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第80話 報復

リンデさんとの結婚式の翌日。マシア王国に対して現在ディール帝国の保有する全ての魔素爆弾の投下を指示。小型ばかり使用して、使い道の無かった大型の魔素爆弾が2個と、中型の魔素爆弾が14個。後の統治のことなどは気にせず、全てぶっ放す。結婚祝いに爆弾を寄越す国相手だ。良心はもう欠片も痛まない。


なお敵にも航空戦力があるため、この魔素爆弾の投下を邪魔される可能性がある。そのため、魔素爆弾を持つ奴隷が乗るワイバーンを、他の小銃持ちワイバーン兵で囲むという戦術を採用する。俗に言う編隊飛行だけど、この世界ではまだ概念すらない。敵に空戦のドクトリンなんて存在しないだろうし、魔素爆弾を投下さえしてしまえば敵に空戦ドクトリンを考える暇はない。


マシア王国に対しては、宣戦布告をせずにマシア公爵領に対して大型魔素爆弾を2つ投下。向こうも宣戦布告せずに王都へ2発の爆弾を落としているし、こちらも同じことをして良いよね?


エストアニ王国へ使った時よりも純度が高く、より大きな爆発を起こしたようで、投下したワイバーン兵達は負傷していた。これ以上は飛べないという限界の高度から落としたようなので、これ以上の威力増加は難しいな。そもそもこれ以上威力を上げても逆に使い様がなくなっていく。味方にまで被害が及ぶのは流石に必要ないし、持て余すわ。


その後は魔素爆弾の誕生によって、使われなくなった普通の爆弾を利用した絨毯爆撃を行い、榴弾を大砲で撃ち込み、完全にクレーターだらけの更地にしてしまう。もはや敵国からの降伏が届く前に、敵国が滅びる状態。教皇はあまりの惨劇にビビったのか文句すら言ってこなかった。言ったら魔素爆弾が飛んでくるから仕方ない。


国としての機能を完全に停止したマシア王国は、各地でディール帝国に服従するための運動が活発化するものの、マシア王国にそれを封じる力はなく、あっという間に瓦解していく。えげつない兵器だなこれ。もう文句を言って来る奴が全員死んでそうなので、マシア公爵領以外の公爵領へ元奴隷の伯爵や男爵達を送り込んでディール帝国化を推し進める。


するとやっぱり宗教問題が起きてクヌート教信者が蜂起するのでパルパル教信者に殺させた。クヌート教信者がパルパル教信者を殺すのは大罪だが、パルパル教信者がクヌート教信者を殺しても金が貰える状態なので必然的にクヌート教は淘汰されていく。そういう法を作ったし、淘汰は加速した。


酷い法だとは思うけど、民族浄化なんて地球でもよくあったことなので気にしない。宗教問題を解決する方法なんて、現実的には1つしかない。それは敵方の宗教の信者を文字通り根絶することで、片方が消滅しないと宗教問題は解決に至らないのだ。


そしてそれをこの世界は、まだやってしまっても良い時代。失われた文化やら芸術やらその他は、後の時代の人間が勝手に嘆いて罪だと叫んでいれば良い。どうせ時代を超えて法の刃が俺に届くことはないし、現時点では俺が法だ。後世で愚王と言われようが、大陸の統一と宗教の統一は推し進めてこの国を強固な国にしていく。


……この大陸を統一するまでは、この調子で他国を文字通り粉砕して国を大きくするだけの作業だな。それ以降は、海軍の創設と内政への注力をして、10年ぐらい時間を稼ごう。現時点で他の大陸の国々も十分陥落させられるだけの軍事力はあるだろうけど、敵がいなくなると途端に苦しくなるのが軍事国家の辛いところ。


大陸を統一したら鉄道ぐらいは走らせたいし、全都市に上下水道の配備はしたい。両方とも魔法があるから技術力が無くてもある程度は代替で何とかなる見通しだし、強制的に服従させられた国民も、生活の質が向上すればわだかまりは消えて行く。完全に消えることはないだろうけど、それで十分だ。


そして更地になったマシア公爵領では、計画的な都市づくりをしていく。大型の魔素爆弾2発のせいで、80万人を超す屍が発生した大地の上には、この世界で初めてとなる上下水道を完備した都市を作る予定だ。マシア公爵領には川が多いし、農業に適した土地も多い。だからこそ人口も多かったわけだけど、今は誰一人いない土地なので有効に活用していこう。


……一応、上水道っぽいのは今までもあったんだけど、ろ過、殺菌までして水を供給するのは世界初じゃないかなあ。いや他大陸でもしかしたら上下水道完備の都市があるかもしれないから、世界初じゃなくて大陸初にしておこう。これなら間違いない。


大陸を統一してしまえば、技術の流出の心配は少なくなるし、マシア王国が崩壊した以上、あとは消化試合感が凄い。既にマシア王国の東隣にあるアノン王国は何もしていないのに降伏を始めたので、残りはレナート帝国と、東の山岳を超えた先にあるデルイーズ帝国のみ。


両方とも降伏勧告を送って、断ったら首都を消すよと伝えるつもり。レナート帝国はたぶん降伏すると思うけど、情報が伝わり辛く、入り辛かったデルイーズ帝国は不明。領土の広さ的には全盛期のカルリング帝国を超すんだけど、人口が少ないようだから土地が痩せている可能性は高い。


……教皇領は、どうしようっかな。マシア王国の南にあり、公爵領3つ分ぐらいの広さはあるようだけど、ここも土地が痩せているという情報が入って来たのでどうせならひたすら嫌がらせでもしようか悩み中。ここを存続させることで、国内に残るクヌート教信者がここを目指して逃亡する期待も出来るし、滅ぼすのは最後にしよう。それまでは、大砲の射撃訓練の的にでもしておこうか。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 今話もありがとうございます! [気になる点] 前話のリンデさんとの会話シーンと考え合わせても、 パルマーのふるまいが原因となった死者数はもうヒトラーのレベルは超えたな。 人口比的な意味でも…
[一言] 最後にすると言ったな?アレは嘘だ ってやつかな?
[良い点] 気に入った、滅ぼすのは最後にしてやろう。
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