これまでのあらすじ ―過去作のネタバレ―
ここでは、過去作「和菓子屋『野乃屋』の看板娘」「隣人はかぐや姫と呼ばれる」「ふくれっ面の跡取り娘」での出来事をまとめます。
三作のネタバレを含みますので、ご注意下さい。
●『上葛城商店街』について
一九七八年に、私鉄『上葛城駅』の開業に合わせて作られた。
駅の東口を出てすぐ、バスターミナルを超えた先に、歩行者天国に沿って数百メートル続いている。
その先に、同時期に作られた住宅街がある。
アーケードはない。
基本的に個人商店が並ぶ。
商店街振興会があって、時々親睦会という名の宴会を開く。
●美人について
この商店街ではその時々の美人を奉る習慣がある。
現在は商店街で一、二を争う美人たる、小村響と森田咲乃がその地位にあった。
彼女等には商店街の若い衆で構成される親衛隊がいる。
親衛隊は隊則によって抜け駆けを禁じられているので、美人たちは彼らにまとわりつかれるというウザい事態を回避できた。
【「和菓子屋『野乃屋』の看板娘」関連】
●和菓子屋『野乃屋』について
『上葛城商店街』が作られた一九七八年に、野宮みこの祖父が創業した。
商店街の買い物客が買い物ついでに立ち寄る店として、なかなか繁盛している。
現在の店長はみこの父。祖父は先代と呼ばれつつ、店の実権を未だ手放していない。
現店長は婿養子で、自身では和菓子を作れない。
●野宮みこについて
「和菓子屋『野乃屋』の看板娘」の主人公。
連載開始当初は中学二年生。
二〇一五年時点で高校二年生。(一九九八年生まれ)
背が低く、丸顔のかわいらしい容姿。
商店街と和菓子屋を愛する娘として、日々家業の手伝いに勤しんでいる。
何か行事があればいろいろとアイデアを出して店でキャンペーンを実施する。
かなりお節介焼きな上に、失敗することが多い。
現在、水野由起彦と付き合っている。
●水野由起彦について
みこの幼馴染み。
中学時代はハンドボール部のエース。
背はそこそこ高く、筋肉質。間延びした話し方をする。
時々男らしいところを見せるが、基本、ヘタレ。
現在、みこと付き合い、『野乃屋』のバイト店員をしている。
●野宮みこと水野由起彦の関係
二人は幼稚園の時からの幼馴染み。
やがて二人で『野乃屋』を継ぐのは子供の時からの決定事項となっている。
なのに、素直になれないみことヘタレの由起彦なので、二人の関係はいっこうに進まなかった。
「和菓子屋~」の最終回の一つ前にお互いが好き同士であると確認し合い、最終回、中学の卒業式の日に付き合うことを決める。
由起彦が祖母のお茶菓子を買いに夕方『野乃屋』に来るのが定番。
●森田咲乃について
商店街で一、二を争う美人。
二〇一五年時点で二一歳の大学生(一九九四年生まれ)
商店街に棲まう一匹の悪魔の異名を取るほどタチが悪い。
他人の色恋沙汰にお節介を焼くのが好きだが、タチの悪いことしか企まないので大抵ロクなことにならない。なのに結果オーライで最終的にはうまくいく。
実のところ、この人自身の話は「和菓子屋~」ではあまりない。
筋肉フェチ。
現在同じ大学でアメフトの選手をやっている彼氏がいる。
●小村響について
商店街で一、二を争う美人
二〇一五年時点で三十歳(一九八五年生まれ)
本屋『小村書房』の娘。マンガコーナー担当。
一度就職して商店街から出ていたが、離婚して戻ってきた。
離婚の原因は旦那のエロマンガ収集癖。
現在おもちゃ屋の店員の西田と付き合っている。
●小村響と西田の関係
西田はおもちゃ屋の店員で、おたくとして名高い。
中学の同級生だったが、その時は特に友だちでもなかった。
離婚した響が実家の本屋で働いている時に再会。響の方が先に好きになる。
咲乃とみこのお節介で何度か酷い目に遭いながら仲よくなっていき、「和菓子屋~」の終わり付近で付き合うことになった。
●桜宮恵について
みこの友だち。
駅向こうの高級住宅街に住んでいるお嬢さん。しつけが行き届いている。
やたら惚れやすく、「和菓子屋~」でも三回くらい別の人を好きになっている。手酷い失恋をするのが定番。
由起彦の友人たる柳本に惚れた時は、胸が小さいからと振られている。この時の怒りは相当長く持続した。
集中し始めるとものすごく集中し、なんでもやり遂げてしまう。
大抵のことができるが、特に料理が得意。
貧乳と人見知り以外は完璧な少女。
みことは違う高校(城山高校)に進学した。
●みこと由起彦の友人たち
みこの親友として、桜宮恵と元町実知がいる。
恵はおしとやかな美少女。実知は男っぽい喋り方をする元気な女子。
由起彦の友人として、高瀬と柳本がいる。
高瀬はお調子者、柳本はうすらでかくてボーッとしている。
それぞれの友だち同士は特に仲がいいわけではないが、「和菓子屋~」では少なくとも二回一緒に遊んでいる。
【「隣人はかぐや姫と呼ばれる」関連】
●乗倉伊奈について
「隣人は~」の主人公。
極端な人見知りの地味少女。人見知りというか、人間嫌い。
マンガ好き。
咲乃によって、あか抜けさせられた。
●森田咲乃について
「和菓子屋~」の咲乃と同一人物。
学内ではかぐや姫のあだ名で呼ばれており、言い寄る男子に無理難題を吹っかけて袖にするという行為を繰り返していた。
かなりキツい性格で、何を考えているか分からないと周りから思われている。
伊奈を親友と見定めて急接近していく。
実はさみしがり屋で支えになる親友が欲しかった。
●伊奈と咲乃の関係
咲乃が一方的に伊奈を親友と定めて急接近していった。
当初伊奈はものすごく嫌がったが抵抗しきれず、そのうちに二人の関係が居心地よくなってしまう。
伊奈の恋に余計なお節介を焼いたことから大げんかになったが、最後には仲直り。
この恋の過程で、伊奈は咲乃によってあか抜けた格好に変身させられた。
大学は伊奈の意志により別々のところにした。それでも変わらず親友。
二人とも親友は相手一人しかいない。
咲乃はなぜか親友以外には「咲乃」と呼ばせない。つまり、全体を通して咲乃を「咲乃」と呼ぶのは伊奈だけ。(誤記は除く)
【「ふくれっ面の跡取り娘」関連】
●花屋『シャーレーポピー』について
商店街にある花屋。
服屋の娘、赤木文香(結婚して佐伯)が、実家を飛び出して開く。
文香は夫の久秀に、この花屋を一緒にしようとプロポーズをした。
店長たる文香は花やブーケの品質に厳しい。
バイトが一人いることが確認されている。
●佐伯菜ノ花について
連載開始時点で高校三年生。
二〇一五年時点で十九歳(一九九六年生まれ)。
顔のパーツは派手ながら配置が微妙(と本人は思っている)。
周りが美人ばかりなので自分の容姿に自信が持てない。実はそこそこかわいい。
愛想のいい、お調子者。
将来やりたい事が何もなかったが、最終的に花屋で働くことを決める。
●橘縁について
菜ノ花と同い年。
父方の祖母の血によって、金髪、琥珀色の目、彫りの深い顔立ちをしている。(「ある日の~」で、先祖還りだと自分で言っている)
はんなりとした大阪弁を話す。
菜ノ花のことを好きだ好きだと言い続けている。本人はガチ百合ではないと主張。菜ノ花だけが好きなのだと。
アパレル業界で働きたいと夢を抱いている。
女子大の服飾学科に進学の予定。
●菜ノ花と縁の関係
中学入学時に出会い、以後ずっと親友。
出会った当時から縁は菜ノ花のことが好きだといっていたが、菜ノ花は冗談として取り合わなかった。
二人で一緒の大学に行く約束をしていたが、高校三年の夏、菜ノ花は花屋の跡を継ぐと決め、その約束を破ってしまう。
菜ノ花が自分の決めた進路を縁に伝えると、それを縁は受け入れる。
この後、菜ノ花のことが本気で好きなのだと、縁は告白する。
想いだけを伝えて菜ノ花には返答させない。答えはとっくに知っている。それを菜ノ花の口からは聞きたくなかった。
それでも親友としてこれからもやっていくと確認しあった。
相変わらず縁は愛してるなどと冗談のように言う。
●佐伯文香について
菜ノ花の母。
かつては『商店街の虞美人草』と呼ばれていた美人。
性格がかなりキツい。
豊富なアイデアで人助けをする時もある。基本的に面倒見はいい。
菜ノ花に花屋を継がせたいと考えていた。
娘との関係がうまくいかないことにずっと悩み続けている。
●菜ノ花と文香の関係
菜ノ花は小学校中学年頃から花屋を手伝い始めた。
その頃二人の関係は良好だったが、中学辺りから締め付けの厳しい母に菜ノ花が反発しがちになる。
高校に入って、菜ノ花が店を手伝わなくなるとさらに仲が悪くなった。
とはいえ、口も利かないというものではなかったが。
「ふくれっ面~」の中で一時仲よくなりかけたが、小さなトラブルをきっかけにして大きな喧嘩となる。
菜ノ花は弱い自分と強い母は分かり合えないと考えた。
それでもお互いに歩み寄ろうと決め、「ふくれっ面~」のラストでいちおう和解する。
●菜ノ花の進路
菜ノ花は小学校中学年頃から中学生の間、花屋を手伝っていた。
高校入学後、部活に入るのを潰されてから大きく反発し、一年戦い続けて店の手伝いをしなくていい権利を獲得した。
高校三年の時、店の手伝いを三ヶ月したら好きな進路を選んでいいと親から言われてその話に乗る(「ふくれっ面~」のエピソード)。
菜ノ花は当初縁と大学に行くつもりで縁ともそう約束していたが、店を手伝ううちに花屋の仕事が面白くなり、最後は花屋を継ぐと決めた。