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第84話 攻勢

第三次5カ年計画も無事に終了し、とうとうレイ王国の勇者が政戦により誅殺されたという情報が入ったのでレイ王国へ宣戦布告。上陸作戦を複数箇所で敢行し、同時に仕掛けた全ての上陸作戦が成功する。敵国の防衛戦力が少なすぎるわ。海岸線に誰もおらん。


さっさと勇者を召喚して貰うためにも、レイ王国の中都市に魔素爆弾の投下を行う。電話の代替となる魔導具も完成したので、情報はリアルタイムで更新されていくけど、2時間で8つの都市が粉砕されるってやっぱ魔素爆弾強いわ。何百万人という数の人間が一瞬で死んだぞ。


あとどうせだし、レイ王国相手には魔王を名乗る。魔王パルマー爆誕。15年も待ったんだ。今回の侵攻で負のカルマ値が限界突破してそうな奴を討伐するための勇者が、どのような存在になるのか俺も気になるし、それをピエールの贄とするために今まで頑張っていたんだから中途半端な存在は召喚されて欲しくない。


レイ王国の海岸沿いの村から次々と占領していき、物は略奪して、人は奴隷として持ち帰る。真面目に働く奴隷が多かったから、解放される奴隷も多くなってきて奴隷不足が深刻になっている。まあ解放奴隷が真面目に働くから労働力的にそれほど問題にもなってないけど、居た方が重労働が必要な時とか便利。


王都まで1日で接近したら、あとは王都周辺の村や都市をゆっくり占領していく。はよ勇者召喚しろやと待っていたら、6日後になってようやくシステム音が頭に響く。6日もあれば、真面目に侵攻してたらレイ王国の全土占領も行けたか。随分と動きが遅い国だな。


『警告。勇者が召喚されました。標的はあなたです。

この警告は勇者召喚時に、勇者召喚の標的と負のカルマ値が最大の生物に送られます』


なお2回目の警告だったからか、性悪女神からの補足説明はなかった。まあまた虐殺したし、対応に追われているんだろう。神の世界も結局は大元のシステムに従って生きているそうだし、階級社会っぽいし、大変そうだ。そりゃストレス解消のために、どこにでもいる普通の一般人を文明度の低い異世界に送り込んで、四苦八苦する姿を眺める奴も出て来るわ。


……勇者として召喚されるのは元日本人だったりしないかなと期待もしたけど、身長230センチぐらいの巨漢が召喚されたと聞いて元日本人はないなと思った。身長230センチの日本人は、流石に前世で見たことがない。予想通り膨大な魔力を保有しているらしく、すぐに戦場に出てうちの兵達を薙ぎ払っている。


そんな勇者を水晶の魔導具で位置確認しながら眺める俺は、若干前の世界のRPGのラスボスの気持ちが分かって来たよ。無事に勇者とピエールがパーティーを組んだし、あとは予定通り、勇者の魔力を利用してピエールが俺を殺すだけだ。


最大魔力量だけがネックなピエールに、優秀な魔力タンクがいれば俺を殺すことも出来るはず。あとなんか他にもパーティーメンバーが出来ているけど、そいつらは俺と会敵した瞬間に俺が蒸発させるから何の問題もないな。


ピエールと勇者が信頼関係を築けるように、様々な軍隊を差し向ける。ぶっちゃけ小銃や大砲で連射しまくれば一発ぐらいガードを貫通して殺せそうだけど、それはうちの跡取り息子も巻き込まれて死ぬからNG。


しばらく観察を続けると、勇者は優しいからかディール帝国の軍人を殺さないことが確認出来た。というか魔王に洗脳されているとか思っているなこれ。差し向けている軍人は全員パルパル教徒だし、実在する女神じゃなくて支配者である魔王を崇める宗教の時点で異世界人視点おかしい。


設定上は謙虚なクヌート教徒のピエールは、パルパル教のことを信じられない邪教だと怒る。幼いころからの演技指導が生きた結果がこれですよ。何かの間違いで日本人が召喚されていたら不味かったかもしれないけど、そもそも日本人に飛びぬけた善人なんていない。カルマ値プラス7000恒河沙とか日本に生きている限り不可能じゃないかな。


帆船で海を渡る勇者を、遠巻きに戦艦で囲んで護送する。勇者は大きな海の動物だと勘違いしているようなので、視力はそれほどでもないな。……ここで砲撃により帆船を沈めることは簡単だし、それにより勇者が死ぬ可能性は結構あるけど、うちの跡取り息子も巻き込まれて死ぬからNG(2回目)。


別に身体能力が飛びぬけてヤバイというわけでもないようだし、負のカルマ値がそのまま魔力量に変換されただけか。あとは幾つか有用な特性を得ているようだけど、チートっぽさはない。底なしの魔力の時点でめっちゃ強いのは確定しているけど、期待値よりかは低いな。


……こいつを殺してしまったら、あと10年は待たないといけないのも辛いな。無事にこちらの大陸に辿り着いた勇者は、こちらの大陸の最南端にある荒廃した教会領を見て憤怒している。まあ教皇領だけは、戦争の凄惨さを後世に残す目的で終戦時から保存しているからな。


教皇が住んでいた教会の周辺は瓦礫の山のままだし、教会だけは半壊を維持させているけど、完全にゴーストタウン。出来れば街の方には寄らず、一直線で城まで来て欲しいな。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 今話もありがとうございます! [気になる点] >神の世界も結局は大元のシステムに従って生きているそうだし、階級社会っぽいし、大変そうだ。そりゃストレス解消のために、どこにでもいる普通の一般…
[一言] 壮大な自殺。 はたしてうまくいくのか
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