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大物ゲット!

第二章


爺! 起きろ!

文豪さん起きてください。


文豪は夢を見なかった。


もう朝か?

早く!

出かけますよ。


病人を労われ!

なに爺くさいこと言ってるの。行くよ文豪。

蓮は今日も元気一杯。


昨日は文豪の体調も考え島で一泊。予定外ではあるものの目的地も定まっていないため情報収集に専念。


よし、出発だ!


文豪は何も知らされていないが着いていく。


どこへ?

夜にね宿の女将さんが詳しく教えてくれたの。


連の説明では半分しか理解できなかったがサウスエンドからは船以外は航路と陸路になるそうだ。


航路は個人所有のジェット一機。食料運搬用一機。緊急用のヘリ一機。

計三基。


ではジェットで一気にでよかろう。

文豪君、甘いよ。ジェット機はレンタルがバカ高いうえに今は貸し出し中。


顧問本当ですか?

ホセが残念そうに問う。


ああ、いつ帰ってくるかわからない。待ってみるかい?

冗談じゃない! 食料の方ははどうじゃろう?


惜しい! 昨日飛びだってしまったよ。次は一週間後だそうだ。待つかい?


顧問! 何とかならないんですか?

私に言われても…… ホセ君の気持ちもわかるが……


今は緊急事態じゃ! ヘリを頼もう!

文豪ったら無茶言うわね。

そうですよ。ここは大人しく陸路で行きましょう。


陸路? 儂は運転できないわ。

何言ってるの。トレインがあるでしょう。

トレイン? おおそれは便利な乗り物。


いい? この島から三十分の所に陸があるの。

そこにはトレインが走っている。私たちは今、そこに向かっているところ。


再びの海。文豪は耐えられるか?


一時間に一本の船に飛び乗り目の前の本土へ。


おえー気持ちワルー。

文豪、大丈夫?

何心配ない。釣りでもして気を紛らわすか。


お客さん、気を付けて。風が強いよ。

なーに、気分転換じゃ。釣り糸を垂らすだけじゃ。

そうですかお客さん。ここは大物が良く釣れますから慎重に。


船の後方でトローリングを始める。


文豪! 大物お願い!

うむ!


文豪は釣りに熱中。


早速タイの仲間が釣れる。子供なのでリリース。


十分が経ち小魚がいっぱい集まっているポイントに差し掛かった。


チャンス!


代わりましょうか? 文豪さん。

おお今いいところじゃサンチャゴよ。

自分はホセです。


ほっほほ そうじゃったかのう。

文豪はノッテきた。


ヒット!


これはデカイ! 重い! 手が!手が!

大丈夫っすか。文豪さん?


サンチャゴ。これはビッグサイズだ!

じぶんはホセ。ホセです。


サンチャゴよ。儂の体をロープできつく縛ってくれ。

ヤバイですよ。自分にはできません。


なぜか嫌がるホセ。

仕方ない他の者に頼むか。


蓮! ロープを巻いてくれ!

もう、嫌!


蓮は恥ずかしそうに顧問の方へ去っていく。


早く! 

誰でもいいから!


サマーマンがロープで縛ってやる。


助かった! 余った箇所を杭にひっかけてくれ!


サマーマンは言われた通りに無言でテキパキと。


ようやく体制が整った。


水面から魚影が見えだした。


十分の格闘の末相手が戦意を喪失した。


どうやら巨大カジキとはいかないでもそれでも立派な大きさである。


まだ文豪?

置いていきますよ。急いでください。


船が着き五分以上が経った。


もう少しじゃ。

さっきから何回目?


お客さん降りてもらわないと困ります。次がつっかえています。

済まぬ済まぬ。後五分じゃ。


分かりました。あと十分で出ます。それまでに引き上げてください。

済まんのう。よしもうひと踏ん張り。


文豪さん頑張ってください。


おいホセ君。甘やかしちゃいかんよ。彼が勘違いするだろ。

顧問。考えてみてください。もうゲインが残り少ない。少しでもゲインになればと思いまして。

そうか。それは正しい判断だ。よし文豪君。頑張ってくれたまえ。


カジキと格闘すること三十分。完全に勢いを止めリールを巻く。


一分もしないで獲物が釣りあがった。


よしゲット!


漁師の巨大な網を借り船に引きずりあげる。


文豪一人の力でカジキを釣り上げた。


デカイ!

おお!


漁師仲間や村の子供たちが集まってきた。


凄いね! ご苦労さん。


待たせていた船は去って行く。


急いで市場へ。


五千ゲインの買値がついた。


毎度!


ところでお客さん。旅の人かい?

うむ、トレインが走っていると聞いたが。


ええ、でもラクダがないとたどり着けませんよ。

どういう事じゃ?


ここから北に十キロ。砂漠が見えてきます。

砂漠ってまさか嫌よ。

お嬢さん。砂漠を抜けないとサウスエンド駅もトレインもありません。


主人。詳しく。私は顧問って言います。


ああ、あんたらトレインに乗ってセンターポールに行きたいんだろう?

ええ。とりあえず。


だったら急ぎな。一日に一本しかないよ。あと二時間で出発だ。

ありがとうございます。


ラクダは基本一人だが二人用もある。店を紹介しようか。

おいくらでしょうか?


五頭なら一万ゲイン。

三頭なら五千ゲイン。


どうする皆?

一万ゲインもありませんよ。


そうだな三頭でよかろう。


主人三頭お願いします。

よし分かったすぐに用意してやるよ。ここで待ってな!


気前のいいご主人。中間マージンとキックバックを得たに違いない。


十五分後、息を切らしラクダを三頭連れて戻って来た。


礼を言い、北へ。


遠くから主人の野太い声が。


どうやらラクダの扱いに気を付けろということらしい。

大人しく見えても気性が荒い。酷使するなと注意。


先頭がホセ。

次にサマーマンと顧問。

最後に文豪と蓮のペア。


穏やかな旅路が一転。


不吉な雲が太陽を隠す。


                         続く



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