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ヒーロー戦記  作者: イチゴボール
エピローグ
4/15

作戦開始

創人はイメージした。糸と糸が結び合い布ができていく様を。虹色の光に包まれ、少しづつイメージが実態を成していく。初めに出てきたのは小さな布切れだったが、少しずつ大きさを増していく。時間は秒で表すと50秒くらいだろうか。

「これが生成の異能…」

青年は呟いた。

「うん。もうすぐできる。」

生成が終わると同時に佐々木さんが飛んできた。いや、飛ばされてきたと言うべきか。

「佐々木さん!」

「大丈夫。それよりもアレは?」

アレとは、今創人が作った布のことだろう。

「完璧です。」

「よし。あとは…」

今囲まれている状況から抜け出さなければならない。ヴィランは速度はとても遅い。赤子がハイハイするぐらいの速度だ。だが、確実に迫ってきている。

「……こうなったらやるしかないか。」

そう言うと、佐々木さんは僕と青年に触れた。すると、僕たちの体は少し浮き上がった。そして佐々木さんは自身にも手を当てた。3人とも浮遊した状態だ。佐々木さんは膝を曲げ、伸ばすと同時に強く地面を蹴った。佐々木さんは僕たちの服の襟元を掴み、蹴った勢いでそのまま浮上した。ヴィランの手がギリギリ届かない距離。銃を撃とうとするものもいたが、間に合わない。僕たちはゆっくり降下し、地面に着地した。敵から逃げ切れたわけではない。でも良い。ヴィランに囲まれていなければ。

「創人くん、布を!」

僕は佐々木さんに布を渡した。そして布を軽くし、それを上空に投げた。

数メートル上まで上がった布は綺麗に広がり、佐々木さんの異能の効果を失い落下する。布はただの布だが、佐々木さんの異能の反動で重さが倍以上になっている。ヴィラン達に覆い被さった布はヴィランの動きを封じてくれた。

「よし、急ごう。」

僕たちはゴールを諦めスタート地点に戻ることにした。


「あ、アレは…実弾…」

30手前ほどの男と試験官は会話をしていた。

「んなわけあるか!アレは部分的な麻酔と着色料だ。本人への被害は何もない。」

「良かった〜。ついに血迷ったかと。」

「はぁ…。」

男はモニターを見た。そこには創人達3人の姿があった。

「彼ら、中々ですね。いいヒーローになれそうだ。」

「お前もそう思うか。まぁ、俺も創人には才能があるとは思う。が、俺はあいつを応援したいかな。」

試験管の視線の先には、創人達が助けた青年がいた。

「なるほど。彼ですか。彼の異能、なんか広い可能性を秘めてそうですからね。」

「ああ。」




「!!」

ヴィランに覆い被せていた布の重さが元に戻った。ヴィラン達はこちらに向かおうとしてきたが、こちらとの距離はかなりあるため大丈夫だろうと思っていた。

バタンッ。

佐々木さんが倒れた。誰にも攻撃は受けていない。だが、確実に何かしらの影響を受けている様に見えた。

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