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月齢  作者: めー
3/7

天体観測

露骨な描写がありますので、お気をつけください。

その日は、彼が天体観測に行こうと言った。


郊外の丘陵に行った。

彼は着いた途端、


「あっ!あれ!北極星だよ!」

北に光る星を指した。


「あの星はあぁ見えてすごく輝いてるんだよ。知ってた?」


シリウス、プロキオン、ベテルギウス。

リゲル。カストル。ポルックス。カペラ。アルデバラン。


4月中旬の午前8時。

もう西の空に沈んでしまいそうな、冬の星座を、君は、たくさん教えてくれたんだ。


好きだった。彼のことが。

愛していた。あの日の星座も。

君の一部だと考えて、頑張ったんだよ。


彼は、隣に寝そべって、双子座の神話を教えてくれた。

少し潤んだ私の目を見て、


「心が綺麗なんだね。」

と微笑んだ。


綺麗じゃないよ。

10時から仕事が入っていた。

門限と言って誤魔化し、その場を立ち去った。


今夜は、中年のオヤジ。

どっかの社長だろうか。

おっきいだの、何だの、社交辞令を吐き捨て、行為に至る。


気づいた頃には枕元に諭吉さんが4枚。


4万円の体。

仕事が終わった頃には、もう星はとっくの昔に西の空に消えていた。



頬を、涙が伝った。


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