2話 アウトサイド
焼け焦げたスポーツカーに跨りアイリスが煙草をふかしている。アイリスは、横目でピアを捉えた、少しため息をついて煙草の火を消した。
ピアおかえりなさい、暗い顔しちゃって何か酷いものでも見たのかしら。
そう言って優しくピアの黒い髪を撫でてから少しかがんで顎を親指と人差し指でグイっと引き寄せ熱いキスをした。ピアは、豊満な胸が自分の貧相な胸に当たっているのを感じながら顔を赤らめてされるがまま唇と口内を明け渡していた。少ししてからアイリスは、ピアの口から透き通る唾液を少し垂らしながら舌を引き抜いた。ピアは、呆然と立ち尽くした。
そんなことは、お構いなしにアイリスはこう言った。
ピアごめんだけど、この子見てくれない?
ピアは、回らない頭でこう答えた。
承知、、、しました、、。
すると、廃車になったスポーツカーから褐色の肌の少年がうつろな目でよろよろとでできた。ピアは、死体の光景を思い出して吐きそうになって口を抑えた。う、、と唸りながら少年の目を見た。
アイリス、、失礼いたしました。この子持っている側ということですね。
そうかもしれないとしか言えないわ、だからピア貴方に見て欲しいの。
ピアは、少し息を吸って目を閉じた、そしてゆっくりと目を開いた。その目はペリドットのように黄緑色の淡い光を放っていた。そしてピアは、スッと立ち上がりアイリスに言った。
アイリス流石です、この子には核があります。つまり私と貴方と同じです。
アイリスは、ニヤリと笑いながら少年の背中を叩いて耳元で囁いた。
良かったな少年、10分もすればヘリが来る。死にたくないならそれに乗れ。
少年は、恐怖に震えながらうんうんと首を振った。そんな少年を横目にピアの肩を掴み言った。
行くよ、私達は次の指令を待つ。
ピアは、はじかれた様にこう言った。
置いていくのですか?ヘリが来るまで待つべきだと思います。
アイリスは、あきれ顔で歩き出した。ピアも焦りながらアイリスに駆け寄る。アイリスは、歩きながらピアに説いた。
あの少年をもう守る義理は、もうない。何故ならサブミッションは、能力持ちを見つけることだ保護ではない。
ピアは、ここまで聞いてアイリスの手を握って言った。
じゃ、何故私を本部へ引き渡さずそのまま連れ出したのですか。
アイリスは、足を止めて少し笑みを浮かべながらピアの頬を指でなぞりながら言った。
理由なんてないわ、ただ貴方が可愛くて私の物にしただけよ。それに私は、正義のヒーローじゃないわピアが思っている何倍もアウトサイド側よ。
ピアは、黙り込んでゆっくり止めていた足を動かし始めた。そしてアイリスの方を向いて話した。
私は、アイリスに助けられたからこれからも隣を歩かせてもらいます。
アイリスは、少し興奮しながらピアの手を引いて小走りに歩き出した。
ピア!車に戻ったら覚悟なさい。今夜は、寝かせないわ。