囮
その後…地龍からの素材を取り終えると弓使いは
「それじゃ 俺はもう帰るから そこの気絶してる2人が起きたら この薬を飲ませろ」
そう言いながら弓使いは薬の入った小瓶を渡した。
「これは?」
「ただの 気付け薬だ」
「何から何まで ありがとうございます」
「別に お前達のおかげで依頼も早く済ませることもできたからな」
「……?」
「あー 別にこっちの話しだから 気になさらずに じゃあな」
そしてその場から去っていく弓使いであった。それから間もなくして気絶していた残りの2人が意識を取り戻し先程弓使いから貰った小瓶に入った気付け薬を飲ませた。そして2人に気絶していた間の出来事を話した。
「はあ! 報酬の半分ていくらなんでも取りすぎだろ!」
話しを聞いて怒鳴り声をあげたのは地龍のヒゲを切り落とそうとして剣を折られた冒険者だった。
「でも あの人がいなかったら お前は間違いなく食われたぞ!」
「そっ! それはそうかもしれないが1人で半分はないだろ!」
その時女の冒険者が気絶していたもう1人の冒険者が何やら難しい顔していることに気づく。
「どうしたの そんな顔して?」
「いや 今の話しを聞いて考えてみたんだけど その人もしかして俺達のこと囮に使ったんじゃないかなと思って」
「…囮!?」
「だって確か依頼を受けた時 組合の人は俺達の2日前に1人の冒険者が同じ依頼を受けたて 言ってたじゃないか」
「確かに あれほどの弓使いならすぐにでも依頼をこなすはず」
「だから あの人 帰り側に私達のおかげで早く済んだて言ってたのね」
「まさか 囮になってくれる他の冒険者を待ってたて言うのか? 」
4人の冒険者が話し合いをしていた時、弓使いのオールはと言うと…
「へくしょーん…… 誰か噂してるのか? 俺の話しをしているとしたらあの女ぐらいしかいないか…」
などと独り言を呟きながら街へと向かっていた。