表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幻獣ぱれっと!  作者: 橘 猫音
旅立ち(顔見世的なとかいっちゃダメ)
7/26

酒場にて:俺が出会った男は大胆なロリコンだった

「うっわーっ にゃぁ、シュウにぃ~ すっごい賑やかだね~」


「うわ…よくぞこの短時間で…凄いですね、鳴葉さん」


「ふ、ふふん、これくらいいつもの事よ…♪」


上から順に


移動中にすっかり目を覚ました、初めての「酒場」にワクワクテカテカな「ユー」


正直色々びっくりな「俺」


俺へのタメ口に慣れない様子だが、地味に誇らしげな「鳴葉さん」


ユーはまだ子供だからか、単に「酒場」の賑やかさに驚いているようだったが、俺は単に騒がしいのに驚いているわけではない。


俺とユーが鳴葉さんに案内された場所は、「さっきまでいた公園」だった。


赤レンガで出来た、アーチ型の入り口や、白濁色のブロック(長方形に切り出された石)で囲まれ、同じ素材で出来た噴水などから、辛うじて「さっきまでいた公園」と解った


だが、「現在俺がいる公園」はさっきまでの静かな様子とは一変して、所々に設置された100Wの明るい電球、酒樽が積まれ、その周りでは、弓士服や鎧、ローブなど、多種多様な服装の転生人種、通常人種、入り交じって、背もたれのある木製の椅子に座り、何個かある、頑丈そうなガッチリした木製の机を囲んで楽しそうに話しながら、ガラスのジョッキに入ったビールを飲んでいる、そんな光景が広がっていた。


「さぁ、行こうよ。」


と良い俺の手を引き(ユーも「待ってよ~」といいながらぴょこぴょこ付いてきた)、小走りに1つのテーブルまで行って、空いている椅子にカタンと音をたてて座り、「シュウも妹さんもどうぞ」と右横の空き椅子を勧めてくれた。


「じゃあ失礼します。」と知らない人ばかりに囲まれている机の前の椅子に座り、なんか肩身狭いなぁなんて思ったのもつかの間


「っよーう! 鳴葉! 今日はボーティスの転生成功したんだってなぁ? すげーじゃねぇかぁ!」


響き渡るような声が耳に入る。声の主の方を見る、声の主はオレンジ色の目をした同い年くらいの通常人種の男だった。


「クルヤ、いくら防音結界が張ってあるからといって騒ぎすぎよ。」


と鳴葉さん。 声の主に言う。 すると「クルヤ」と呼ばれた人物はポリポリと頭をかき


「いや~すまんすまん(笑) おっ? その隣に居るお兄さんは鳴葉の彼氏かな!? ひゅう!」


などと言い出した。なっ…と言い、一瞬赤くなった、鳴葉さんの顔が険しくなり、殺気が吹き出す。


「まっ、待て! 冗談だ! 話せば解る! わっ… まずはそのサソリの尾をしまってくれ!」


本気で慌てる「クルヤ」流石に酒場で死人がでるのは和やかじゃないな…


「なっ、鳴葉さん! まずは落ち着いて! 深呼吸ですよ! ひ、ひ、ふー…じゃなくて、スイマセンマジでスイマセン!!」


とりあえず止めたがちょっとしたミスから、俺の命まで危なそうだ。


死を覚悟する。だが、鳴葉さんはクスッと笑い、殺気もおさまる。


「ふぅ~ 助かったぜ、ありがとな兄ちゃん、俺はクルヤ、クルヤ=マーティクシィスっーもんだ。」


「全くクルヤ…冗談も程々にしなさい」とブツブツ言う鳴葉さんをスルーしていう。 全く…危ないところだったぜ… 取り合えず挨拶…っと、これってもしかして俺の本名覚えてもらえるチャンスじゃないか…!?


「あっ、俺は」


「あー解ってる解ってる、明日からうちのギルドに入るシュウだろ? 空音さんから聞いたよ(笑)」


うぉぉぉぅ…!! 空音さんがどうやらギルドの仲間内には伝えてしまったらしい。ギルドの面々には俺の名前を覚えてもらうのは絶望的だ…


「はぁ…宜しくお願いします…」


ちょっと落ち込む…


「おうおう、俺にはタメで良いって! 敬語とか使われると…っておぉぅ!?」


俺にタメ口の許可をだした後、椅子にちょこんと座り、ジョッキでコクコクとオレンジジュースを飲むユーを見て、声をあげるクルヤ。 暫く固まったのち、ハァハァと息を荒げる。そのあと、ユーに「ねぇお嬢ちゃん」と声をかけ、んんっ?と返事が帰ってきた後、クルヤの発した言葉は


「ハァハァ… お嬢ちゃん…どんなぱんつはいてるの?…ハァハァ」


だった、「ふぇ、私今日は」まで言ったユーの口を塞ぎ、「俺の妹になに聞いてんだっ」とクルヤに言う。


「まぁそう固いこというなってぇ。」


と言い、ユーのワンピースを捲ろうとするクルヤ。咄嗟にでる俺の右足。 クルヤの左足の太ももにヒット。足を払われ、地面に頭を軽く打ち、鼻血をだして気絶するまえに彼が言った最後の台詞は


「はいてない…!! お嬢ちゃんのあそこを見れただけで俺は…一生の悔いなしだぜ…」


だった。クルヤの鼻血は地面に頭を打った衝撃じゃないのかもしれない…


というわけで今話の締めの一句


『ロリコンや 嗚呼ロリコンや ロリコンや』byシュウ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ