表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

10/27

第9話 ワイカトの夕焼け

ブックマーク、評価ありがとうございます!

本日は2話投稿で18時15分にも投稿します。

こちらは1話目です。ご注意ください。

 2日目は場所を変えながらモンスターたちを観察しました。


「ん! あれは!」

「ちょっと怖いですね」


 遠くにゾウ系モンスターの群れを発見したので気づかれないように岩山の上に伏せました。ゾウのモンスターも色々いますが凶暴な一面を持つ種類が多くいます。草食なので人を食べることはしませんが、ときには怒りに身を任せて襲ってくることがあります。こちらが何もせずとも。


 彼らは足の裏が傷つくことを嫌がるので岩山に隠れたり、とがったものを見えるようにばらまいたりするのも効果的だと言われています。


 魔力や魔法で対抗してくる個体もいますがそこまでして人間を襲おうとするのは割と珍しいケースです。人間に仲間を傷つけられた場合や、魔族に操られている場合ですね。


 ゾウたちも落ち着いていて危険はなさそうでした。


 冒険者の中にはモンスターを使役する人がいて、ゾウを操る人もいるそうです。しかしながら、こうやって実物を見るとちょっと信じがたいです。ビッグサイと比べれば見劣りしますが、ゾウもなかなかの大型モンスターですからね。それに加えて魔法も使うそうですから……。



☆☆☆☆☆



「そろそろお昼にしよっか。お腹ぺこぺこになっちゃったんだ」

「いいですね。今日は何を食べましょうか?」

「ロマンマスの燻製を持ってきたんだ。いっしょに食べよう♪」

「じゅるりら……は! つい涎が出てしまいました」


 2人でもぐもぐ燻製を楽しんでいるとスネコスリが集まってきました。なんと5匹もいます。スネコスリは結構希少なモンスターなので珍しいですね。愛らしくて人懐っこく、危険性もないのでペットにしたがる人も多いと聞きます。しかし、生態がよく分かっておらずペットにできたという報告はありません。


「うりゃうりゃー。おーよしよし♪」


 ルトラは随分スネコスリに懐かれやすいみたいです。今も群がられています。私の方にも、2匹来てくれました。撫でくりまわしておきます。


「私って昔から猫系モンスターに懐かれやすいんだー」


  ルトラの証言によると子どもの頃から猫系モンスターによく懐かれたとのこと。そこから推察するとスネコスリは猫系モンスターである可能性が高そうです。


「またねー」

「ぬぁおーん」

 

 スネコスリたちに別れを告げると返事が帰ってきます。ほのぼのとした食事でした。



☆☆☆☆☆



 その後、スネコスリたちと別れ探索を続けていくとビッグサイの足跡を見つけられました。


「流石に大きいねー」

「ダンディライオンをぺしゃんこに踏み潰せそうですね」

「魔素の残滓もすごいよ。これがS級モンスター……」

「今から追いかけますか?」

「いや、もう日も暮れてきたし明日にしよう」

「それもそうですね」


 それにしても、酔ってしまいそうなほどの密度と量の魔素です。足跡はゾウ2〜3頭分の大きさがありました。私などが踏まれたらぺしゃんこになって薄い紙っぺらになりそうです。足跡は草原の奥の方に向かっていっています。そこに何かあるのでしょうか。特に重要なものはないはずなんですが……。


 強いて言えば、この辺りは魔素がとても豊富になっていて、浮かび上がってくるほどです。奥地の方も同様に魔素が肥沃な場所である可能性はあります。そういうところに珍しくモンスターが発見しやすいです。


「魔素溜まりがあるのかな?それかサイ系モンスターの集団がいるのかも」

「確かミニサイはまあまあの数が生息していたはずです。その可能性は高いかもしれません。案外ビッグサイはサイ系モンスターの守護者なのかも」

「そうだとすると、穏やかじゃないことが起きてるのかも」

「だとしたら嫌ですね。不安です……」

「大丈夫だよ、私がついているから」



 ルトラが右腕で私の肩を抱きながら、左手で顎クイをしてきます。なんでこんなにイケメンなんですか……キュンキュンさせられてしまいます。夕闇に浮かぶ魔素の幻想的な情景も相まって、私はノックアウト寸前です……。


「あうあう」

「ふふっ、心配しないで。危険があったらすぐ逃げればいいんだから。私に任せて」

「はいぃ……」

「あーもう君はどうしてそんなにかわいいんだろうねぇ〜。この鮮やかな夕暮れごと抱きしめたいよ」



 頭をわしゃわしゃされてしまいました。さらに熱い抱擁まで受けてしまい、私のひ弱なメンタルはもう限界です。ぷしゅぅ。


 とにかく、今日はビッグサイの痕跡を見つけることもできました!大きな足跡が残っていました!明日はこれを頼りに捜索したいと思います!(ヤケクソ)



#####



 アジサイのレポート

 【スネコスリ】

分類:不明

体長:40cmほど

 体高:28〜30cmほど

ランク:B


 おそらく猫系だと思われるモンスター。でもどことなく犬っぽい。生息地は不明だが山や草原での遭遇例が多数報告されている。毛色は縞模様、斑点、茶色、黒、三色、白など様々で、短毛もいれば長毛もいるなど多種多様。


 発見することが非常に難しいと言われているが、ビッグサイの調査でワイカト草原を訪れた私とルトラの前にはひょこひょこと5頭も姿を現した。


 気性は大人しく、危険な能力も持っていないと言われている。人懐っこく大変可愛らしい姿も相まってペットにしたいという人は多い。しかし、捕獲されたという報告はない。


 スライムや小型の鳥系、ネズミ系モンスターを捕食していると可能性が高い。


 人の脛に頭を擦り付ける習性がある。


 また、スネコスリが捕食されたり殺傷された姿を見た者はいない。


 

お読みいただきありがとうございます。


ブックマーク、評価をいただけると大変励みになります!評価は画面下部の☆☆☆☆☆こういうやつです。


感想もいただけるととても嬉しいです。


よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ