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依頼の内容は?

 

 支度を整えてから、シーナと共に街へと向かうオール。そして街に入ると少し早めの昼食をとってから組合の建物へと向かう。


「あら、オールさんとシーナさん こんにちは」


 建物の前で挨拶をしてきたのは、いつもの受付さんであった。どうやら外での用事を終えて組合に戻ってきたところのようだ。


「こんにちは、受付さん」


「こんにちは!」


「今日は、新しい依頼(クエスト)を探しにきたんですか?」


「いや、今日は組合の方から手紙を貰って」


「あら、そうなんですか」


 立ち話しも早々に俺達は建物の中へと入った。そして受付さんが気を使って俺達が来たことを上の人に伝えにいってくれた。


 少ししてから、受付さんが戻ってきて2階の部屋へと案内してくれた。


「こちらになります」


 そう言って部屋のドアをノックした。すると中から「どうぞ」と声がしたので、受付さんはドアを開けてくれた。


 中に入るとすでにソファーに座っている男がいて、俺とシーナが部屋に入っる立ち上がって挨拶をしてきた。


「お久しぶりですね。 オールさん シーナさん」


「お久しぶりです。 ヴォルフガングさん」


「久しぶり!」


「相変わらず元気そうですね、シーナさん」


 ヴォルフガングさんはここの街の冒険者組合の中で1番偉い人であり。彼自身も元Sランク冒険者である。外見は長身でブロンドの髪を後ろで束ねており、黒縁(くろぶち)眼鏡をかけている。


「まあ、どうぞソファーにかけてください」


 そして俺とシーナが座ってから彼も腰を下ろした。


「それで、俺達に相談したい事とは何ですか」


「はい、それがですね。 フィヨル(北の都市)の冒険者組合からあなた宛に手紙が届いたんですよ」


フィヨル(北の都市)の冒険者組合から?」


 フィヨルとは王都を含めた5代都市のうちの1つであり、ノース・グラウンド(北の大地)の中心的都市である。ちなみにオール達がいる街は王都が管理する地域ないだが、場所がノース・グラウンド(北の大地)との地域境の近くなのである。


「それで、別にあなたをここに呼ばなくても直接手紙を送ればよかったとは思ったんですが、あちらの組合にも返事が早い方がいいかと思いまして」


「なるほど で、手紙の内容とは…モンスター討伐の 依頼(クエスト)ですか…」


「それが、そうなんですよ」


 苦笑いしながら答えたヴォルフガングさん


「でも、何でフィヨル(北の都市)の冒険者組合からモンスター討伐の依頼(クエスト)が俺達のとこに?」


「いや、正確に話すとモンスター討伐の依頼(クエスト)ではなく、ノース・グラウンド(北の大地)で新しく発見された。 ダンジョンの攻略といった依頼(クエスト)でして」


「えっ… ダンジョン攻略ですか……」


 内容を聞いて嫌そうな表情になるオール。だが、一方でダンジョン攻略と聞いてウキウキしているやつが隣りに居た。


「いいじゃん!いいじゃん! 行こうよオール!!」


「………」


 オールは無言のまま、隣りではしゃぐシーナを見る。


「ん? どうした」


 ここで深いため息をつくオールは、考えていた。もしも自分がこの依頼(クエスト)を断ろうとしてもきっとシーナに止められて、結局は依頼(クエスト)に行く羽目になると。


 それからオールはもう一度ため息をついてから改めてヴォルフガングに内容を訪ねた。


「で、何度も聞きますが、何故フィヨルの組合から俺達宛に依頼(クエスト)が?」


「それがですね 手紙にはあなた方を推薦した人がいると書いてありました」


「推薦て… 誰が?」


「ええ、推薦者はクライネさんと書いてありました」


 その名を聞いて思わず吹き出してしまった。


「クライネが! あいつ用事がまだあるからて言って、1人でデュロンの大森林(だいしんりん)に残ったはずなのに! たった2日でフィヨルまで移動したのかよ!」


「いやー、オールさんそれはたぶん違うと思いますよ」


「えっ?」


「この手紙が届いたのは昨日の夕方ですから。 おそらくクライネさんはオールさん達と分かれてから1日後にはフィヨルについていたかと思いますが」


 ああー……確かにクライネのことだからできない訳じゃないけど。にしても行動が早い!!


「で、フィヨルの手紙とは別にクライネさんからオールさん宛の手紙も一緒に届いたんです。 それがこちらです」


 ヴォルフガングさんからクライネが書いた手紙を受け取ると中の文章を読みはじめた。


「背景オールへ 急な推薦をして申し訳ないと思いますが、フィヨルの組合に寄りましたところ。組合長さんから、新しく発見したダンジョンの探索に行った多くの冒険者達が誰1人としてダンジョンから戻ってこず、その帰ってこない冒険者の捜索とダンジョンの探索を行うために1週間前に20名の冒険者チームでダンジョンの探索に行って貰ったのですが、その20名も未だ戻ってきてないそうです」


「20人もの冒険者が!」


「ええ、しかもクライネの手紙には20名の冒険者の中にはA+(エープラス)ランクの冒険者が4人とSランクの冒険者が2人が探索チームにいたそうだ」


「A+にSランクの冒険者もいたのに誰1人、ダンジョンから戻ってこないのか」


 流石にシーナもその話しを聞いてことの重大さを考えはじめた。


「それで、今度は大人数じゃなく少数精鋭で探索を行うために腕のある冒険者を集めてるらしいんです」


「少数精鋭て、具体的には何人で行くんだ?」


「さあー、クライネの手紙にも詳しくは書いてない けど…手紙の最後の方にみんなで仲良くね。って書いてあるてことは」


「みんなて?」


「クライネが俺達以外に推薦した()()て言ったら ()()()()しかいないだろ」


 そこで、また深いため息をつくオールだった。

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