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20 エピローグ その1
実朝の死に際して、朝時は鎌倉にいませんでした。
実朝の右大臣就任にあたり、実朝は朝時に三所詣の代参を命じ、朝時は十日ほど前に鎌倉を出立していました。途中で実朝の死を聞き、鎌倉に戻った時には、犯人とされる公暁も討たれていました。
誰もが口を閉ざし、朝時には何も分からない状況でした。
朝時は、実朝から、代参の折に伊豆で時政の墓や修善寺に参るようになどの命じられました。
かなりの日数鎌倉を不在にする日程であり、実朝が、自分をその時に鎌倉から追いやったのではないか、
実朝は何かを知っていてのではないかと思うようになりました。
京から皇子を跡継ぎに迎えてもいない時期に父:義時が実朝を殺すとも思えず。
かといって、三浦義村が公暁を将軍にするために実朝を殺し、その公暁を裏切るのも信じられない。
分かるのは、実朝が自分を守るために鎌倉から出したこと。それだけでした。
朝時は、実朝の遺志をついで、京から来るはずの将軍を守って生きていこうと思います。
第二部のラストの案2として、
実朝の死後、京から来た幼い藤原頼経(まだ三寅)の輿が鎌倉に着き、将軍家を守る「名越」が迎えるシーンを考えていました。
幼い三寅の前に、朝時がかしずいて、実朝との約束のため、自分はこの幼い将軍を守りぬきますと、
実朝に語りかけるシーンを考えていました。




