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禁断のメニュー

作者: 瀬川 秀子

かつて某社に勤めていましたころのことでございます。


その日、社食でお昼を食べようと思い、正面の工場の食堂へ。なんとなく日変わりおかずを見ていましたところ、小鉢のおかずに五目玉子焼きがございました。

無難なメニューです故、何とはなしに手に取ったのであります。

見た目はごくごく普通の小葱やニンジンの入った五目玉子焼きだったのですが、一口食べてみるとなんともいえず…まずい…。いえ、まずいを通り越して、気持ちが悪くなるほどの味…。

半分食べたところでもったいない、食べ物を残すなんて…と思いましたのですがギブアップいたしました…。


昼休みが終了して、気分がすぐれず、悪心を抱えたままオフィスへと帰りました。ふと見ますと。青ざめた顔の同僚社員が十数人座り込んでいるのです…。


「…もしかして、社食であの玉子焼きを食べたの?」


青ざめた同僚たち数人に声をかけると例外なく弱々しく頭を縦に振り…。


「うん…お願い、卵って言うのやめて…気分悪い」


その後一週間近く、あのメニューを食べてしまった人々は卵と聞くと青ざめるという、恐ろしい後遺症に悩まされ、かくして魔の五目玉子焼きは社内で伝説となったのであります。


どんな味だったのかですって?


あまりのまずさに以降「卵と聞くと具合が悪くなる」という危険を感じたらしく、私の脳はその味を表層意識には一切出さないように完全に封印してしまったようなのです。

今これを書いていて、かすかな不快感が…蘇り…


…ええ。全く覚えておりません…

実体験を若干風味付けしてはありますが、事実通りのエッセイとして書き上げたものです。

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