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12 桂

泰時は桂と別居し、幕府の近くに仮住まいしていましたが、朝時の名越邸に間借りするようになっていました。茜との再婚話がでたので、佐介邸では暮らすのがはばかられたためです。


桂が安達に残してきた娘:菊子が遠国の御家人に嫁ぐ事が決まりました。桂は侍女:田鶴の伝手で、寺参りの形で、菊子の姿を遠目から見ることができました。

桂は出家して先夫の菩提を弔いたいと思うようになります。

離縁を持ち出してきた伯父義村に、出家させてくれるなら離縁すると答えました。

義村は、桂が離縁してすぐに出家すると、秀行(桂の先夫)の自害を安達が蒸し返してくるので、桂は形だけ(三浦の一族と)再婚し、その後に、出家できるように手配すると申し出ました。


桂は、義村はこの期に及んでもまだ三浦の家の事しか考えないと絶望し、もう自害しようと決意しました。時間をかせぐため、菊子が嫁ぐまでは、離縁はしないと言いだします。

菊子の婚礼前に母の自分が離縁するのは、縁起悪いので、待ってほしいと。菊子が出立するまでは、鎌倉に残りたいと。

義村もそれには反対はできず。当面、桂は今まで通り泰時邸に残る事になりました。

義村は桂に、再婚相手は、桂の侍女:田鶴の弟:達秀(三浦の一族で、桂の先夫:秀行に仕え、安達家人の娘と結婚しましたが、妻子は若菜と同じ頃病死し、達秀妻子の弔いで不在の時に秀行は自害しました。安達家からは、達秀には恨みはないが、秀行が死んだ原因の三浦の一族を置いておくわけにはいかないと暇を出され、三浦胤義に仕えていました。達秀も、義村には恨みをいだいていました。


桂は、自分は暫く寺に籠るのでその間、田鶴に先夫からもらって櫛と手紙を預け、菊子に渡すように命じます。桂は達秀も義村を恨んでいる事を分かっていたので、二人で義村への復讐を計画します。


泰時はもともと桂個人には含むところはないので、桂の好きなようにすればよいとおもっていました。

ただ邸には良い思い出がないので、茜と暮らすために時房邸に近い邸を新たに建てる手配をしていました。

桂が邸を出て三浦に移った後、泰時は邸に残した書物を取りに行くことにしていました。

同じころ、朝時のもとに三浦から桂が行方不明になったと知らせがあり、朝時は念のため泰時邸に向かいいました。

丁度二人は、邸の所で出会い、一緒に邸に入りました。一歩邸に入ると、朝時は血の匂いに気づき、泰時に邸の外で待つように言いました。朝時は刀を抜いて邸を探ります。

朝時が血まみれの桂を見つけました。すでに息絶えていました。自害しようとして死にきれず、誰かが止めをさした様子でした。

外から、泰時の声が聞こえて朝時が出ると、顔を隠した男が泰時に斬りかかっていました。

泰時は、防ぎきれず腕に傷を負い、倒れています。

相手は朝時が出て来たのを見て逃げました。朝時は、泰時の傷が浅いのを確かめてから、相手を追いました。

朝時は相手を追い詰め、傷を負わせ、覆面をとります。相手は達秀で(朝時は三浦で育ったので顔見知り)、朝時が驚いているスキをみて、達秀は逃げました。

朝時は、元々の事情をしっているので、おそらく桂が泰時(と三浦)への恨みで自害を図り、死にきれずに達秀が止めを刺した。

達秀が泰時を殺すつもりがあったかは不明だが、桂と秀行の恨みを晴らすために泰時に斬りかかったことは理解しました。


後日談:

桂の侍女:田鶴は、菊子に仕えることになり

達秀は行方をくらまし、三浦胤義をたより、後の承久の乱では京方につきます


安達家は、桂の亡骸を先夫の墓の隣に葬ります。

安達家は泰時には恨みはない事を表明し、北条家に近づいていきます。








鎌倉というか武士の世界は、妻の実家というのは、(場合によると)自分の兄弟より頼るもので(兄弟はライバルでもあるから)、和田の乱の時、和田に味方したのは、義盛の妻の実家:横山党でした(ちなみに嫡男の妻も横山の出)


正室の座は大変に強いものでした。ただ、それは、実家と婚家がうまくいっている場合で

義時が起請文書いて離縁しないと約束した姫の前(史実の朝時の母)も比企氏滅亡後(もっとも彼女が出て行ったかも)あっさり京の貴族と再婚しています。


鎌倉時代は女性にも相続権があって、女の御家人もいたはずなんだけど、やはり、武士は男社会なので、家の都合で、離縁・再婚が決まるようです。



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