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46億年後にまた会えたなら!  作者: りーく/Leak
地球復興作戦!
2/6

1話 『砂漠に残る足跡』

はじめまして、リークです。

このたびは「46億年後にまた会えるなら、私は生きる理由を探す」をお読みいただきありがとうございます。


本作は、戦争で滅びた世界とそこに生きる人々の未来を描いたSF作品です。

主人公たちが抱える葛藤や希望を通じて、「生きる意味」や「絆」について考えていただけたら嬉しいです。


至らない点も多いかと思いますが、最後までお付き合いいただけると幸いです。

どうぞよろしくお願いいたします。

空気を感じ、温もりも感じる。

それと同時に体も、脳も目を覚ます。


ガタッ


甲高い声が静かな世界に響き渡る。


「イッダァァァァ!」


「な...なんでこんな目に…」


そんな悲鳴と共に暗闇から冷気が溢れ出てくる。

身の毛がよだつ。

暗闇の奥――人の気配がする。


「だ...誰ですか...?」


低く、穏やかな声が聞こえる。


私は恐る恐る近づく。


「誰!?」


目を凝らす。


そこには小柄で小さい顔、キョトンとした愛らしい目の女の子だ。


「あっ...初めまして...」


その子はぺこっとお辞儀をした。


「初めまして!」


何故か初対面のはずなのにずっと寄り添っていたような感覚を感じた。


「君はなんて言うの?」


「あっ...小倉遥華ですッ」


小倉遥華――それが彼女の名前らしい。私も答えなければ無作法というものだ。


「私は代井彩!よろしく!」


これから彼女と長い間一緒にいると感じた。


「こ...ここにいるのはあなただけですか...?」


遥華ちゃんが聞いてきた。

私は遥華ちゃんとしか出会っていない。

しかし他にもいると思った。


「クチュン」と小さなくしゃみが聞こえた。


その音に少し怖気づいた。

しかし気になるのが私だ。

恐る恐る音の方へと向かう。


「やべっ...」


声だ...人の声だ。

やはりまだ人はいた。

私は話しかけようと。

そこにある蓋をどかそうとした。


しかし開けられない。

中から抑えられているのもそうだが、

腕に温もりを感じる。


遥華ちゃんだ。遥華ちゃんが腕にがっしりと捕まっている。


「遥華ちゃん!この蓋を開けたいから離して!」


遥華ちゃんにそう言うも離さない。

振動を感じる。

遥華ちゃんは怖がっているのだろう。


「わ...私暗いところが苦手で...」


「大丈夫!私がいるよ!」


そう答えると遥華ちゃんは腕を離した。


「い...いなくならないでください」


軽く頷き蓋に手をかける。

しかし開かない。

中から抑えられている。

少し力を加えて蓋を開けようとする。


ガシャン!


「うわぁ!」


声を上げた。

急に蓋が動き始め、そのまま蓋を押し飛ばしてしまった。


「な...なにぃ?」


中からこちらを見ている。

艶やかな髪に鋭い眼光。

そして腕に感じる温もり。


「あんたは誰?」


そう彼女に問う。


「私は凪沙」


彼女はそう答えると体を起こした。


「あんたらの会話を盗み聞いてたから名前は知ってる。」


「よろしく、彩」


凪沙は眠っていた箱から体を出して言った。


「彩はここで何をしてるの」


凪沙は問う。


「何故ここにいるのかわからない」


「わ...私もです...」


凪沙が歩き出した。

暗闇で見えなくてもわかる。

感じる。

空気が動きだし、光をともす。


「外」


「ここから出られるよ」


凪沙は出口を見つけた様だ。


「おお!でかした!」


久しぶりの光に感動しつつも、この部屋を見渡した。


「少しこの部屋を探索でも...」


「そ...外に出ましょう...」


私の言葉を遮る様に遥華が答えた。

遥華ちゃんは相当怖かったようだ。


「わかった。一度、外に出よう!」


私たちは光が差す階段を登った。

久しぶりの外に絶句した。


そこはまるで砂漠の様に荒れ果て風は吹き荒れ建物は見る影もない。


「嘘...」


震える唇を、私は手でそっと抑えた。


「どういうこと...」


「...」


何が起きたのかわからなかった。

まるで誰かに突き落とされた様な気分だった。

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