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シーナ・イン・トレーニング その3

 

 巨体石像を倒し続けてから、すぐさまアサシン石像との交戦に入ったシーナ。


 素早いな… なら…


 シーナは刀を鞘に収めるとナイフ2本へと武器を変えた。


「来なよ」


 アサシン石像達は二手に分かれ一方がシーナに近づきもう一方が中距離からの後方攻撃を仕掛けてくる。


 素早い入れ替わり立ち替わりで的を絞らせず、さらに仲間を守るように後方部隊が攻撃を仕掛けてくるのでシーナでも少し苦戦するかと思われたが…


 素早いけど、槍持ちの石像よりも…


「脆い!」


 思わず口から言葉を出しながら、まずは1体目を倒す。


 おそらくは素早さ重視のせいで他の石像よりも少し軽く作られているから、さっきの奴らより強度的に低いに違いない…… ってそういえば前回戦った時にも気付いてたっけ…


 ただ単に忘れていたシーナであった。


 そんなことは気にせず弱点を再確認したシーナは相手の連携の隙をつき近接戦をしていた石像を倒すと中距離から攻撃していた石像達へと一気に近づき確実に1体1体倒す。


「さて、前哨戦(ウォーミングアップ)はこんなんで終わったから、こっからが本当の腕の見せどころだな…」


 呟きながら後ろを振り返ると次の石像達がゆっくりと近づいてきていた。


 お次は確か…


 空気を切る音と共に足元へ鉄球が飛ばされてきた。


「よっと!」


 シーナはジャンプして鉄球を避け、飛んできた方向を確認すると15体の石像が距離を詰めて進んできていた。シーナは再び呼吸を整えると軽く笑みを浮かべた。


 再び鉄球が飛ばされてくるがそれを軽く躱すと同時に斬撃を放つ。


 斬撃は1体に命中するもその石像は倒れることなく、逆にその攻撃に反応してか、15体の石像達が一気に迫りかかってきた。


 今シーナが戦っている石像達はそれぞれ拷問の際に使う道具などを持っている、そのことから拷問の石像と呼ばれている。


 しかし、シーナはあっさりと15体の石像を倒してしまう。


 あれ? なんか前回戦った時の方が強かった気がする…? そう思うと他の石像達ももう少し時間がかかった気がしたけど、それだけあたしの腕が上がったってことなら… だいぶいい感じじゃん…!


 確かにここまでは前回よりも速いタイムで石像達を倒していた。しかし、まだまだ他の石像達が残っている。


 左後ろから何かがシーナ目掛けて飛んでくる。シーナは瞬時に反応して刀を振るが躱されてしまう。


 今の動き方は鳥?


 さらに背後からの気配を感じ振り返った瞬間、目の前から牛がシーナ目掛けて突進してくる。


「なぁ!」


 シーナは紙一重で突進を回避する。そしてシーナを取り囲むようにして次なる石像達が近づいていた。


「ふー、次は獣人と獣の石像達かぁ…」


 シーナを中心として六方に6体の獣人型の石像とその1体ずつに4体の獣型石像がついていた。シーナを正面から時計回りに、牛・猫・鰐・隼・ジャッカル・蛇型の獣人型石像とその獣達を象った石像達、合計30体の石像がシーナを囲んでいる。


 そうそう前回はコイツらとの戦いで時間も体力もかなり使って最後苦労したっけ、でも今回は前回とは違う結果にしてやる。 これでも、コイツらの攻撃のあれは覚えてるから大丈…


 と考える暇もなく攻撃を仕掛けてくる獣人石像達。


 先制の攻撃を仕掛けてきたのは先程背後からシーナに襲い掛かった隼。一定の距離まで引きつけた瞬間に飛んできている隼に刃を向けようとするも横からジャッカルの石像達が飛びかかってきたので瞬時にそちらへの対応にあたった。


 ジャッカルの石像達は前後左右から飛びかかってくる上に他の獣人石像と獣石像の攻撃がないかと注意力を上げるシーナ。


「転斬!」


 攻撃に対して一旦距離を取るジャッカル達。


「はっ!」


 背後からの気配に気づき寸前のところで相手の攻撃を受け止める。後ろから攻撃してきたのはジャッカル型獣人の石像であった。ジャッカル獣人はもう一方の剣を振り下ろしてきたが、シーナは右足でジャッカル獣人の腹を蹴り込んだ。


 その体制を崩したところに渾身の一撃を繰り出すも横から出てきた牛骨槍に止められてしまう。


 視線をずらすといつの間か牛型獣人の石像がそこにおり、不意に後ろからの攻撃に気づき躱した。


 シーナは身を翻してから即座に身構える。


 正面から1体斜め後ろから2体の牛型石像が突進してくる。シーナはタイミングを見計らい上に跳び3体が互いにぶつかるようにした。


 しかし、3体の石像はぶつかったがぶつかった瞬間に身体が水へと変わり、そしてまた3体の牛型石像に戻った。


 その光景に気を取られてる間もなく次は鰐型の獣人が攻撃してきたかと思えば背後から猫型の獣人も参戦してきた。


 鰐獣人は右手に棍棒左手に盾を持っている。その盾はゴツゴツとしており、まるで鰐の皮のように見える。


 対して猫獣人は武器を持たずに体術で攻撃を仕掛けてくる。さらにちょこまかと猫石像達が動きまわっていて集中力をかき乱されるシーナ。


 さらには隼獣人の石像が頭上(うえ)から襲いかかる。どの石像も石で作られているとは思えない程の柔軟な動きをしてくる。猫獣人に至ってはかなりしなやかな動きをするので攻撃が当てにくい。例え攻撃が当たってもダメージが入った感触が余りにも少ない。


 石像達から距離を取ろうにも四方を囲まれている上にそれぞれ異なる能力を保有しているので対処が難しい。


 前回の戦いで能力を覚えてたものの、いざ実戦となるといちいち思い出していられない!


 激流の二角(スプラッド・ホーン)


 砂塵の咆哮(サンド・ブレス)


 左右からの攻撃を躱すシーナ。


 確か牛連中が水で蛇達は土属性の攻撃で…


 発火鳥(バーン・バード)


 頭上(うえ)からの攻撃に反応が遅れ刀で受け止めるも隼石像が纏っていた炎で多少腕に火傷を負ってしまう。


「あっう…!」


 刀で受け止めすぐに払ったので被害を最小限に抑えたものの休むことなく次の攻撃を仕掛けられる。


「ちょ! ちょっと待ってよ!」


 攻撃を躱しながら素早く魔法収納鞄(マジック・バック)から火傷用の塗り薬と体力及び魔力回復のポーションを取り出しポーションを一気に流し込み手早く火傷箇所に薬を塗る。


 よし、痛みはなんとかなった。


「こっからは反撃といかせてもらう。 ワイルドブースト ワイルドレッグ アクセルブースト」


 シーナは身体能力強化魔法を使う。


「よし!」


 と呟くのも束の間すでに正面から鰐獣人が殴りかかってきている。


 けれど…


「荒牙!」


 シーナの一撃が鰐獣人を腹から真っ二つに切り裂いた。


  「よし! まず1体!」


 仲間が倒されたことにより石像達の攻撃が激化する。


 疾風弾(エアーショット)


 石礫連弾(ガトリングストーン)


 火翔散弾(かしょうさんだん)


 四方からの容赦のない攻撃、だが今のシーナには躱すのはさほど難しくなかった。逆に石像達の攻撃のタイミングに一気に懐に入り確実に1体1体仕留めていく。


 まずは邪魔な獣型石像達から片付けていく。


 疾風弾(エアーショット)


 風属性の技を放ってくる鰐型石像達は攻撃の際に口を大きく開くのでそのタイミングに合わせて顎から胴体をバッサリと2枚に下ろすシーナ。(元々料理が得意でサバイバルがてらよく鰐を捌いているので簡単にこなすシーナ。石像だから石でできてるけどね)


 瞬く間もなく鰐型石像を全て倒したシーナ。そして今度は1番近くにいた蛇型石像に狙いを定める。


 距離を詰めようとしたが横から牛型石像が突進してきたので足を止めてそちらから倒すことにした。


「斬空!」


 シーナの放った斬撃は牛型石像を切り裂くも当たる寸前で身体を水に変えられてしまうのでダメージがほとんど入っていない。


 チッ、厄介な技使いやがって… てか、石像がなんで水状になれんだよ!


 そんなことに疑問しつつ他の石像達の攻撃も躱すシーナ。


 ここまでの経過時間は55分…

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