受付さん
街に着いたオールはその足で冒険者組合の建物まで向かった。
冒険者組合の建物はこの街のほぼ中心部に位置しておりその為街の中心部に近づくにつれて冒険者達の姿が多くなる。
そしてオールは組合の建物に到着し入り口の扉を開けた。扉の先には多く冒険者が滞在しており受け付けをしている者…テーブルに座って話し込んでいる者…掲示板張り出されている依頼内容を吟味する者など…
オールも受け付けの列に並び5分くらいで順番が回ってきた。
「あら オールさん お帰りなさい」
「こんにちは受付さん はいこれ」
そう言って俺は受付さんに今回の依頼を行った証である書類と狩った地龍の素材を渡した。
「はい 確かに受け取りました。 では書類と素材の確認が終わりましたら報酬の方のお渡しになりますので 少々お待ちください」
「ああ、そうだ 言い忘れてたけど 今回の報酬は分割でお願いします」
「分割と言いますと? あー もしかして!」
受付さんは内容を把握してくれたらしく ポンと手を合わせた。
「でしたら オールさんの取り分だけ先にお渡しして残りの分は彼らが受け取りにきた時にお渡ししておきますね」
「いや〜 他の受付さんと違ってあなたは話しが早いから助かりますよ」
「何を仰いますか では確認の手続きをしてきますから…」
「なら いつもの部屋空いてますか?」
「…… たぶん空いてますよ」
一瞬言葉が止まった受付さんだがすぐに…
「では 確認が終わり次第 報酬は部屋の方にお届けしましょうか」
「 ありがとうございます それともう一つだけいいですか?」
「はい 何でしょうか?」
「もしもし組合にあの女が来て俺のことを聞かれたら…」
「はいはい わかってますよ! 居ないてお答えすればいいんですよね!」
「ほんと あなたは話しが早くて助かる」
そして受付さんは奥の部屋へと姿を消した。それから俺は組合の建物の2階にある1室へと向かった。
その部屋は2階の奥の方にある部屋でまず普通の冒険者は立ち入らない部屋であった。
部屋の前まで来るとオールはドアノブに手をかけてドアを開いた。そしてなぜその部屋に普通の冒険者が立ち入らないかと言うと…
「あーあ… またか」
とオールの声共にドアの先から大量の本が雪崩のごとく崩れてきたのであった。そしてそのままオールは本の雪崩に飲み込まれた。
それからすぐに山積みになった本の間から抜け出したオールは本を脇に避けながら部屋へと入った。
「たく! 最後にこの部屋片付けたの誰だよ!………あっ、最後にこの部屋片付けたの 俺だったは…」
自分でやった事を思い出して深いため息をつくオールであった。
「はー……」