75.馬に事実を
なぁ馬。
それは名前と言って良いのか?
ノアは馬にそう聞いてみる。
馬はいつも7番と呼ばれるからそれが名前だと思っていた。
そしてノアから説明を受け馬は悲しそうにしていた。
ノアは馬から7番と聞いてそれは名前じゃ無いぞ?
もしかしてお前の隣には6番とか8番とか居るんじゃね?と聞いてみた。
馬はなんで知ってるの。
そう言ってとても驚いていた。
数字には1から始まって23456と続いてその次は7がくる。その次は8だ。
馬は7番目の部屋に居るから7番と呼ばれているらしかった。
馬相手に大人げ無いがしっかりと事実を伝えてやる事はノアの優しさでもあった。
そしてノアは昼飯を食べ終え馬に乗りそれはもうとぼとぼと先程までの勢いはすっかり失われた馬に乗りながらシム村に向かって進んでいく。
馬はノアが話し掛けても無視してパッカパッカと無心で走り続けた。
それには理由がある。
ノアは馬が名前と思っていたのが割り当てられた数字であり特別な意味は全く無かった事を馬に現実を叩きつけた。
それだけでは無い、昼飯を食べた後ノアは馬に乗り何かあるごとに7番7番と呼んでおちょくりすぎて馬は拗ねて耳をかさなくなったのだ。
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