ヒロインたちの応援外交
「同志昭夫、次の演説は“世界平和と恋愛の両立”だ!」
「いや、テーマが重いのか軽いのかわかんない!」
東大構内の中庭。俺は今日も“革命の星”として壇上に立っていた。
最近は国際情勢にまで首を突っ込んでしまい、外務省からも“非公式懇談”の依頼が来る始末。
でも今、俺が一番困ってるのは――ヒロインたちの“外交”である。
「昭夫くん、次の面談、服装どうする? ネクタイ貸そうか?」
真由はカメラ片手に、俺のスタイリングをチェックしてくる。
「スクープ! “革命の星”、外交デビューに向けて私服選びかも!」
「やめて! その見出し、ファッション誌に載りそう!」
「でも、私が選んだら絶対モテるよ?」
「いや、外交ってモテるためにやるもんじゃない!」
美咲はその様子を見て、ビラを配る手が止まる。
「同志! 外交は思想の戦いだ! 服装より、魂だ!」
「それ、昭和の根性論すぎる!」
「同志の魂は、私が守る!」
「それ、恋愛的に聞こえるんだけど!?」
玲子は資料を抱えて、冷静に言った。
「あなた、外交の場では言葉の選び方が重要よ。私が原稿を添削してあげる」
「え、マジで!? それ助かる!」
「別に……あなたのためじゃない。国益のためよ」
「また“別に”!」
アナは喫茶店の隅で静かに言った。
「任務だから、外務省の動きは把握している。あなたの面談、私も同行する」
「え、スパイが同行!? それ、逆に怪しまれない!?」
「……個人として、あなたを守りたい」
「え、今の完全にデレじゃん!」
「任務だから」
「やっぱりか!」
こうして俺は、ヒロインたちに囲まれながら“外交準備”を進めることになった。
真由は服装とメディア対応、美咲は精神論と応援、玲子は原稿と戦略、アナは情報と警護――
「……これ、完全に外交チームじゃん」
「同志、世界に行くなら、私たちが支える!」
「昭夫くん、恋も革命も、私たちが応援する!」
「あなた、少しは自覚しなさい。モテてるわよ」
「任務だから、恋愛は排除すべき。でも……今だけは、応援する」
「……俺の昭和ライフ、恋と外交が交錯してる!」




