すれ違い
この話には、未成年の喫煙が描写されていますが、その行為は、法律によって禁じられています。
GW明け、
学校に行くとみんなからの視線が鋭かった。
当たり前だ。
私は髪を染めた。
明るめのハニーブラウン。
化粧もした。
アイラインを引いて、つけまもして、ツヤっツヤのグロスを塗った。
「かわいい!どこで買ったの?」
「今度一緒に遊ぼう!いいでしょ?」
「あっずるーい!俺も俺も!」
「俺も行く行く!」
ただの無口な女子。
それが、休みの間に、すっかりクラスの中心的存在になっていた。
それからというもの、彼とは接せず、クラスの女の子たちと遊んだりした。
夜は、バイト。
女の子と遊んでるから、夜はめっきり集中できた。
完全に彼を忘れる為だった。
今頃、何してるんだろうか。
仕事が終わって、タバコに火をつけ、ふとそんなことを思った。
前よりずっと明るくなった。
友達もいるし、充実している。
彼は・・・どうなんだろう。
何考えてんだか。
タバコの火を消して、服を着ようと立ち上がった。
「店長さーん!あがりまーす」
「おお、最近気合入ってるな!その調子で頼むよ?」
「はい・・・では」
辞めたいんですけど。
今日も言えなかった・・・