初任務:移動、発見
「諸君、準備に怠りは無いな? 特にシュウ」
「はぁ? なんで俺名指しなんですか?」
ルーザンマードルから数キロ離れた所にある、原生林。目的地にたどり着いた俺たち、転生小隊4人は、いよいよ、作戦開始を目前に控えていた。
「お前が一番忘れそうだからだ。」
「はあ、忘れてないですよ」
到着してから確認とっても意味ないだろ、と思ったが、言ってもそれこそ意味が無いので言わない。
「さて、それでは行くことにしよう。」
とは言ってもすぐそこなんだけどな、と鳴葉さんは付け足した。
シェンドはいつもの深緑のローブ、ユーはいつもの黒いワンピース
を空音さんが「可愛くしてあげるー」と言って一晩で改造して出来た、フリルのついたゴシック調の服を着ていた。
鳴葉さんは黄緑のシャツの上に緑のショートコートを羽織り、チェックのこれまた緑のスカートを履いていた。いつものワイルドカーキでないところを見ると余裕だからと、ちょっとお洒落して見ただけなのだろうか?
まあ、なんにせよ、ユーも鳴葉さんも、何時もの服と違うが、新鮮で、なんていうか、良い。
きっと、二人とも洋装店にでも行ったら、店員に引きとめられて中々店から出てこれないだろう。
それにしてもこないだの鳴葉さんのゴスロリ服もよかったな。
ユーみたいな幼い容貌でないとゴスロリは似合わないと思っていたが、それは大いに間違いだったらしい。
それにしても空音さんは何処であんな 豊富なコスプレを手に入れているのだろうか?
それと、やっぱり…家で着たりしているのだろうか?
「ほら、彼処だ、標的確認、各自戦闘配備に付け」
どうやら、脳内で悶々してる間に標的を発見したようだ。
鳴葉さんの目線の先、やはり本でみるのと実物を見るのではあまりに違う
緑色の、沼色斑点の、大ガマガエル、『ライルバイソア』が池の畔に佇んでいた。