表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/9

鴉の王、その誕生。

かつてこの村にはイツキという青年がいた。


青年は怪我をしている鴉の子供を助ける。

鴉の子供は青年によくなつき、畑仕事などを手伝っていた。


しかし迷信深かったその時代。


鴉は不吉な者とされ、不幸を招くとされていた。

噂を聞き付けた世界政府の使者が、その村を訪れた。


鴉の子供と仲良くする青年を目の当たりにする。


イツキは捕らえられ、投獄された。



拷問にかけられ、やがて獄死する。



鴉の子供は戻る者のない家でイツキを待ち続けた。






『鴉よ、私だ、イツキだ。どうか戸を開けておくれ。』

疑う事を知らぬ幼き鴉が戸を開けた瞬間。

『!?』

塩で浄められた弓矢に胸を射抜かれた。


『騙したな、人間…イツキが僕を売ったのか…。』


『鴉に生まれた事を呪うんだな。お前も友達のところに行けて本望だろうよ。』


この日より、鴉の魂は地獄に拘束される。


現世の時の流れに左右されることもなく、ただひたすらに憎しみと孤独だけが積

み重なっていく。




現世で僅かな季節が過ぎた頃。

イツキの恋人がイツキの子を成した。

その子が子を成し、そのまた子が子を成した。


幾代か続き、神嶋樹が生まれた。



しくもイツキの生き写しのような姿だった。


そしてイツキと同じ血の匂いを地獄から鴉の子が感じ取っていた。


恐らく神嶋樹はイツキの生まれ変わりだったのかも知れない。



『神嶋樹…イツキと同じ匂いがする…彼は、何者なんだろう…』


 幼い魂は王と名乗り、樹を幽閉するべく動き出す。


 樹の記憶メモリーにイツキの記憶を上書きする。




(ねぇイツキ、一緒に復讐しようよ…人間を、一人残らず狩るんだ。)



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ