まぁ、当然の質問か。簡単に言えば、お前たちはこれからヒーローを目指して行くのだが、ヒーロー活動の中で大きな役割を果たしてくるのが連携だ。連携を取らないと、ほとんどの場合単独では解決できない局面にぶつかる。そのようなことを防ぐために、今のうちからお互いの異能について知り、連携をとりやすくするために、手合わせをしてもらう。」

「なるほど。よく分かりました。」

「他に質問はないな。じゃあ、始めるぞ。」


「今回の手合わせは一対一で行う。ではまず初めに、弍替創人、死子山ししやま燈羅とうら。前へ。」

死子山燈羅と呼ばれた青年は、灰色の髪の青年だった。

「よろしくね、創人くん。」

「よろしく。」



《弍替創人》【異能_製造】

自身がイメージしたものを何かを対価にし、再現させることができる。

《死子山燈羅》【異能_氷(?)】

今公開されている情報の中では氷の異能。



「準備はいいな。ルールは相手が負けを認めるか、行動不能にする。この二つのみで勝敗を決める。基本はなんでもありだが、生死に関わるようなことはするな。以上だ。はじめ!」

糸田先生の合図と同時に二人は同時に動き出した。春休みの間、自宅で練習していたおかげで、入試の時よりだいぶ早く鉄パイプを生成できるようになった。その過程で、ハンマーを作ることも可能になったが、今回は相手がどんな異能を使うか分からないので、一旦鉄パイプにした。

創人は近距離でしか戦えないため距離を詰めようとした。が、相手は全く距離を詰めさせてくれなかった。

相手との距離は5mほど。右手に持った鉄パイプで殴りかかる。が、燈羅の足元から氷の壁が生成され、攻撃が防がれた。

「え…」

瞬く間に追撃が来た。再度氷の壁の攻撃だったが、1回目とは少し違っていた。2回目の氷の壁は、創人を包む様に生成されていた。

「創人、動けるか?」

糸田先生は聞いてきた。

「無理です。」

「創人行動不能により、勝者、燈羅。」

次回「重力増加」

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