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174.試食を試してみた


ここで売ってる干し肉はそのまま食べられるように出来ていて普通の干し肉のようにスープにしなくても食べられるとアピールする。


更に柔らかくて長持ちするし酒の肴にぴったりの味付けである事を話す。


そしてノアが良かったら試食してみるかと全員を店の前まで連れてきた。


ノアは皿に載っているウルフジャーキーを持ってこれがウルフジャーキーと言ってうちの商品ですよと見せてナイフを取り出して真ん中で切り更に重ねて真ん中で切り4つに切って4人に渡した。


そしてもう1つウルフジャーキーを取って4つに切り残りの2人に渡して食べてみてと勧める。


ノアはアメリに試食用に何個か4等分に切っておいて皿の上に入れておいてくれと指示すると3人はテーブルの上でノアに渡されたナイフで切っていく。


ウルフジャーキーを渡された主婦達は食べるか迷っていると1人が覚悟を決めて口に入れたのを残りのみんなが注目していた。


そしてもぐもぐと噛んでいくと程よく柔らかくて旨味が滲み出てくるウルフジャーキーにうっとりとして美味しいと声を上げた。


それを見て残りの皆さんも口に入れていきこれは、と声を上げる。


結果高評価だったようで激安では無いが高くも無いと初めに食べてくれた奥さんが2セット買ってくれて私お酒大好きなのよと言って旦那も酒飲みでこれは絶対に気に入ると嬉しそうにしていた。


そして1人がノアにこれはどれくらい保つのか聞いてきて1ヶ月は余裕で持つと答えた。


濡らしたりしなければ3ヶ月は持つだろうと計算していたのでそれを伝えると旦那が冒険者らしく旅をしている時に持たせてこんな美味しい物がすぐに食べられるなら食べさせてあげたいと取り敢えず今日食べさせると言って1セット買ってくれた。


そして奥さん達は帰っていったのでノアは店の中に居る3人にこう話しかけた。


試食させて6分の2が買っていってくれたぞ。


こうやって初めての人には取り敢えず食べさせて興味を持って貰わないと駄目やなと言ってノアも中に入った。


中ではアメリがトーヤとアベルにお金の事を教えていて2人の良い先生になっていた。


因みにトーヤとアベルには3人からもし奴隷商の時みたいに2人の色について言ってくるやつがいるかもしれないと言われて帽子を被らせて耳を隠してある。


そしてノアはふと気になりアメリにお金の事や計算はどうやって知ったのか聞いてみると物乞いをしていた時に店の人がやっているのを見て覚えたと言う。


それにアメリは教育を受けていない割に計算が早過ぎるとノアは思った。


ポーション瓶を買った時もお釣りは一瞬で答えが返ってきたしと不思議に思ってアメリに鑑定を掛けてみる。


アメリ 10歳 人族


スキル 奇才


とても珍しい優れた才能を持つ者でアメリの場合は頭の回転が異常に早く人の数十倍は考える能力に優れている。


えっ?アメリ天才やん。


ノアはアメリの鑑定結果に驚いたのはノアが今までスキル持ちを見た事があるのはSランク冒険者のガイル位であったのでとても珍しい物と認識していた。


実際にその通りでスキル持ちはかなり珍しくなかなか居ない存在で色々な事のトップクラスにいる者は大概スキルを持っている事が多い。


そして店の中や外の事を色々としていると何か足りないとノアは思い少し離れて見てみると何が売ってるのか分からないと思い屋根に大きな看板を置こうと決めた。


無限収納から天然樹を取り出して薄くカットして表面を綺麗にしてゼストに大きな文字で看板にウルフジャーキー!当店オリジナルの干し肉と書いて貰った所良い感じに仕上がったので屋根に乗せて固定した。


そしてそんな事をしていると客が来たようで商業ギルドの副ギルマスのスコフィルと冒険者ギルド副ギルマスのカミラが受付を2人連れて来てくれた。


ノアは屋根から降りて2人に話しかけるとその看板はあった方が良いですね。


更に言えば値段も大きく横に別の看板で書いておいた方がわかりやすいでしょうね、それなら値段を変えてもその看板を変えるだけで済みますしねとアドバイスしてくれた。


ノアは来てくれてありがとうと2人に言ってあの2人は仲よかったんやなと思いながらまた看板を作って屋根に登って行く。


カミラは店の前に来ると試食と言って皿に載っている小さな干し肉を食べていいと言われたので食べてみる。


ほぅ、これは中々良い商品ですね。


そして試食と言うシステムはかなり面白いと評価してくれた。


一緒に来た受付2人も美味しいと言っていたので高評価が得られたようだ。


カミラは3人の子供の中で1番大きいアメリに質問をしてみる事にした。


すみません、こちらの干し肉はどれくらい保存出来るのでしょうかと皿の上にあるウルフジャーキーを指差してアメリに聞いた。


アメリは普通に家で保存なら3ヶ月、冒険者に持たせる予定なら1ヶ月をみているよ。


しっかりと乾燥させてあるから長持ちする筈とカミラにしっかりと説明できた。


アメリは先程ノアが主婦達に説明していたのを聞いていて完璧に覚えていたのだ。


カミラは思っていたよりしっかりとした受け答えに合格ですと言った。


そして屋根の上にいるノアに素晴らしい受け答えでこれなら充分にやっていける筈だと太鼓判を押してくれた。


更にカミラは、ではこのウルフジャーキーを10セット頂きしょうか、値段は幾らでしょうかとアメリに聞くとすぐに小金貨1枚ですと答えた。

これにはカミラもビックリしてこの歳でこれだけ早く計算が出来るとは驚かされましたね、是非冒険者ギルドで働いて欲しい物ですねと笑っていた。


それを聞いてスコフィルも是非商業ギルドへ来て欲しいと話していた。


カミラはギルドの従業員に配る差し入れのついでに宣伝協力ですよとノアに言ってこれからもよろしくお願いしますと言った。


受付の2人も5セットずつ買って帰り夜に家で食べる分と知り合いに教えてあげると言って宣伝してくれるようだった。


3人は手持ちの手ぬぐいにウルフジャーキーを入れて持ち帰って言った。


ノアが持って帰る袋とかいるかなと昨日キッカに聞いた所みんな大体手ぬぐいを持っているからそれで包んで帰るよと教えてくれたのもあるがこれくらいなら手で持っても大丈夫と言う奴しか買いに来ないさと笑っていたので用意しなかったのだ。

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