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道草
君は、なんで、いつも悲しそうなの。
分からなかった。
天体観測に行ったあの日も、
初めて会ったあの日も。
3年前のあの日、
君は、なにを考えていたのだろう。
ボーっとしてるとチャイムが鳴った。
明日から、GWに入る。
彼女とは家が逆方向だった。
だけどいつしか僕らは、一緒に帰るようになっていた。
校門を出て、
「ねえ、今日は道草しようか。」
と提案した。
彼女は少し頬を紅潮させ、うなずいた。
付き合ってはないのだ。
だが、僕らはとっくに両想いだった。
言えないだけだった。
少し薄暗い、小屋に着いた。
「ここは僕の秘密の場所なんだ。でも今日からは2人の場所。」
彼女をソファーに座らせ、僕も隣に座った。
色々な事を話しているうちに、日が暮れてきた。
僕は、
「ここは星がとっても綺麗に見えるよ。今度一緒にまた星を見よう。」
と最後に言った。
彼女は俯いていた。
彼女は悲しそうな顔をしていた。
なんで、
なんで、
僕は、彼女に顔を近づけた。
彼女が、悲しそうな訳が知りたかったから。
口より体が、先に動いたんだ。